プレミアリーグ第4節、アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッドが、日本時間3日24:30にエミレーツ・スタジアムでキックオフされる。打倒マンチェスター・シティを掲げる両雄による注目の今季初対決だ。

アーセナルは前節、フルアムとのホーム開催のロンドンダービーを2-2のドローで終えて開幕連勝がストップ。開始早々のミスから先制点を奪われる展開の中、途中出場のファビオ・ヴィエイラの2点に絡む活躍で試合を引っくり返し、相手の退場で数的優位まで獲得。だが、セットプレーからの失点で追いつかれてしまい、もったいない勝ち点逸となった。

いずれも勝利したノッティンガム・フォレスト戦、クリスタル・パレス戦を含め、今後を見据えたアルテタ監督の実験的な戦術、用兵もあって開幕からいまひとつなパフォーマンスが続いており、今季初の対ビッグ6戦では今後に繋がる内容の試合を見せたいところだ。

対するユナイテッドは前節、ノッティンガム・フォレストに3-2の劇的逆転勝利。試合開始5分経たずで2点のビハインドを背負う厳しい展開ながらも、エリクセンとカゼミロの2ゴールで同点に。その後は退場者を出した相手をブルーノ・フェルナンデスのPKによるゴールで突き放した。ホームでの勝負強さを発揮し、0-2で完敗したトッテナム戦からリバウンドメンタリティを示した点は評価できるが、対戦相手のアーセナル以上に内容面では多くの課題を残す。

主力に数名の負傷者が重なり、昨季から続くアウェイゲームの弱さと逆境の中でのタフな一戦になることは間違いないが、開幕5連勝中だったガナーズにシーズン初黒星を与えた昨季初戦の再現でパフォーマンス向上のきっかけを掴みたい。

アーセナル
【4-3-3】
▽予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.

GK:ラムズデール
DF:ホワイト、サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ
MF:ウーデゴール、ライス、ハヴァーツ
FW:サカ、ガブリエウ・ジェズス、マルティネッリ

負傷者:DFティンバー、MFトーマス、エルネニー
出場停止者:なし

出場停止者はいない。逆に、サスペンション明けの冨安健洋が復帰する。負傷者に関しては長期離脱中のティンバーとエルネニーに加え、今週のトレーニング中にそ径部を痛めたトーマスが不在となる。

スタメンはディフェンスラインの並び、中盤とセンターフォワードの人選に注目。開幕3試合で右サイドバックに入っていたトーマスが不在となり、前述の昨季主力メンバーの起用を予想。ただ、冨安が左右のいずれかで起用される可能性も十二分にある。

中盤は振るわないパフォーマンスによって批判を浴びるハヴァーツの起用継続か、フルアム戦で2ゴールに絡んだファビオ・ヴィエイラの抜擢か。センターフォワードはガブリエウ・ジェズス、エンケティア、トロサールの3択となりそうだが、前節途中出場で戦列に復帰したエースを起用するとみる。

マンチェスター・ユナイテッド
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:オナナ
DF:ワン=ビサカ、リンデロフ、マルティネス、ダロト
MF:カゼミロ、エリクセン
MF:アントニーブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード
FW:マルシャ

負傷者:GKヒートン、DFヴァラン、ショー、マラシア、MFマウント、メイヌー、FWアマド
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはショー、マラシア、マウントに加え、フォレスト戦で負傷したヴァランも不在となる。また、新加入組では到着が遅れたアムラバトが不在となる。

プレシーズンや開幕節では[4-1-4-1]の布陣を採用していたが、直近2試合で採用している[4-2-3-1]で臨む可能性が高い。スタメンに関しては新加入のレギロンとホイルンドが、ダロト、マルシャルに代わってスタメンデビューを飾る可能性も…。また、ラッシュフォードを1トップ、ガルナチョを左ウイングに置くオプションも想定されるところだ。

★注目選手
アーセナル:MFデクラン・ライス
Getty Images

かつて移籍先候補に挙がった因縁の相手に存在感示せるか。今夏、イギリス人史上最高額となる総額1億500万ポンドでアーセナルに加入したイングランド代表MF。自身の移籍金を更新し、チェルシーに加入したカイセドの存在によってややハードルは下がったが、今回のビッグマッチで注目を浴びる一人だ。

とりわけ、対戦相手のユナイテッドは過去に移籍先候補に挙がったクラブであり、今季はやや調子を落としているものの、自身が主戦場とする守備的MFで世界最高峰と評されるカゼミロがプレー。また、今回は残念ながら負傷で欠場するが、チェルシーアカデミー時代からの親友であるマウントが加入しており、個人としてよりモチベートされた状態での試合となるはずだ。

アーセナルでは同じく新加入のハヴァーツが適応に苦戦を強いられる中、ここまではまずまずのフィット具合。プレシーズンに試された左インサイドハーフ起用はチーム事情でペンディングとなっており、現状では中盤のフィルター役、繋ぎ役としての仕事がメインだ。ウェストハムと大きくスタイルが異なる新天地においてビルドアップや崩しへの関与は試行錯誤の印象が強いが、コーチングや切り替えの精度、デュエルという部分では早くも存在感を示しており、ユナイテッド戦ではその特長を十二分に発揮して中盤でのバトルにおいて優位性をもたらしたい。

マンチェスター・ユナイテッド:FWラスムス・ホイルンド
Getty Images

赤い悪魔の新エースストライカー候補がベールを脱ぐ。クリスティアーノ・ロナウド退団後、新たなエースストライカー獲得に動いたユナイテッドケインやオシムヘン、ゴンサロ・ラモスら数名の候補をリストアップした中、紆余曲折を経て20歳のデンマーク代表FWを獲得。母国デンマークイタリアでは知られた存在ではあるものの、キャリアを通じて1シーズンもリーグ二桁ゴールの経験がない若者に総額7200万ポンドを投資したことに疑問を抱く意見も多く、個人として早期の目に見える結果が求められるところだ。

前所属アタランタのプレシーズン中の負傷によってデビューがずれ込んでいたが、テン・ハグ監督は今週の公式会見においてアーセナル戦での起用を示唆。いきなりのスタメン起用の可能性は低いが、デビューの可能性は非常に高い。

191㎝の左利きストライカーは傑出したアスリート能力を誇り、アタランタのガスペリーニ監督は「ハーランドと非常によく似た特徴を持っている」とそのポテンシャルを絶賛。現在、世界最高のストライカーの一人としての地位を確立するノルウェー代表FWのような活躍をいきなり求めるのは酷と言えるが、サリバやガブリエウとプレミアリーグ屈指の守備者を相手に、少なくともその片りんを示すようなデビュー戦としたい