レイバー・デイの祝日と繋がる連休となった先週末(9月1日から3日)の北米興収ランキング。まずは祝日も含めた4日間で、上位10作品の合計興収が1億ドルを突破したことに触れておきたい。年に幾度かある連休週末のなかでもっとも閑散とする傾向のあるレイバー・デイ週末に、このような数字が記録されたのは『シャン・チー/テン・リングスの伝説(21)に一極集中した2021年以来であり、この10年で3度目のことだ。

【写真を見る】『イコライザー THE FINAL』が前2作と同等のオープニング興収でNo. 1スタート!

そんな週末をリードし見事に1位スタートを飾ったのは、傑作『トレーニング・デイ』(01)のデンゼル・ワシントンとアントワーン・フークア監督が再タッグを組んだ「イコライザー」シリーズの第3作にして最終章『イコライザー THE FINAL』(10月6日日本公開)。初日から3日間の興収は3460万ドル、祝日を含む4日間では興収4281万ドルを記録。レイバー・デイ週末の公開作品としては、前述の『シャン・チー』に次ぐ高発進となる。

ワシントン演じる元CIAの工作員ロバート・マッコールが、世の悪へと立ち向かい抹消していく姿を描く本シリーズ。2014年に公開された第1作はオープニング興収3413万ドルで、最終興収は1億153万ドル。続く2018年公開の第2作はオープニング興収3601万ドルで最終興収1億280万ドル。シリーズを重ねるごとに製作費は少しずつ増えている(5500万ドル→6200万ドル→7000万ドル)一方で、オープニング成績はほぼ一定。おそらく今回も1億ドル突破が一つの目安となることだろう。

この週末の『バービー』(日本公開中)は、3日間興収1021万ドルを記録し2位をキープ。ちなみに7週目の週末3日間で興収1000万ドルをキープした映画は過去に26作品。小規模スタートから2週目以降に拡大公開している作品を除けば、オープニング週末から快走を続ける『バービー』は17作品目の快挙となる。9月1日には、公開43日目にして無事に北米累計興収6億ドルに到達。全世界興収も14億ドル突破が目前まで迫っている。

また、前週1位スタートだった『グランツーリスモ』(9月15日日本公開)は、前週比38%の興収で4位まで降下。前々週1位の『Blue Beetle』は上映館数を減らしながらも3位に食い下がり、累計興収5000万ドルをようやく突破した。

そしてクィアの女子高生が意中のチアリーダーに近付くために“ファイト・クラブ”を立ち上げることで話題の『Bottoms』が、2週目にして上映館を705館増やし、前週の19位から一気に7位まで急浮上。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価は95%、観客からの好意的評価は92%と、コメディ映画としては非常に高い数字。なにより、カラフルな衣装の若者たちが集った白地のポスターデザインが、往年の青春映画を彷彿させ魅力的であり、まだ決定していない日本公開にも期待しておきたい。

文/久保田 和馬

デンゼル・ワシントンの代表シリーズ「イコライザー」の最終章が初登場!/[c]Everett Collection/AFLO