2023年11月7日(火)東京オペラシティ コンサートホールにて、アレクサンダー・ガジェヴがピアノ・リサイタルを開催する。

2021年のショパン国際ピアノ・コンクールにて反田恭平と2位をわかちあい、またクリスティアン・ツィメルマン賞(ソナタ最優秀演奏賞)を受賞したアレクサンダー・ガジェヴ。2022年6月~7月のリサイタルではソールド・アウト続出、また「題名のない音楽会」などへの出演でさらにファン層を広げた。

20歳で浜松国際ピアノ・コンクールに優勝して以来、2018年モンテカルロ、2021年シドニーなど出場するコンクールにはすべて優勝。音楽以外にも哲学、数学、物理などいろいろな分野に興味を持ち、また現在は即興にも力を注いでいる。ショパンコンクール後もイタリアで最も権威ある「フランコ・アッビアーティ賞」の 2022年ベスト・ソリスト賞を受賞、同年には優れたピアニストに与えられるイギリステレンスジャッド賞を受賞。また2025年欧州文化首都ノヴァ・ゴリツァの文化大使に選出されるなどなど多彩な活動と芸術性が高く評価されている。

なお、リサイタルは東京のほか、静岡、札幌、神奈川、福岡、大阪、広島と、全7会場にて10月~11月開催予定だ。

「心の動き」を巡るプログラム~ガジェヴ本人よりプログラムへ寄せてメッセージ~

(c) Andrej Grilc

(c) Andrej Grilc

今回のリサイタルは、「心の動き」を巡るプログラムです。
最初に演奏するバッハの変ホ長調のフランス組曲第4番は、私たちの魂を高揚させてくれます。そこからフランクの「前奏曲、フーガと変奏曲」へと旅を続けます。オルガン作品に基づくその美しい旋律は、メランコリックスローワルツを思わせます。遠い過去に思いを馳せるひと時となるでしょう。
続いて3曲取り上げるショパンの夜想曲は、美しくも不穏なざわめきを喚起します。その心の動揺は、スケルツォ第 3 番で頂点を迎えます。ポーランドの作曲家ショパンが残した最もドラマティックな作品の一つですが、激しい展開の中にも心穏やかなコラールが姿を現します。それは冒頭のバッハと繋がる世界なのです。
後半はムソルグスキーの組曲「展覧会の絵」です。東方正教会の精神性を宿すこの作品は、キリスト教会と異教との主題が絡み合い、高雅と野卑、聖と俗、悲劇と喜劇とが融合して、ロシア文化の大いなる魅力を映し出します。
この音楽の旅を皆さまとご一緒できることを楽しみにしています。
by アレクサンダー・ガジェヴ

(c) Andrej Grilc