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当時は朝、普通に学校に登校して早退後、撮影現場で女子高生役を演じていた田中律子

青春時代に夢中になったドラマの裏には私たちの知らない“ドラマ”がいっぱい。出演者ご本人を直撃し、今だから話せるエピソードをこっそりお届け!

【『愛しあってるかい!』(フジテレビ系・’89年)】

東京・原宿にある男子校女子校が舞台。とにかく明るい一平(陣内孝則)の「愛しあってるか~い?」「イェーイ!」という掛け合いでなんでも解決する、野島伸司初期の楽しい作品。小泉今日子が歌う主題歌『学園天国』も大ヒット。

「高校生のころ、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のおじいちゃんに流行を教えるコーナーにゲスト出演したのですが、たまたまその番組を見ていたフジテレビのドラマプロデューサーさんに“おもしろいコがいる”と思ってもらえたみたいで……。まもなくオーディションを受けて、『愛しあってるかい!』への出演が決まりました」

そう出演の経緯を振り返るのは、田中律子さん(52)。同ドラマは、陣内孝則、柳葉敏郎が演じる男子校教師と、小泉今日子が演じる女子校教師、生徒がおりなす学園ラブコメディ。

「朝は普通に学校に登校して、早退後、撮影現場で女子高生役を演じていました。だから一日中、制服姿。スタッフも気を使って、テスト期間は学校に行けるようにスケジュールを調整してくれました。テスト前には頭のいいADさんが『ここは絶対に覚えたほうがいい』と勉強も教えてくれるんです」

ドラマの舞台になったのは、人通りの多い表参道。人気アイドルのキョンキョン小泉今日子)が出演することもあり、ロケは早朝行われることも。

表参道から原宿の駅へ走る登校シーンを撮ったりしました。スタジオ撮影は渋谷ビデオスタジオで。昼食休憩にマクドナルドに行ったりするのですが、キョンキョンは人に囲まれるので外に出られないから、テイクアウトして届けたこともありました」

■ロケ先ではキョンキョンがカラオケで『学園天国』を

視聴率は20%超えを連発。現場では500円玉の入った大入り袋が、頻繁に配られたという。

バブル景気の最盛期。撮影が忙しくて満足に学校行事に参加できない私たちに『京都に修学旅行の撮影に行くぞ』と、プレゼントされたことも。移動中、陣内さんのいる新幹線の個室に『せんせーい』と遊びに行ったりしたのも思い出です。ロケ先ではカラオケに行くことも。キョンキョンは『学園天国』を、先生役だったバービーボーイズのKONTAさんも歌ってくれました。ドラマの打ち上げでは、ハワイ旅行がビンゴの賞品だったりと、何ごとも派手な時代でした」

キョンキョンの家に遊びに行き、手料理をごちそうになったことも。

「『律っちゃんは、いつも明るいよね。あんたはえらいねー』ってほめてくれて(笑)。陣内さんはよくホームパーティを催されていました。山田邦子さん、柳葉さんなど参加者も豪華。陣内さんは『律子はオレの生徒なんだ』と紹介してくれました。高校生だった私にとって、先生役のみなさんが社会勉強の先生だったんです」

PROFILE

田中律子

’71年、東京都生まれ。『週刊セブンティーン』(集英社)のモデルを経て、’85年にテレビデビュー。ドラマ、バラエティ番組で活躍する傍ら、美ら海沖縄大使、NPO法人アクアプラネット理事長としてサンゴ保全活動を意欲的に行う