スペイン女子代表のワールドカップ優勝メダル授与式で起きたキス騒動。

スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長が、ジェニフェルエルモソの口にキスをしたのだ。

この騒動は社会的・政治的な問題へと発展。辞職を拒否したルビアレス会長はFIFAから暫定的な停職処分を科されるなか、RFEFは「サッカー界と社会全体への謝罪」声明を出した。RFEFの代行会長は、このようなメッセージを綴っている。

スペインサッカー界、スペインスポーツ界、スペイン社会、そしてサッカーとスポーツ全体の価値観に与えたダメージは甚大だ。

ルビアレス氏の行為は、RFEFが擁護する価値観やスペイン社会全体の価値観を表すものではない。

彼の行為は彼にだけ帰属するものでなければならない。

社会に対して、スポーツ統括団体に対して、場合によっては司法に対して、その行為に唯一責任を負うのは彼だ。

この立場はルビアレス氏のものであり、RFEFのものではないことを明確にしたい。我々は、この一件が引き起こした痛みとさらなる苦痛を申し訳なく、また恥ずかしく思っている」

また、RFEFはスペイン女子代表を率いていたホルヘ・ビルダ監督を解任し、女性監督を後任に据えている。

そうしたなか、アカデミー賞も授与されたことがある映画監督のウディ・アレン氏の発言が話題になっている。

87歳の同氏は、『El Mundo』のインタビューでルビアレス氏を擁護していたという。

「誰かにキスをしただけで職を失い、そのような罰を受けるというのは理解しがたい。

もし不適切であったり、攻撃的すぎたならば、そのようなことをしないように、そして謝罪するようにはっきりと通達されるべき。

誰かを殺したわけではない。しかし、彼は職務停止処分を受け、すべてを失う可能性がある。

私が最初に思ったのは、彼は隠れたり、暗い路地で彼女にキスをしたのではないということ。

レイプしたわけでもなく、ただのキスだったし、彼女は友達だった。それのどこが悪いんだ?

最初の報道では、女性が手を引いて『やめて』と言ったかどうかは分からなかった」

アレン氏は、あのキスは瞬間的なもので勝利の感動の結果だったとも述べていたようだ。

また、女性側に同意がなかったこと、ルビアレスが権力者だったことにも触れつつ、密室で脅されてキスをしたわけではないとも主張していたとか。

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ただ、『Marca』によれば、このアレン氏の発言には反発が起きており、「性暴力を正当化するのはやめろ!女性の安全に深刻な結果をもたらすことがわからないのか?」などとの声も挙がっているようだ。

「キスで失職は理解不能」「強姦ではなくただのキス」「どこが悪い?」ウディ・アレン氏、女子選手の口にキスしたスペインサッカー連盟会長を擁護