ソラミツ株式会社、株式会社VIVIT、多摩大学大学院ルール形成戦略研究所(以下、CRS)は、国の中央銀行が発行するデジタル通貨CBDC」と、価格の安定性を実現するように設計された暗号資産「ステーブルコイン」を活用したクロスボーダー(越境)決済およびEコマースの開発プロジェクトチーム「睦〜MUTSUMI〜」を発足しました。

今後、同じ志を持つ協力企業の賛同を募り、その企業とともにマーケティングやPOCを進め、2024年秋頃のサービスローンチを目指します。

プロジェクト発足の背景

近年高度な経済成長を遂げている東南アジアは、スマートフォン保有率150%を超える一方で、銀行口座やクレジットカードの保有率が極めて低いのが特徴です。

そのため、スマートフォンの電話番号で直接送金や決済ができる“デジタル通貨”は、人々の生活に大きな利便性を与え、急速な普及につながっています。

一方日本のマーケットは、円安や貿易赤字、少子化により縮小の一途を辿っている状況。今回のプロジェクトは、この課題に対するソリューションを目的としています。

CBDC「バコン」を軸とする新しい経済圏構築へ

ソラミツ株式会社は、カンボジア中央銀行とCBDC「バコン」を発行しました。

バコンは、すでにカンボジアを中心に、マレーシアやタイなどのASEANをはじめとした東南アジア諸国とのQRコードによる越境送金・決済を実現。インドや中国などとの越境送金・決済への拡大を発表するなど、その普及を急速に進めています。

今回のプロジェクトでは、日本の中小企業が、東南アジアの大きなマーケットにシームレスに参入できるEコマースをバコン経済圏の基盤上に構築することで、日本各地の産業や文化が東南アジアダイレクトに届く新しい経済圏プラットフォームの実現を目指します。

株式会社VIVITが全体の舵取り、ソラミツ株式会社が越境決済システムの検討・構築、ブロックチェーン技術の活用や金融システムとの連携などの調整、CRSが東南アジアの外交関連、関連諸国の法律対策やルール形成戦略などを担当。ジョイントベンチャープロジェクトとして始動します。

日本のプロダクトをスムーズに届ける越境決済の仕組み

今回実現を目指す越境決済の具体的な仕組みは、上図の通り。日本のさまざまな金融機関が発行するステーブルコインとバコンをステーブルコイン交換所経由で接続し、ステーブルコインとCBDCの交換および為替レートの換算を行います。

これにより、東南アジア各国のQRコード決済手段の保有者は、バコンを経由して、日本との越境決済が可能になります。

クレジットカードを持たない層も各国のQRコード決済手段を活用して、スピーディかつ低コストに越境決済が可能になり、日本からの地域の特産品や各種のデジタルコンテンツを容易に東南アジア全体に販売できるようになるでしょう。

「睦〜MUTSUMI〜」は、多くの企業や自治体が力を合わせて、“収縮する日本の未来”を打破し、新たな市場、大きな経済圏の構築に向け、再び“開国”していくことを目指します。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000027.000019078.html

(文・Higuchi)