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登録車・軽 合計で34万台を販売

執筆:Naojiro Onuki(大貫直次郎

2023年7月の国内新車販売は、ダイハツの想定外の生産および出荷停止もあって回復基調がやや鈍化したものの、8月は再び2ケタの伸びを示した。

【画像】ムーヴ・キャンバス「セオリー」&「ストライプス」【見比べる】 全42枚

全国軽自動車協会連合会がまとめた軽自動車の新車販売台数(速報値)は、同14.0%増の「12万6477台」と2か月ぶりにプラスを回復する。

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ダイハツは仕入先の火災による影響で、6月~7月に、12日間にわたる稼働停止を強いられてた。それでも8月は前年比2ケタの伸び。画像は、減産を実施した大分(中津)工場で生産されるムーヴ・キャンバス。ムーヴのフルモデルチェンジが待たれるなか、ダイハツの好調を支える。    ダイハツ

一方、登録車の8月の新車販売台数(速報値)は、前年同月比19.4%増の「21万3865台」と8か月連続でのプラス。

結果として、トータルでの8月の国内新車販売台数は、同17.3%増の「34万342台」と12か月連続での前年実績超えを達成した。

軽自動車の8月のブランド別新車販売台数は、生産ラインを再稼働したダイハツが前年同月比12.4%増の3万9988台を販売して、3か月ぶりのシェアトップに就く。

前月トップのスズキは同9.6%増の3万9865台を記録したものの、123台の差で第2位に陥落した。

一方でホンダは同37.2%増の2万2683台、日産は同5.1%増の1万3848台とプラスに回復し、また三菱自は同40.7%増の4498台とプラスを維持する。

そして、OEM供給を受けるブランドではマツダが同34.9%増の2947台とプラスを記録したものの、トヨタは同37.2%減の1570台、スバルは同26.7%減の1053台と前年実績を大きく下回った。

自動車業界 受注残の解消は? 「増産体制の構築は未達」の声

8月の新車販売の動向に関して業界団体の関係者は、「前年8月の新車販売台数が29万42台と低水準だったこともあって、本年8月は17.3%の2ケタ増を達成した。8月上旬に西日本を襲った台風6号による一部工場の生産停止の影響も少なく済んだようだ」

「ただし、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年8月の38万8600台にはまだ及んでいない。材料および部品の供給不足による生産遅延は着実に縮小しているが、現状の受注残を本格的に解消するだけの増産体制の構築は未達の状況にある」と示唆する。

今後の展開については、「前年同期の新車販売台数が低迷していたことから、来月以降も前年実績を超える可能性が高い」と予測。

また、「懸念材料としては、依然として世界規模で続く部品の供給不安定や材料価格の高止まり、さらに急激な円安傾向などが挙げられる。物価高や国民負担率の上昇なども、消費意欲の高まりの面で負の要因」と指摘した。


8月の軽・新車販売、ダイハツがトップ 123台差でスズキをかわす