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速いだけのクルマは「簡単」

マクラーレンのニューモデル「750S」は、そのネーミングからも想像できるとおり、これまで約6年間にわたって生産が継続されてきた720Sの後継車となるもの。

【画像】最新マクラーレン「750S」の機能美【インテリアもチェック】 全34枚

今回はそのジャパン・プレミアのために来日した、マクラーレンのプロダクト・プランニング・マネージャー、シェーン・ハーマン氏にインタビューする機会を得たので、その内容とともに750Sの魅力をお伝えしたいと思う。

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マクラーレン750S    マクラーレン・オートモーティブ

ーー750Sの開発プロジェクトはいつから始まったものなのでしょうか?

「720Sが完成した6年前から、次のプロジェクトとしてその進化の方向性は考えていました。実際に本格的なプロジェクトが始まったのは2年ほど前から。速いクルマを作るのは簡単なことですが、ロードカーとして日常的に使えるクルマを作ることが非常に難しい。“速さと実用性を両立”させることが750Sでは重要な開発の課題でした」

ーー750Sというネーミングからも分かるとおり、ミドに搭載されるエンジンはさらに30psのパワーアップを実現し、車重も30kg低減されました。そして今伺ったような日常的に使えるようなスーパーカーというコンセプト、つまり720Sからの進化を、カスタマーは実際に750Sに乗って感じることができるでしょうか?

「私自身、すでに何時間もこの750Sをドライブしました。答えは自信をもってイエスといえます。その違いはエンジンをスタートさせた瞬間から分かるでしょう」

顧客の望みはエボリューション

ーー6年間にわたって生産を続けた720Sのカスタマーは、このビッグマイナーチェンジを歓迎するでしょうか。

「それは私たちも懸念していた問題でした」

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750Sのプロダクト プラニング・マネージャーを務めたマクラーレン・オートモーティブのシェーン・ハーマン氏(右)と、日本代表の正本嘉宏氏。    マクラーレン・オートモーティブ

「ですが実際に750Sをローンチしてみて、それは720Sのカスタマーにも、とても受け入れられていることが分かりました。カスタマーは我々のようなブランドに、常にエボリューション、改善していくことを望んでいたのです。違う表現を用いるのならば、外よりも内の変化を望んでいるので、今回のマイナーチェンジは不満とはなりませんでした」

ーー新CEOのマイケル・ライターズ氏は、マクラーレンのプロダクトについて、まずクオリティのさらなる向上が必要とコメントしていましたが、すでに750Sではその結果は表れているのでしょうか?

「新たなクオリティ・コントロールに関しては、2つの点でコメントができると思います。1つは新しくさらに厳しいプロダクトのチェックシステムが生産ラインに導入されたこと。もう1つはエンジニアリング面での改善です。たとえばフロントバンパーをワンピースの構造とすることなど、クオリティに悪影響を与える可能性がある部分は徹底的にその設計を見直しました」

ーー750Sは、マクラーレンが現在シリーズ生産するモデルの中では最もパワフルで軽量なモデルです。(ここから30%のコンポーネントを刷新し、クーペでは0-100km/h加速で2.8秒という驚異的な運動性能を実現しているだけに、やはり市場での注目度は高いはず) 現段階での販売状況はどの程度のものなのでしょう?

「2023年分の枠は、すべて完売している状況です。ちなみに我々は、750Sの生産期間は720Sの半分、約3年間と計画しており、したがって全生産台数も720Sの半数という結果になるでしょう。750Sに続く次世代のモデルは、常に見据えているとコメントしておきます」

1番の進化点はどこ?

ーーさまざまな部分が720Sから刷新された750Sですが、特にその違いを体験してほしいのはどこでしょうか?

「まずは第3世代へと進化したプロアクティブ・サスペンション、PCCIIIを用いたシャシーのフィーリングを味わってほしいですね。同時にフロントのスプリングは3%ソフトに、リアは4%ハードにセッティングを見直し、ダンパーやアキュムレーター、ジオメトリーの変更も行っています。ブレーキシステムやギア比も、よりスポーティな走りを楽しむために改善を施しました」

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720Sと比較して、2脚で17.5kgも軽量化されたというシート。    マクラーレン・オートモーティブ

ーーアルトゥーラではPHEVのシステムを導入しましたが、将来的にマクラーレンはさらなる電動化のプランをお持ちなのでしょうか?

「輸出市場での各国の規制があるので、PHEVは重要な位置を占めるプロダクトだと思います。ただ重量が大きくなるBEVなどについては、バッテリーやパワートレインの軽量化が重要であり、まずはその技術的な進化を追求していきたいと考えています。マクラーレンとしては現在の段階では、その計画はないとお答えします」

ジャパン・プレミアの会場で見た750Sは、コンパクトなデザインに変化したフロントのアイソケットを始め、より機能性を高めたインテリアに至るまで、確かに720Sからの正常進化というものを感じさせる1台だった。

それはマクラーレンにとって、新たな時代の幕開けを飾るモデルといっても過言ではないだろう。

マクラーレン750S スペック

価格:3930万円~(クーペ)
全長:4569mm
全幅:1930mm(ミラーを除く)
全高:1196mm
最高速度:332km/h
0-100km/h加速:2.8秒
乾燥重量:1277kg(クーペ)
エンジン型式:3994cc V8ツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:750ps/7500rpm
最大トルク:81.6kg-m/5500rpm
ギアボックス:7速DCT

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日本価格はクーペが3930万円~。スパイダーが4300万円~。グローバルでのデリバリー開始は2023年第4四半期を予定している。    マクラーレン・オートモーティブ

マクラーレン750S 「簡単」ではなかった6年目の進化 年内の枠、完売の反響