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豊作が期待できるキャベツ

8月18日、家庭で消費するモノやサービスの値動きを示す最新の消費者物価指数が発表され、去年より3.3%も上昇したことが明らかになった。酷暑や原油高、円安の影響を受け、小麦や卵、食肉など、多くの食品の価格が上昇するとみられている。

一方、価格が横ばいだったり、値下がりが予想されている食品もわずかだがある。節約アドバイザーの丸山晴美さんがこう解説する。

「米は、酷暑よりもむしろ冷夏に影響されます。米の産地で台風や水害などの被害が少なかったこともあり、収穫量は全国で平年並みと予測されています。野菜については、日照時間が長かったために全般的に昨年よりも安くなっています。とくに高原で栽培されるため、暑さによる悪影響を受けていないキャベツやレタス、高い気温でも生育がいいなすなどは出荷量が増え、例年より安く出回りそうです」(丸山さん)

また福島第一原発ALPS処理水の海洋放出により、中国が日本産の水産物の輸入を全面的に停止したことも、食品の価格を下げる可能性があるという。水産アナリストの小平桃郎さんか語る。

「これまで中国向けに販売していた水産物を国内販売に回す動きが活発になっています。中国向けの水産物の半分を占めていたホタテは国内に出回り、求めやすい価格になる可能性も。中国向け水産物には、国産のウニやイクラマグロキンメダイなど高級品が多い。これらも国内の販売価格に波及することも考えられます」

また、カニの価格も秋から値が下がる可能性がある。

「2020年から2021年にかけて景気がよかったアメリカでカニの消費が激増し、日本国内のカニの価格が高騰。ところが、アメリカの景気が落ち着き、消費量が減ったときにウクライナ侵攻があり、アメリカがロシア産のカニを禁輸に。それが日本やアジアに流れています。すでにレストランなどではカニを使ったメニューが増えていますが、秋から年末にかけてカニがお買い得な価格になると思うのでオススメです」

税制の変更も商品価格に影響を及ぼす。

「ビールの税額は10月に酒税法改正で350ミリリットルあたり70円から63円35銭に下がることに。一方、普通のビールより安い価格で庶民の味方だった『第3のビール』は37円80銭から46円99銭に引き上げられ、ビールとの価格差は小さくなります」(丸山さん)

私たちは、食品価格の高騰から家計をどう守ればいいのか。

「この値上がりラッシュも10月がピークでしょう。物価高にはさまざまな要因が絡み合っていますから、加工度が高いほどその分のコストが乗っていきます。価格が安定している米を中心に、レトルトや冷凍などの値上がり幅が大きい加工食品を控えて、旬の野菜を使った自炊を心がけることが最大の防御策です」(丸山さん)

和食メニューで値上げラッシュを乗り切ろう!