中国 国旗

中国にいる日本人の身の安全がいっそう懸念される状況だ。


■反スパイ法より身近な反スパイ条例

中国ではスパイ行為の定義が大幅に拡大された改正反スパイ法が7月から施行されたなか、内陸にある重慶市では7月下旬にそれに基づいた反スパイ条例が議会で可決され、9月からそれが施行された。

国家レベルで施行された法律が地元レベルの条例としてより具体化されたことは大きな心配事だ。重慶市のように地方レベルに落して条例化されるケースは今回が初めてで、おそらく今後は北京や上海、広州など他の大都市にも広がり、反スパイ条例のドミノ現象が起こることだろう。

重慶市の反スパイ条例では、公安警察や外事警察だけでなく、各種の企業や団体も警察と協力し、反スパイ活動で主体的責任を負うと定めされ、国家総動員で摘発行為が強化される可能性がある。


関連記事:日本企業の平和ボケが浮き彫りに 改正反スパイ法への懸念は6割以下

■邦人の身の安全は大丈夫か

改正反スパイ法が施行された7月初頭時点でも、日本メディアは大々的に懸念を報じた。

しかし、それが条例化されたということは、中国当局がより身近な立場から反スパイ行為を摘発しようということであり、中国で生活する邦人にとっては大きなリスクが間近に迫っている。

幸いにも7月以降、在中邦人が拘束されたというケースは報告されていないが、今後その条例化ドミノにより、各地で生活を送る日本人が拘束されるケースが増えることが懸念される。

外出の際には日本語をできるだけ使わない、政治的な発言は控える、中国人の親しい友人とも政権批判をしないなどをとくに意識する必要がある。

・合わせて読みたい→中国にいる日本人の身の安全が危ない 今度さらに反日行為が激化か

(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中

中国・重慶で改正反スパイ法の条例案が可決 在中邦人の拘束リスクが高まる恐れ