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WANIMA主催の野外音楽フェスティバル「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2023」が9月2、3日に熊本・熊本県農業公園カントリーパークで開催。この記事では初日公演の模様をレポートする。

【写真】WANIMAとINIのコラボステージの様子。

ワンチャンフェス」は昨年9月にWANIMAの地元・熊本を舞台に初開催された音楽フェス。蒸し暑さが残りつつも、秋の訪れを告げるとんぼが観客の頭上を飛び交う中で2回目となるイベントは初日を迎えた。前説ではWANIMAくまモンが登場し、KENTAは「思いやりと助け合いで今日1日よろしくお願いします!」と挨拶。さらにくまモンのジェスチャーを「くまモンはあとでダイブするそうです」と代弁し、開催を宣言した。

イベントの一番手を務める10-FEETは、TAKUMA(Vo, G)が「絶対にハッピーにやろうぜ! WANIMAのために!」と呼びかけてから、「VIBES BY VIBES」でライブ開演の狼煙を上げる。「RIVER」では白昼にも関わらずスマートフォンのライトを掲げるように呼びかけるなど、自由なライブを展開。キラーチューン「その向こうへ」では「おい熊本! 起きろ!」とTAKUMAが咆哮し、「第ゼロ感」ではNAOKI(B, Vo)がハイキックを決める。「120曲やります」と冗談を飛ばした彼らだったが、全7曲にそんなエネルギーを凝縮したようなパフォーマンスで観客にパワーを与えた。続くsumikaのライブは、過去の出来事を噛みしめながらも前向きな思いを歌う「フィクション」でスタート。「Lovers」で片岡健太(Vo, G)がステージサイドの花道を歩いたり、カメラ目線をしたりとファンに寄り添うステージングが展開され、その後は「ふっかつのじゅもん」「ファンファーレ」と疾走感のあるドラマチックな楽曲が続く。さらに彼らはチルなムードの「Summer Vacation」のあと、「Shake & Shake」「Starting Over」と人気曲で会場の合唱を誘い、観客を笑顔にさせた。なお片岡は約10年来の付き合いだというWANIMAについて「ずっとべったりってわけじゃないけど、いいバンド仲間。愛してます」と述懐した。

昨年に続いて「ワンチャンフェス」2度目の出演となるINIは、「FANFARE」「SPECTRA」といったハードなサウンドのナンバーで、キレのあるダンスを披露して観客を魅了した。昨年この会場で、KENTA作詞作曲による「HERO」を初披露した彼ら。松田迅が「パワーアップした俺たちを見たい人いますか?」と煽ると、藤牧京介がWANIMAを呼び込んで「HERO」のコラボパフォーマンスへとつなげる。曲の冒頭では尾崎匠海が伸びやかな歌声を響かせ、WANIMAは安定感のある演奏でINIを支えて場内を大いに盛り上げた。続いて姿を現したのは、この日随一の異彩を放ったcoldrainハードコアやエモを基調としたサウンドや重低音を轟かせてオーディエンスを圧倒し、「The Revelation」や「Cut Me」ではヘッドバンギングやサークルピット、ウォールオブデスを発生させた。Masato(Vo)はフェス主催の経験者として、「ここまで振り幅のあるフェスはないと思います。WANIMAファンの皆さん、誇りに思っていい」と絶賛しつつ「できたらあんまり知らないアーティストも観て帰ってください」と提言。最後に彼は「PARADISE(Kill The Silence)」で客席エリアへ足を運んで絶唱し、大きなインパクトを残した。

1曲目「炎と森のカーニバル」から会場全体をファンタジーの世界に変貌させたのはSEKAI NO OWARIFukase(Vo)とNakajin(G)はステージを端まで歩いて観客に手を振る。またFukaseWANIMAへの感謝と熊本でライブができた喜びを語り、ワクチン副反応による高熱の影響で“性格の悪い歌詞”となったという楽曲「Habit」を歌唱。ラストの「Dragon Night」では、合唱する観客を前にSaori(Piano)がアコーデオンを弾きながら歩いてさらなる熱狂を生み出し、Fukaseは「いいね!」と笑顔で弾けさせた。関ジャニ∞はまず「ズッコケ男道」を勢いよく演奏。続けて横山裕(Vo, Per, Trumpet, G)がトランペットを吹いた「無責任ヒーロー」や、愚直な青春パンクチューン「未完成」を届けた。彼らは丸山隆平(Vo, B)のベースソロから「NOROSHI」につなげるなど、骨太なステージを展開。MCでは関ジャニ∞ライブへの初参加客が多くいることから、横山は「伸びしろですね!」と繰り返し叫び、“短髪の金髪”の観客がいることを喜んだ。「僕らジャニーズのアイドルグループですけど、音楽に壁はないぞという気持ちでやっています」と安田章大(Vo, G)が思いをぶつける場面もありつつ、彼らはWANIMAの提供曲「ここに」で熱くライブを終えた。

トリのWANIMAは登場するなりコール&レスポンスで観客を煽り、期待感を最大限まで高める。KENTA(Vo, B)が「ノンストップで35分駆け抜けます!」と宣言すると、まず3人は「ともに」をパワフルに演奏。続く「リベンジ」で3人は炎の映像演出をバックに燃えたぎるパフォーマンスを繰り広げる。KENTAが「コロナ禍にみんなで歌いたくて作りました」と前置きして「Cheddar Flavor」の演奏へつなげると、観客はKENTAの思いに応えるように力一杯シンガロングした。さらにWANIMAはオーディエンスを「THANX」でジャンプさせ、跳ねるようなビートの「オドルヨル」で大いに踊らせる。存分に盛り上げたところで、2022年4月に発表した「眩光」を真摯な表情で奏でてオーディエンスの胸を打った。

アンコールではKENTAが「大好きな先輩!」と紹介して10-FEETを呼び込み、2組は「VIBES BY VIBES」をプレイ。彼らは“バイブス“を感じさせるパフォーマンスを披露して会場に一体感を生み出した。KENTAは「2年目『ワンチャンフェス』ありがとうございます! 来とるみんなの顔がめっちゃよかったわ。ありがとう!」とこぼれるような笑みを浮かべ、漁師の祖父に向けた「1106」を大切そうに歌い上げる。そして最後に高速ビートが炸裂するショートチューン「Hey Lady」を駆け抜けるように演奏し、「ワンチャンフェス」初日を晴れやかに締めくくった。

なお本日3日には「ワンチャンフェス」の2日目公演が行われている。出演者はMONGOL800ASIAN KUNG-FU GENERATIONKREVAONE OK ROCKUVERworldELLEGARDENWANIMAの7組。炎天下での開催が予想されるので、参加する人は体調管理を徹底し、楽しく1日を過ごそう。

「WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2023」2023年9月2日 熊本県農業公園カントリーパーク セットリスト

10-FEET

01. VIBES BY VIBES
02. RIVER
03. ハローフィクサー
04. その向こうへ
05. 第ゼロ感
06. 蜃気楼
07. ヒトリセカイ

sumika

01. フィクション
02. Lovers
03. ふっかつのじゅもん
04. ファンファーレ
05. Summer Vacation
06. ShakeShake
07. Starting Over

INI

01. FANFARE
02. SPECTRA
03. Dramatic
04. BAD BOYZ
05. Moment
06. AMAZE ME
07. HERO

coldrain

01. ENVY
02. MAYDAY
03. The Revelation
04. Cut Me
05. Before I Go
06. NEW DAWN
07. PARADISE(Kill The Silence)

SEKAI NO OWARI

01. 炎と森のカーニバル
02. Witch
03. 虹色の戦争
04. Habit
05. RAIN
06. ターコイズ
07. Dragon Night

関ジャニ∞

01. ズッコケ男道
02. 無責任ヒーロー
03. 未完成
04. 象
05. NOROSHI
06. ハライッパイ
07. 勝手に仕上がれ
08. ここに

WANIMA

01. ともに
02. リベンジ
03. TRACE
04. Cheddar Flavor
05. THANX
06. オドルヨル
07. 眩光
08. ここから
アンコール
09. VIBES BY VIBES(オリジナル:10-FEET
10. 1106
11. Hey Lady

WANIMAのライブの様子。(Photo by SARU[SARUYA AYUMI])