民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」の初のオリジナルドラマ「潜入捜査官 松下洸平」第1話9月5日(火)の正午より配信された。フィクションにリアルを織り交ぜながら、“潜入捜査官”の松下が芸能人として売れるまでが描かれた初回の放送にファンからも絶賛の声が相次いでいる。

【写真】15年前の松下洸平「ギリギリ芸能界に入れそう」と上司に言われた時の顔

■「潜入捜査官 松下洸平」とは

本作は、俳優やシンガーソングライターとして活躍中の松下洸平が、実は大物俳優の疑惑解明のため15年前から芸能界に潜入していた警視庁の捜査官だったという設定で繰り広げられるサスペンスコメディー。

松下のみならず、潜入捜査のターゲットとなる佐藤浩市や、馬場ふみか古田新太も本人役で出演。芸能界を舞台に、リアルとフィクションが絶妙に混ざり合うストーリーが展開される。

毎週火曜と金曜の正午に1話ずつ配信され、最終話までの全5話はすべて無料で視聴可能。また、本作品に制作協力をした民放5局の人気バラエティ番組の本編もTVerで配信される。バラエティ番組に松下洸平本人役としてゲスト出演しながら、同時に本ドラマの撮影を実施しており、ドラマを観た後、思わず見返したくなるバラエティ番組を期間限定で楽しむことができる。

■あの大物俳優がまさかのマフィア幹部?

そんなドラマとバラエティが融合した、今までにないTverオリジナルのエンターテインメント作品「潜入捜査官 松下洸平」の配信が9月5日にスタート。記念すべき第1話では、松下が警察学校を卒業した15年前から、芸能界デビューするまでの経緯が描かれた。

冒頭でいきなり映し出されたのは、大人気アニメ「ヤッターマン」のヤッターマン1号(ガンちゃん)に扮した松下の姿。俳優、シンガーソングライターとして活躍する松下は、バラエティ番組「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)の人気企画「ダレダレ?コスプレショー」に呼ばれたのである。

しかし、松下は、“売れてはいけない俳優”だったーー。

時はさかのぼり、15年前。警察学校を優秀な成績で卒業した松下は、上司に呼び出されていた。芸術家の親(実際に、松下の母は画家だ)を持つことから、「華やかな世界を見て育った坊ちゃんに、警察みたいな地味で過酷な仕事が務まるとは思えん」と嫌味を言われた松下はすかさずこう答える。

「芸術では救えないものがある。それを知っているからこそ、この道を選びました。華やかな世界に興味はありません」

そんな彼に課せられた任務は、メキシコマフィア組織「カルバンテ」の幹部と噂される大物俳優・佐藤浩市の捜査。佐藤に近づくため、彼が隠れ蓑にしている芸能界に潜入しろというのだ。

■「合理的にあり得ない」天海祐希がサプライズ登場

松下に白羽の矢が立ったのは、警察としての経歴がまだないことに加え、家系的に芸事に精通していること。そして、何より「ギリギリ芸能界に入れそう、かつ、日の目を浴びることが決してなさそうなそのルックスだ」という。その瞬間に見せる松下の何とも言えない表情に笑いがこみ上げてきた。無論、松下はイケメンである。

だが、劇中では“普通”という理由でオーディションに落ちまくり、上司からは「せめてもう少しソース顔なら」と嘆かれる始末。そして仕方なく、松下は上司の命令により劇場裏でタバコ休憩中の俳優・古田新太に接近することに。奇跡的に古田に気に入られた松下は、芸能事務所キューブに見事所属が決まる。事務所のオフィスには同じくキューブ所属、藤木直人のCD「REVERSE」のポスターが飾られており、松下21歳当時が緻密に再現されていた。

さらには「合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜」(カンテレフジテレビ系)で松下とバディ役で共演した天海祐希がドラマ内にサプライズで登場。今回の松下は主演女優の天海に資料を渡すだけのエキストラという設定だが、前作で息の合った掛け合いを見せていた2人の再共演に沸いた人も多いことだろう。

■松下洸平ファン必見の小ネタも満載!

さらに松下は、佐藤を欺くための演技力を磨き、有力な情報を得るべく現場のスタッフともコミュニケーションを取りながら潜入捜査を続けた。よく松下は“遅咲き俳優”と言われるが、地道にキャリアを積み上げてきた彼の俳優人生がフィクションに重なっていく。

そして、ついに売れっ子俳優となった松下。物語は冒頭に戻り、彼は「ぐるぐるナインティナイン」の収録に臨んでいた。笑顔を作りながらも、心の中では「俺はあろうことか、人気が出てしまった」と嘆く。普通なら喜ぶべきことだが、彼はあくまでも潜入捜査官。目立ってしまっては、秘密裏に行動することができなくなってしまう。

しかし、芸能界に潜入してから15年、売れたことで松下に思いもよらぬチャンスが巡ってきた。主演映画が決まり、なんとその作品で佐藤と共演することが決まったのだ。

ラストでは、カルバンテのアジトと思われる場所に佐藤が現れるシーンも。台詞は一切ないが、佐藤の漂わせる只者ではない空気が作品に重厚感を与える。一方で、第1話にゲスト出演したナインティナイン岡村隆史矢部浩之と松下が楽屋で絡むシーンでは、どこまでが台詞で、どこからがアドリブか分からない軽妙な会話が繰り広げられ、笑いを誘った。

さらに松下が自身の楽曲「ライター」の歌詞に出てくる“オレンジ色のライター”で古田のタバコに火をつけたり、デビュー当初に名乗っていた、歌いながら絵を描く「ペインティング・シンガー・ソングライター」の肩書きで自分を売り込む場面があったりと、ファンを喜ばせる小ネタも満載。まさにドラマとバラエティ、リアルとフィクションシリアスとコミカルがバランスよく交わっていくエンターテインメント作品である。

そして、どの場面にも自然と溶け込む松下の柔軟な演技も見応えがあった。以降の4話にも期待が高まる初回の放送に、SNSでは「想像してたより100倍面白い!」「洸平くんがいかに周りに愛されているかが伝わってきて1話目から胸熱です」「やっぱり松下洸平×天海祐希は最高だ」「佐藤浩市さん、さすがめちゃくちゃかっこいい」と絶賛の声が相次いでいる。

■文=苫とり子

「潜入捜査官 松下洸平」第1話より/(C)TVer