前作『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』(19)が観客動員100万人を超える大ヒットを記録した、人気シリーズの劇場版アニメ最新作『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が9月8日(金)より公開された。“シティーハンター”こと冴羽リョウ(声:神谷明)をはじめ、元傭兵の海坊主(声:玄田哲章)、怪盗キャッツアイらおなじみの面々はもちろん、今作にはアンジー(声:沢城みゆき)などの新キャラクターや、リョウとの因縁も深い海原神(声:堀内賢雄)も登場することも話題だ。

【写真を見る】無類の女好きだが、“始末屋”としては超一流の男、冴羽リョウ

■人気は留まるところを知らない「シティーハンター

シティーハンター」は1985年から「週刊少年ジャンプ」にて連載、単行本の累計発行部数は5000万部を超える北条司の漫画。1987年から放送されたテレビアニメシリーズを皮切りに何度もアニメ作品が制作され、2019年に公開された『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』は、テレビアニメシリーズから約20年ぶりの復活として大きな話題に。今作『天使の涙』は、バイオ企業ゾルティック社の発明した戦場の兵士を超人化する闇のテクノロジーを巡る攻防と、かつてリョウを蝕み、相棒だった槇村秀幸(声:田中秀幸)を死に追いやった“エンジェルダスト”に関する物語が展開される。徐々に明かされていくリョウの過去と、“エンジェルダスト”に関わった人間の哀しい末路。リョウが自身の因縁と対峙する、原作屈指の人気ストーリーの幕開けとなる物語だ。

■女好きだが超実力者!No.1“始末屋”、冴羽リョウ

普段は無類の美女好きで飄々としているが、正確無比な銃の腕と鋭い洞察力を持つ、“シティーハンター”と呼ばれる裏社会ナンバーワンの始末屋。その強さの秘訣は、ゲリラ組織でNo.1の腕利きだった海原に育てられた過去にある。しかし海原は、リョウを裏切り“エンジェルダスト”の実験台にして苦しめた経緯があった。

生死の境をさまよったリョウは、追っ手から逃れて新宿に辿り着き、そこで槇村秀幸や野上冴子(声:一龍斎春水)らと出会い、シティーハンターとして活動しながら人間味を取り戻していった。しかし恩人であり相棒であった槇村は、エンジェルダストに絡む事件で殺されてしまう。今作では海原神や“エンジェルダスト”の名前が登場し、リョウ自身の過去との決着に向けた物語展開を予感させる。

■本作では兄の死の真実に触れる、槇村香

リョウのかつての相棒であった槇村秀幸の妹で、パートナーとしてリョウの仕事をサポートする香(声:伊倉一恵)。美女に弱いリョウお仕置きする時には、“100tハンマー”を使うのが本シリーズでのおなじみ(本作ではハンマー側面に、スタッフやキャストのメッセージが書かれているところにも注目)。

ボーイッシュで活発だが恋愛面では非常にうぶで、決して口には出さないがリョウに恋心を抱いている模様。本作では依頼人であるアンジーの豹変を目の当たりにしたことで、真実をリョウに問いただしエンジェルダストの存在を知ってしまう。

リョウたちをサポートする、海坊主&美樹

来生三姉妹(=怪盗キャッツアイの正体)から喫茶キャッツアイを任せられている、喫茶店マスターだが、その正体はリョウと互角の腕を持つ始末屋である海坊主。傭兵時代に自分の部隊を、リョウに壊滅させられた経験を持つ。『新宿プライベート・アイズ』では喫茶キャッツアイを破壊されたが、本作では来生三姉妹の出資で見事に店を復活させている。

その海坊主と共に喫茶キャッツアイを切り盛りする美樹(声:小山茉美)もまた、海坊主によって戦士として育てられた元内戦孤児。海坊主との結婚を夢見て、日本まで追いかけてきたパワフルな女性だが、ヘリの操縦も行う頼もしい味方だ。

■美しい見た目の裏に秘めた正体とは…?アンジ

海外で活動する動画制作者。愛猫が日本を旅する動画を撮影するため来日したが、愛猫が逃げてしまい、シティーハンターに猫探しを依頼する。美女であることに懸念を感じる香だったが、高額の依頼料に目を輝かせて引き受けることに。しかしアンジーは、裏社会に生きるリョウと香の様子を撮影したいと懇願し、リョウたちのマンションに泊めてもらいながら猫探しに同行することに。その道中、たびたび命をねらわれる。

■一流の暗殺者コンビ、ピラルクー&エスパーダ

“ウェットワークス”と呼ばれる暗殺者チームに属する暗殺者2人組。ピラルクー(声:関智一)は思慮深く落ち着いた性格で近接戦闘を得意とし、仲間思いでエスパーダ(声:木村昴)のことを常に気にかける。エスパーダは、ナイフや体術を使った戦闘を得意とする暗殺者。組織の命令であれば仲間でも暗殺することを厭わない。組織の秘密を知るアンジーを連れ戻すために来日した。

■劇場版初登場!重要キャラの1人、槇村秀幸

リョウの元相棒で、香の兄。かつては刑事として犯罪を追っていたが、とある事件で婦人警官が殉職した責任を取って警察を辞め、リョウとコンビを組むことに。しかしその後、麻薬組織“赤いペガサス”によって殺されてしまう。

「劇場版シティーハンター」シリーズで槇村秀幸のシーンが描かれるのは初めてで、本作では彼の死がエンジェルダストに関係したものだったことが明かされる。野上は元同僚であり、本作は『新宿プライベート・アイズ』で冴子が復活させた伝言板に「XYZ」の文字が書かれたことから始まる。

リョウの育ての親であり、最大の敵に…海原神

組織“ユニオン・テオーペ”の首領で、孤児だったリョウを戦士として育て上げた凄腕の傭兵。もともとは人々を救うために戦っていた戦士だったが闇の組織に堕ち、エンジェルダストリョウ海坊主を苦しめた過去があり、エンジェルダストの新型開発にも関わっている。アニメ作品では初登場となり、続編への期待が高まるキーパーソンだ。

■“リョウちゃん”の活躍をスクリーンで堪能せよ!

エンジェルダスト”、“ユニオン・テオーペ”、“海原神”など、原作ファンにはたまらないキーワードがいくつも登場し、最終章の幕開けを感じさせる本作。コミカルではあるが、その根底に流れるテーマはシリアスで、そのギャップもまた魅力である。

アニメシリーズとしても、1987年の放送当初から声優陣が変わっておらず、長く続く作品としては稀有な存在だ。TM NETWORKの「Get Wild」も流れ、当時のままの“リョウちゃん”が再びスクリーンに蘇る。

文/榑林史章

※冴羽リョウの「リョウ」はけものへんに「尞」

ついに最終章へ突入する『劇場版シティーハンター 天使の涙』登場キャラクターを復習!/[c]北条司/コアミックス・「2023 劇場版シティーハンター」製作委員会