26日に行われ、楽天が「2-1」で勝利したソフトバンク戦。試合結果以上に話題となったのが楽天のプロ17年目・34歳の田中将大に対する、ソフトバンクのプロ6年目・24歳のリチャードの態度だった。

  リチャードは5回表1死の打席で一ゴロに倒れた際、一塁ベースカバーに入った田中とすれ違ったが、報道によるとこの際に何か田中に声をかけたという。リチャードがどのような言葉を口にしたかは伝えられておらず、中継でも声掛けの様子ははっきりとは映っていなかったが、リチャードの方を振り向いた田中が「おいっ」というように口を動かしながら睨みつける様子は映っていた。その後、5回裏開始前にリチャードは三塁側の楽天ベンチへ頭を下げたという。

 リチャードは3回表無死一塁の打席で空振り三振に倒れたが、時間をかけてバットを構える、ファール後にバットを交換するといった行為などにより打席終了まで5分ほどかかっていた。田中はこれを問題視したのかイニング終了後に球審と何か言葉を交わしており、これが伏線になったのではという見方もあるが、ネット上の反応は「理由がどうであれ先に吹っ掛ける方が悪い」、「また一時の感情でトラブル起こしたのか」といったリチャードへの呆れ声が多数となっている。

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 2018年のプロ入り(2018~2020年3月までは育成)からソフトバンクプレーするリチャードは身長189センチ・体重123キロの体躯を誇り、チームトップクラスの飛距離を出す長距離砲。ただ、昨季まではプロ通算10本塁打、今季は「.125・0本・1打点」とほとんど結果を残せていない上、かねて精神的に未熟な面があると問題視されてもいる。

 2022年6月2日の二軍・中日戦では、球審のストライク判定に不満をにじませ退場を宣告された上、宣告後も「は? エグいでしょ、エグいエグいエグいエグい」、「広すぎ(と言っただけ)」などと反抗的な発言を連発したことで多くのファンのひんしゅくを買った。また、同年8月にはチームを率いる藤本博史監督から「結果が出ず、結果が出なかったら守備も精彩を欠く。打てなくてベンチで下を向いている」と、成績不振に対する落胆を態度に出すことを理由に二軍降格にされている。

 打撃も精神面も今一つ成長が見られないリチャードは、同僚3名と共に28日に二軍降格に。4位楽天と2ゲーム差の3位と、チームがCS争いを繰り広げる中での抹消ということを考えると、今季はもう一軍から声がかからないまま終わる可能性もあり得なくはない。

 また、ソフトバンクファンの一部からはリチャードがここから一軍戦力になれる可能性は乏しいとして、見切りをつけて今オフに放出するべきではという意見も上がり始めている。大砲候補としてポテンシャルは評価されていることから、獲得希望が多い選手を提供した球団から指名が可能となる現役ドラフトの弾としては有用ではないかという意見もあるようだ。

 藤本監督は三軍監督時代(2019-2020)からリチャードに目をかけ我慢強く指導を行っているが、今後の処遇をどう判断するのかは要注目だ。

文 / 柴田雅人

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