中村倫也が主演を務める「ハヤブサ消防団」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第8話が9月7日(木)に放送される。その放送に先駆け、同ドラマで東京の出版社“草英社”の編集者で、太郎を担当している中山田洋を演じる山本耕史にインタビューを実施。
【写真】格好いい…! 思わずどきっとしてしまうほど男前な山本耕史
■「ハヤブサ消防団」とはどんなストーリー?
同ドラマは山あいの小さな集落を舞台に描かれるホラーミステリー。中村は、池井戸潤が自身を投影した主人公のミステリ作家・三馬太郎を演じる。
物語は、スランプ気味の太郎が亡き父の故郷、ハヤブサ地区に移住するところから幕を開け、穏やかな田舎暮らしを手に入れたはずの太郎が、地元の消防団に加入したことを機に、連続放火騒動や住民の不審死などの怪事件に次々遭遇。
田舎町という小さな異世界を舞台に、予測不能なストーリーが怒涛(どとう)のように展開されていく。今回、山本には演じるキャラクター・中山田や主演の中村についてたっぷり語ってもらった。
■山本が演じる「中山田洋」の由来が明らかに
――出演が決まった時の気持ちを改めて教えてください。
(中村)倫也くんとは3年前に共演したことがあったので、「また一緒になるんだ~!」と、うれしい気持ちでした。
前回共演した「この恋あたためますか」(2020年、TBS系)では倫也くんと僕は敵対する間柄だったのですが、今回の「ハヤブサ消防団」では、僕が編集者で、中村くんは僕が担当する作家という役なので、以前とは違った接し方ができるなと楽しみでした。
また、原作が池井戸さんの作品ということで、お話自体もとても面白いだろうなと思っていました。どういう形で自分が物語に関わっていくのかということに、最初はとても興味がありました。
――中山田はどういったキャラクターですか?
とにかくおしゃべりな役なので、口を開けばずっと何かを話している人物です。明るい役でもありますし、実在する編集者を複数人足したキャラクターが中山田だとお聞きしました。キャラクター名も何人かの実在の編集者の名前をヒントに「中山田洋」と名付けられたみたいですね。
そういうこともあり、中山田というキャラクターは編集者あるあるの詰まった男のようです。
――役作りで何か意識されたことや参考にした作品、人物などはいますか?
僕の中で編集者というのは結構硬いイメージを抱いていました。でも、池井戸さんがスタジオの見学にいらっしゃった時に、「編集者の人たちってこんな感じですよ」とおっしゃっていたので、「イメージと違う」と思ったことが印象的でした。
格好も編集者ということで、中山田もピシッとした服装なんだろうなと思っていたら、短パンとポロシャツのようなラフな衣装でしたし、実際の編集者の方も結構ラフな服装をしているそうなんです。
なので、むしろ役作りをしようとすると、うまく編集者になり切れず、今の中山田の雰囲気は出ていなかったかもしれません。
■山本が俳優・中村倫也を分析
――撮影をしている中で楽しかったエピソードは?
第3話なのですが、ハヤブサ地区に中山田が遊びに行く回が楽しかったです。ゴルフをやったり、釣りをしたり、登山というよりも遭難してしまうのですが、今まで経験した編集者役のイメージとは大きく違いましたね。
普通ドラマで編集者の役というと、編集部などの屋内シーンや市街地のシーンがほとんどで、大自然の中の屋外ロケってあまりないんです。なので、自然に触れられたロケは癒やされるものがありましたね。
――現場の様子を教えてください。
僕は倫也くんとのシーンが9割を占めていますが、たまに皆さんとのシーンもあるという感じでした。ハヤブサ地区の酒飲みの憩いの場「居酒屋サンカク」の店主・賀来を演じている福田転球さんとすごく仲よくさせていただいているので、撮影前から一緒にお芝居できることが楽しみでした。
皆さんほとんど顔見知りで、共演もしていたりする方が多いので、カメラが回っていない時の方が面白いんじゃないかというくらいワイワイした現場でリラックスして過ごさせていただきました。
――先ほども中村さんのお話が出ましたが、中村さんはどんな俳優ですか?
役によって立ち振る舞いが全く違います。今回は、これまで倫也さんが共演したことのある先輩方が多くいらっしゃる現場で座長を務めているので、すごくリラックスしていましたし、居心地がよさそうな感じです。
前は倫也くんよりも若い子たちがたくさんいるドラマだったので、どうしても自分が引っ張っていかなければならないという思いが無意識に出てしまっていたように感じましたが、今回はベテランと呼ばれている先輩たちの中でのお芝居なので、心強さもあったでしょうし、頼り切っていたように思います。
――次は原作の池井戸さんについてお聞きします。実際にお会いした印象は?
物静かな方でしたが、作家というお仕事をなさっていることもあり、見ているものに対して鋭い目をしている印象でした。あくまでもこれはイメージなのですが、明確なことしか口にしないと言いますか、それでいてどこかゆとりもあり、笑顔もあり、人間として本当に素晴らしい人だなと思いました。
「めちゃくちゃ頭がいい人なんだろうな」ということが、一つの言葉や行動から全てにあふれていました。ただ頭がいいではなくて、「クレバー」という表現があっているかもしれません。
――お会いする前と後では印象は変わりましたか?
大きな変化はなかったです。ただお会いする前は、作家というのは表に出て来られるお仕事ではないので、池井戸さんについて、「どんな人なのかな」と想像をしていました。実際にお会いしてみると、これまで素晴らしい作品を世に出してきたらしい風貌や風格を持ち合わせていましたし、想像通りだなと思いました。
また、今回の作品以外の色々なお話もさせていただいたのですが、演劇がお好きだということを教えていただきました。池井戸さんは、僕らの出演している作品も見てくださっているらしく、僕らも少なからず、インスピレーションが湧くお手伝いができていたら幸せだなと思いました。
■山本が視聴者へ宛てたメッセージを紹介
――今回、「ハヤブサ消防団」では主人公がスランプに陥ったことから物語はスタートします。山本さんがスランプに陥った場合はどのように対処しますか?
僕も太郎のように癒やしを求めて、休むことができる場所である山や自然があふれる田舎町に行くかもしれません。
基本的に僕は根詰めて働きたいというタイプではないので、癒やされる場所であるハヤブサ地区のような場所はいいですよね。
――もしハヤブサ地区に引っ越したとしたら、どなたが隣に住んでいたらいいと思いますか?
(梶原)善さんです。付き合いが長いですし、隣にいたらいいなと思います。その逆隣りには(川口)春奈ちゃんがいたらいいかな。本当に現場が男性ばかりでわちゃわちゃしているので、そんな彼らをピシッとまとめてくれる気がしています。
――最後に視聴者の方にメッセージをお願いします。
大まかにいうと、ほっこりした所から始まった物語が話数を重ねるごとに急展開を迎えていく作品です。「ほっこりした作品」「こういう作品なんですよ」「恋愛ドラマなんですよ」など、なかなか一言で表現できない作品になっています。
形が変わるように、状況が変わっていくドラマという意味では最後まで本当にふり幅も見どころもあるドラマだと思っています。最後まで見逃さずに見ていただければうれしいです!
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