門脇はシーズン終盤にきて一層の成長を見せている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人9月6日ヤクルト戦(神宮)に2-4の逆転負け、連勝は2でストップとなった。

 当初予定されていた先発のフォスター・グリフィンが発熱、代わって先発マウンドに上がったのはタイラー・ビーディだった。同僚のピンチに自ら男気志願したというビーディは3回2安打無失点に抑えると2番手のルーキー、松井颯も2回無失点と試合を作る。

【動画】5回、岡本和の適時打で二塁走者の門脇が俊足を生かして先制のホームを踏んだシーン

 チームは5回に岡本和真の適時打で先制するも、1点をリードする6回から3番手で登板したアルベルト・バルドナードがヤクルト打線につかまった。相手主砲、村上宗隆に同点の26号ソロを浴びると、捕手・大城卓三の捕逸で勝ち越しを許す。さらに代わった田中千晴も二死一、二塁から代打・青木宣親内山壮真に連続適時打を浴び、この回4失点と一気に試合をひっくり返された。

 巨人も7回に再び岡本和の犠飛で1点を返すも反撃はそこまで。3位のDeNAも敗れたため、2ゲーム差は変わらなかったが、惜しいゲームを落とした。

 一方、敗戦の中でも気を吐いたのは「2番・遊撃」として先発出場したドラフト4位ルーキー門脇誠だった。

 2試合連続で2番打者としてスタメン出場となったこの試合では、初回一死から小沢怜史の変化球を捉えて二塁打をマークすると、5回二死で迎えた第3打席は初球をたたいて中前打を放つ。その後、丸佳浩の四球で二塁に進むと、岡本和のレフト線への当たりで俊足を飛ばして先制のホームを踏んだ。

 さらに7回無死一塁で迎えた第4打席はヤクルト2番手・木澤尚文の直球を左前にはじき返し、猛打賞を記録。今季7度目の猛打賞は巨人新人では原辰徳に並び、歴代6位の快挙となった。

 大事なシーズン終盤にきて、存在感を高めている。課題の打撃は「強引にならないように」が口ぐせ、開幕当初は対応に苦しんだ時期もあったが、9月の月間打率はここまで・389と高いアベレージを示している。

 内野ならば、遊撃、三塁、二塁とどこでもこなせる守備力を誇り、俊足も武器。何より、ルーキーイヤーで開幕一軍を勝ち取ると、ここまで大きくコンディションを崩すことなく試合に出続ける「ストロングさ」、体の強さがプロの世界を戦い抜く上で高く評価されている。

 原辰徳監督が若手の積極起用を進める中、レギュラー候補の最右翼はこの門脇であることは間違いないだろう。

 過去には原監督も「レギュラーを獲る人はパッと獲る」と若手の背中を押したことがあった。チームではプロ2年目の坂本勇人が頭角を現し、その後長いシーズン、遊撃を守り続けている例もある。

 着実にレギュラーへの道を進んでいる門脇の快進撃に今後も注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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