カナダのノバスコシア州で、アフリカが原産のサーバルキャットがうろついているのが目撃された。
サーバルキャットは、自分よりちいさな飼い猫を発見し、興味を持ち近づいていったが、飼い猫は自分の何倍もある大きなサーバルに威嚇の声をあげ、警戒態勢に入ってたようだ。
発見した女性は、州の野生動物当局に通報。その後、サーバルは安全に保護された。このサーバルがどこから来たのかは、当局が現在調査中だ。
#TheMoment a rare exotic feline tried to mess with a Halifax housecat
8月27日午後10時半ごろ、レイチェル・スミスさんは市内ハリファックスのアームデール地区を息子と車で走っていたところ、中型犬ほどの大きさのネコっぽい動物が、道路沿いの草むらに座っているのを目撃した。
暗がりに見えたその姿に、レイチェルさんはカナダオオヤマネコかと思ったそうだ。
だが、カナダオオヤマネコにしては小さすぎるしモフモフ感も足りない。その動物は、長い足と縞模様と斑点のある毛皮を持っていた。
すると、誰かのペットとみられる黒白猫を見つけたその動物は、興味深そうに近付いて行った。
[もっと知りたい!→]ワイルドなのに甘えん坊、「ママ~」と言って甘えるサーバルキャットとかいるらしい
しかし、猫は突如現れた大きなサイズの猫にびっくりしたようで、警戒心をあらわにして威嚇の声をあげ、戦闘態勢に入った。
その動物は黒白猫と仲良くなりたそうにしていたが、猫はおよびじゃないという感じで、猫パンチをくらわしてダッシュしていった。2匹が友情を築くことはできなかったようだ。
レイチェルさんが、ノバスコシア州の野生動物当局に通報したところ、その猫は南アフリカ原産のサーバルキャットだったことが判明した。
別の州から不法に持ち込まれた可能性も
レイチェルさんは、翌28日の夜にノバスコシア州天然資源・再生可能局の動物管理官と動物救助ボランティアによって、サーバルが安全に捕獲されたことを知った。
後のメディアの取材で、レイチェルさんはこのように話した。
[もっと知りたい!→]もしかしてそれはご褒美?サーバルキャットに頭を差し出し猫パンチを食らう男性。そのパンチ力が凄かった。
ハリファックスにエキゾチックな猫がいるという話は聞いたことがなかったので、自分が見たのがアフリカに生息するサーバルだなんて、本当に奇妙だと思いました。
飼い猫だけでなく、サーバルのこともとても心配していました。
レイチェルさんが言うように、サーバルキャットは、サハラ以南のアフリカの草原、開けた森林、湿地に生息していて、カナダのノバスコシア州では通常は見られない。
ノバスコシア州ではサーバルの所持は違法だが、他の地域ではエキゾチックなペットとして飼われていることもある。
野生動物や珍しい動物の保護と福祉を促進するオンタリオ州の慈善団体「ズーチェック」の創設者ロブ・レイドローさんは、サーバルはノバスコシア州の野生動物法で禁止されているため、ペットとして飼うことはできないと述べた。
レイドローさんは、サーバルは外来動物の飼育に関する規制がないオンタリオ州のブリーダーから購入され、ペットとしてノバスコシア州に不法に持ち込まれた可能性があると推測している。
さらに、このように話している。
サーバルは、自分が野生動物であることに気づいていません。自分たちがただ大きいだけの飼い猫であるかのように考えています
このレイドローさんの言葉からすると、レイチェルさんが見たときのサーバルも、飼い猫を脅すつもりはなく、やはり同じネコ科として友達になりたかったのだろう。
また、レイドローさんは「サーバルは逃げ上手としても知られている」と述べた。
過去に、オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州で起きた事例がありますが、サーバルは外へ出るのがとても上手です。逃げる機会があれば、そうするでしょう。
つまり、サーバルは保管されている場所に留めておくべきではない、ということなのです。
ノバスコシア州シーフォースにあるホープ・フォー・ワイルドライフリハビリテーションセンターのオーナー、ホープ・スウィニマーさんは、メディアでの取材を通してこのように語っている。
私たちは、いずれサーバルにここで永遠の家を与えるつもりです。今回の出来事は、野生動物をペットとして飼わないことを、人々に教える良い教育になるでしょう。
野生動物にとって、それは決して良い結果をもたらすことにはならないからです。
保護したサーバルについて当局が調査中
天然資源省の人間と野生動物の共存生物学者であるトリシア・フレミング氏は、捕獲されたサーバルは、現在獣医の治療を受けているが元気にしていて、当局で保護中であることを明かした。
スタッフはサーバルの世話をし、健康上の問題に対処し、次のステップを決定するために取り組んでいます。
レイチェルさんはというと、サーバルが無事に捕獲されたこと、飼い猫が無傷だったことに安堵しているようだ。
サーバルとあの夜対峙していた猫は、近所の猫でサミーと言います。サミーは、今もちょっとは動揺していると思いますが、無傷だったようです。
なお、当局の広報担当者によると、今後このサーバルを「動物園や野生動物公園など、許可された適切な施設」に送るなど、いくつかの選択肢が検討されているということだ。
References:Exotic cat captured after being spotted roaming Halifax streets/ written by Scarlet / edited by parumo
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