ロッテを相手に記録づくめのノーヒッターをやってのけた山本。その快投は海を越えて話題となっている。(C)Getty Images

 もはや日本では“敵なし”と言えるだろう。

 9月9日ZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ戦で、オリックス山本由伸ノーヒットノーランを達成。昨年6月18日の西武戦(ベルーナD)以来、自身2年連続2度目の快挙となった。

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 試合後のヒーローインタビューで「とりあえず3回くらいに意識して、4回にロッカーに戻ったときにラオウさん(杉本裕太郎)が『お前、完全試合意識すんな』と。1人ホームランを打って気持ち良くなっていた」とはにかんだ山本の投球は圧巻だった。5回までパーフェクトピッチを続けると、6回の先頭打者である安田尚憲に四球を与えたが、後続を無安打に抑えてペースを乱さない。

 8回にギアを上げ、山口航輝角中勝也、安田を3者連続三振に仕留めた山本は、最終回も危なげなく三者凡退に。敵地ながらZOZOマリンスタジアムは熱狂の坩堝と化した。ちなみに日本球界で2年連続の達成者は、2リーグ制導入後では初。それ以前では沢村栄治(巨人/1936年、37年)、亀田忠イーグルス、黒鷲/40、41年の)以来、史上3人目となった。さらに複数回達成は外木場義郎以来51年ぶり10人目であった。

 まさに記録づくめのノーヒッターだ。そんな山本の快投にはヤンキースブライアン・キャッシュマンGMが直接視察するなど、メジャー複数球団のスカウト陣がスタンドから熱視線を向けた。

 ゆえに米メディアも25歳という若さも魅力の右腕の虜だ。ヤンキースの専門メディア『Pinstrip Ealley』は、アメリカン・リーグの東地区で最下位に沈む今季のヤンキースの課題が先発ローテーションにあると分析。そのうえで「ヤマモトは無視できない。彼は次のビッグスターになる可能性がある」と断言し、ポスティングによるメジャー移籍が囁かれる日本人エースに期待を込めた。

ヤンキースはこの冬の動向によっては頭痛の種を軽減(または解消)できるかもしれない。彼らはかつてのマサヒロタナカのように、再び日本市場に投資してトップクラスの投手を獲得するべきだ。ヨシノブ・ヤマモトはまさに理にかなっている」

 今オフのMLBにおけるFA市場では先発投手が少ない傾向にあり、NPBで傑出している山本は貴重な存在だ。ポスティングを行使した場合には熾烈な争奪戦は不可避だろう。すでに一部メディアでは8年2億ドル(約288億6000万円)の大型契約も予想されている。

 鵜の目鷹の目のスカウトマンたちの前で、圧巻の102球を見せつけた。そんな山本に“メガオファー”が舞い込む日も近いか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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