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欧州最大級の国際モーターショー 見えてきた未来像

9月2日から10日にかけて、ドイツミュンヘンで欧州最大級の国際モーターショー「IAAモビリティ2023」が開催された。

【画像】自動車メーカーが思い描くそれぞれの未来【IAAモビリティ2023会場の様子と各メーカー最新モデルを写真でじっくり見る】 全102枚

今は自動車産業の変化の時期であり、電動化の急速な進展や、ソフトウェア、コネクティビティ、データの重要性の高まりによって、わたし達とクルマとの関わり方、使い方が根本的に変わりつつある。

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考えさせられる点はあるものの、欧州市場の「未来像」が垣間見える有意義なショーであった。    AUTOCAR

しかし、IAAモビリティ2023から得られた最大の収穫は、そうした未来がいかに馴染みあるものに見えるかということだ。自動車メーカーの出展内容のほとんどは最先端技術を押し進める最先端マシンであったが、それらはまた、親しみのあるスタイリングとバッジに包まれていた。

その最たる例がBMWの「ビジョン・ノイエ・クラッセ」で、同社の次世代EVを予告するコンセプトモデルであるが、1960年代の革新的なモデル群に付けられた名称を使用し、栄光のE30型3シリーズを彷彿とさせるシャープクリーンなスタイリングを特徴としている。

そうしたノスタルジーはミニのDNAにも刻み込まれていると思うのだが、「クーパー」という名が付けられた最新世代の3ドア・ハッチは、クラシックな要素に磨きをかけたシンプルなデザインが特徴だった。

フォルクスワーゲンは、EVラインナップであるIDシリーズで伝統や歴史から遠ざかり、代わりに新しいスタイリングを取り入れてきた。しかし、新たにCEOに就任したトーマス・シェーファー氏の下で方針が変わったらしい。フォルクスワーゲンの大きな発表は「ID.GTI」で、これはもうGTIのベストヒットアルバムのようなデザインだった。過去の名作をパッケージしたようなもので、「心配しないで、GTIモデルを見捨てるような愚かなことはしませんから」と宣言しているようにも感じられた。

過去にフィアット500を復活させたルノーのCEO、ルカ・デ・メオ氏は、ノスタルジックネーミングの価値を熟知している。最近復活した車名は「セニック」で、以前はモノボックスのミニバン(MPV)だったが、現在はもう少しSUVに近いものとなっている。

メルセデス・ベンツがIAAモビリティ2023で公開したのは「コンセプトCLAクラス」で、EV優先の新プラットフォームを使用するコンパクトカー全4車種のうちの最初の1台となる。コンセプトCLAクラスは、長大な航続距離を叩き出したビジョンEQXXコンセプトから学んだことをふんだんに盛り込み、750km以上を実現するという高い効率性を謳うなど、テクノロジーに重きを置いている。

他の発表ほどノスタルジックなものではなかったかもしれないが、クラシックグリル(ライトアップされたパネルとして生まれ変わった)とスリーポインテッドスターの使用は増やしたのは確かだ。フロントとリアのデイタイム・ランニングライトも量産車に採り入れられる見込みで、メルセデスのデザインチーフであるゴーデン・ワグネル氏は、このライトはエグゾーストパイプに相当するものと捉えているという。

開催地ミュンヘンのコンベンションセンターで行われた “サミット” イベントに参加した人も、会場の中央に設けられた “オープンスペース” に足を運んだ人も、このように伝統とブランド力を強調する展示を見られたはずだ。

欧州市場への進出を加速させている野心的な中国EVブランドの存在感は大きかった。BYD、ニオ(Nio)、セレス、シャオペン(Xpeng)、アバターAvatr)など多くのブランドがブースを構え、ひときわ異彩を放っていた。彼らが現在生産している製品の品質は印象的で、ますますトップ企業と肩を並べるようになっており、技術面でも比肩するか、一部ではリードしている。もちろん、彼らが太刀打ちできないのは欧州の老舗ブランドが持つ豊かな歴史である。そして、そのような老舗ブランドもまた、自身の強みとして歴史と伝統を活用すべきだとますます考えるようになった。

もちろん、変わりつつあるのは自動車や自動車会社だけではない。最近決まり文句のように「モーターショーはもう古い、もう終わった」という声が聞こえてくるが、確かにIAAモビリティ2023は、モーターショーが直面する課題のいくつかを浮き彫りにした。

実際、主要なモデルはほぼすべてショーに先駆けて公開された。ミニとBMW9月1日ミュンヘンで独自のイベントを開催し、メルセデス・ベンツフォルクスワーゲンは3日夜のプレショーでお披露目された。ショーの自社ブースでセニックを発表したルノーを褒めたいくらいだ。

2021年の初回と同様、ショーはミュンヘンのコンベンションセンターと同市中心部のオープンスペースに分かれて開催された。コンベンションセンターでは「IAAサミット」が開催され、オープンスペースは一般向けのものだった。BMWのブースでさえ比較的小さく、クプラポールスターをはじめとする多くのブランドはブースを構えず、パブリックスペースで展示することを選んだ。

LGやボッシュのような業界大手から、クアルコムのようなIT企業、LiDar、レーダー、バッテリー技術、EV充電器のメーカーなど、多くの関連企業も出展していた。しかし、電動バイクや電動モビリティを手掛ける企業が世の中に数多く存在するにもかかわらず、その出展がまばらであったことを無視することはできない。

そのため、やや平板なイベントとなったが、多くの点でうまくいった。業界の大物が多数参加し、自動車メディアの誌面を埋めるようなトピックをたくさん提供してくれた。

一方、ミュンヘン市街地では歴史的なレジデンツの中庭に建てられたメルセデス・ベンツの巨大ブースや、新型車に試乗できるテストコースなど、華やかな消費者向けのイベントも際立っていた。すべてが魅力的で開かれたものであり、モータースポーツを人々に伝える素晴らしい方法だと感じた。

わたし達が知っているようなモーターショーではなく、改善の余地があることも明らかである。展示されているEVと同じように、国際モーターショーの主催者たちも新しいことに挑戦していくだろう。そして、昔ながらの長所と新しいアプローチを融合させた新しい方程式にたどり着くはずだ。

アウディQ6 eトロン

さて、ここからは注目に値する展示内容について企業名のアルファベット順に紹介していく。

まずはアウディの新型電動SUV、Q6 eトロンから。デジタル機能と使いやすさを重視した「人間中心」のレイアウトを採用し、今後のインテリアデザインの方向性を打ち出した。

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アウディQ6 eトロン    AUTOCAR

Q6 eトロンは2024年2月発売予定で、新しいEV用プラットフォーム「PPE」を使用する最初の市販モデルとなる。新たなパッケージングの可能性を開くとともに、アウディのデジタル・インターフェースのほぼ全面的な刷新を可能にした新しい電子アーキテクチャを導入している。

11.9インチのドライバーディスプレイと14.5インチのセンターインフォテインメント・スクリーンがダッシュボード上部の曲面パネルに内蔵され、オプションでAR(拡張現実ヘッドアップディスプレイも設定される。

アバター

中国の自動車メーカーである長安汽車とスマートフォン大手のファーウェイ華為技術)による新ブランド、アバターAvatr、阿維塔)が欧州デビューを果たした。2018年に設立され、中国・重慶に本社を置き、上海とミュンヘンに支社がある。

アバターは電動SUVの「11」(写真)を披露し、新型EVセダンの「12」についても詳細を明かした。アバター12は全長5020mm、全幅1999mm、全高1460mm(テスラ・モデルSとほぼ同じサイズ)で、最高出力308psのシングルモーター仕様と、570psのデュアルモーター四輪駆動仕様の2種類が用意される。

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アバター11    AUTOCAR

バッテリーの詳細はまだ明らかにされていないが、SUVの11には最大240kWの急速充電が可能な90kWhと116kWhのパックが用意されている。

BMWノイエ・クラッセ・コンセプト

これがBMWの未来だ。いや、本当に。コンセプトモデル「ビジョン・ノイエ・クラッセ」は、全面的に刷新されたスタイリング、抜本的に見直されたインテリア、未来的な(しかし現実的な)インフォテインメント・システム、そして高度に進化したドライブトレイン技術など、BMWの次世代EVの特徴となる要素を垣間見せるものである。

BMWによると、ビジョン・ノイエ・クラッセは特定の市販車を予告するものではなく、2025年から順次導入予定のセダンおよびSUVシリーズを予告するものであるという。ただし、次世代EVの第1弾となる次期3シリーズは、このコンセプトに特に近いものになると考えて間違いない。

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BMWノイエ・クラッセ・コンセプト    AUTOCAR

BMWの目はしっかりと未来に向けられているが、同時に、ビジョン・ノイエ・クラッセでは角ばったシルエットのE30型3シリーズや、2001年に登場したE65型7シリーズなど、過去作の影響を受けていることを認めている。

BMW 5シリーズ

第8世代となる待望の新型5シリーズ。BMWお馴染みのマイルドハイブリッド付き2.0L 4気筒ガソリンターボの最新版を搭載した520iが、今年10月に欧州で発売される。

プラグインハイブリッド530eと550e xドライブも2024年第2四半期までに導入される予定で、後輪駆動530eは最高出力303ps、四輪駆動の550e xドライブは最高出力496psを発生する。いずれも、トランスミッションにマウントされた新しい電気モーターにより、197psと45.9kg-mのアシストを得る。

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BMW 5シリーズ    AUTOCAR

内燃エンジンを搭載した5シリーズとしては最終モデルとなるため、今のうちにじっくり目に焼き付けておきたい。

BMW 7シリーズ・プロテクション

BMW 7シリーズに防弾仕様「プロテクション」モデルが追加された。ガソリン仕様とEV仕様(i7)の両方に設定され、防弾ガラス、強化シャシー、爆発物から身を守る防爆ボディなど、伝統的なBMWの防弾車設計を受け継いでいる。

プロテクションモデルとしては、2019年に初公開されたX5 プロテクション以来の新型となる。

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BMW 7シリーズ・プロテクション    BMW

民間車両の防弾規格で最高レベルのVPAM 10に適合するガラスを採用し、秒速820mの速度で飛来する投射武器の攻撃を防ぐというVR9等級の性能を持つ。また、PAS300の耐爆性能に加え、燃料の損失を防ぐセルフシーリング燃料タンクも備えている。

EVのi7プロテクションは、2基の電気モーターから最高出力543psと最大トルク75.9kg-mを発生するが、重量増加により0-100km/hが標準車の4.7秒から9.0秒に伸びた。最高速度は160km/hに制限される。

一方、7シリーズ・プロテクションはマイルドハイブリッド付き4.4L V8ガソリンエンジンを搭載し、最高出力530ps、最大トルク76.4kg-mを発生。0-100km/h加速は4.2秒から6.6秒に伸びた。

BYDシールU

BYDシールUは欧州デビューを果たした。英国での右ハンドル車の販売計画も確認されている。

中国ではソン(宋)・プラス・チャンピオン・エディションとして販売されている電動SUVで、71kWhと87kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は520~605km(中国CLTCテストサイクル)とされる。

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BYDシールU    AUTOCAR

充電能力の詳細はまだ明らかにされていないが、同じeプラットフォーム3.0をベースとするセダンタイプのシールは、最大150kWの充電が可能だ。

テスラ・モデルYのライバルとして、価格は4万5000ポンド(約830万円)台からになると予想されている。

クプラ・ダークレベル

スペインの自動車ブランドでフォルクスワーゲン・グループ傘下のクプラが、2シーター電動グランドツアラーのコンセプトとして「ダークレベル(DarkRebel)」の実車を公開した。これまでデジタル上でしか公開されていなかったが、ミュンヘンクプラブースで現実世界に姿を現した。

高性能車ブランドを標榜するクプラの中でも非常に先鋭的なデザインで、フォルクスワーゲン・グループの新しいPPEプラットフォームをベースに市販化される可能性もあるが、実現するのはおそらく何年も先のことだろう。

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クプラ・ダークレベル    AUTOCAR

クプラ・タバスカン

同じくクプラから「ブランドの夢が実現する」というキャッチフレーズで発表されたタバスカン。母体のセアトから独立したばかりのブランドを強化するため、大型グリル、特徴的な3トライアングルのライトシグネチャー、トランク幅のリアライトバー、そしてアーチ型のルーフラインが特徴的な電動クーペSUVである。

最高出力340ps、最大トルク69.3kg-mというデュアルモーター、四輪駆動のパワートレインを搭載するが、最高出力286psのシングルモーター仕様も用意される。フォルクスワーゲンID.5と同じ82kWh(ネット:77kWh)のバッテリーを採用し、航続距離は最長550kmを謳う。

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クプラ・タバスカン    AUTOCAR

LGエレクトロニクス

LGエレクトロニクスは「Life’s Good on the Road」をキャッチフレーズに掲げ、車内エンターテインメントの進化アプローチを紹介している。同社は7月、「スマート・ライフ・ソリューション・カンパニー」への移行を発表し、モビリティ業界のトップクラスのサプライヤーになることを目指している。

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LGエレクトロニクス    LG

マグナ

マグナは自動車業界最大のサプライヤーの1つで、受託製造、パワートレイン、座席システム、その他多くの製品を展開している。今年のIAAモビリティでは電動化、アクティブ・セーフティ、コネクティビティ強化のための統合システムを披露した。また、エネルギー管理のための予測機能を備えた新しいソフトウェア・パッケージも発表。業界に対するマグナの影響力を考えると、ショーで展示されたシステムの少なくとも1つが、わたし達の次のクルマに搭載されることは間違いないだろう。

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マグナ    マグナ

メルセデス・ベンツ・コンセプトCLAクラス

コンセプトCLAクラスは、現在のメルセデス・ベンツCLAの後継として発表された。

昨年公開された未来的なコンセプトカー「ビジョンEQXX」から得た教訓が大いに生かされているようだ。EQXXは1回の充電でドイツシュトゥットガルトと英グッドウッド間の1202kmを走行できる。メルセデス・ベンツによれば、「超効率的」なパワートレイン開発に大きな影響を与え、コンセプトCLAクラスでは航続距離750kmを実現するという。

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メルセデス・ベンツ・コンセプトCLAクラス    AUTOCAR

スリーポインテッドスターのロゴにインスパイアされた丸型LEDヘッドライト、EQSやEQEセダンで見られたティアドロッププロファイルの進化系、最新世代のMBUXハイパースクリーンなど、新しいスタイルを採り入れている。

メルセデス・ベンツEクラス・オールテレーン

メルセデス・ベンツオフロード対応ステーションワゴンの最新作。Eクラスをベースに、より無骨なスタイリング、最低地上高のアップ、ユニークなインテリアエレメント、そしてWLTPテストサイクルで最大102kmのEV航続距離を実現するというプラグインハイブリッド・システムなど新しいパワートレインが導入されている。

Eクラスの世代交代に伴い、新型Eクラス・オールテレーンは全長4950mm、全幅1904mm、全高1497mmと、2017年に発売された現行型よりも一回り大きい。

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メルセデス・ベンツEクラス・オールテレーン    AUTOCAR

2024年初めに欧州で発売される予定だ。

ミニ・クーパー・エレクトリック

ミニは次世代のEVハッチバックとして、クーパー・エレクトリックを発表した。現行型は異なり、EV専用プラットフォームがベースとなっている。2つの仕様が用意され、エントリーモデルはクーパーE、上位モデルはクーパーS Eとなる。

価格は3万ポンド(約550万円)からで、フロントアクスルに最高出力183psのモーターと40.7kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は305kmとなる。3万4500ポンド(約635万円)のクーパーS Eは最高出力218psのモーターと54.2kWhのバッテリーを搭載し、0-100km/h加速6.7秒、航続距離は402kmとなる。

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ミニ・クーパー・エレクトリック    AUTOCAR

走行モードに応じてディスプレイ表示やパワートレイン特性を変化させる「ミニ・エクスペリエンス」が導入され、さまざまな合成サウンドも用いながら新しい運転体験を提案している。

ミニ・クロスオーバー

新型ミニ・カントリーマン(日本仕様のクロスオーバーに相当)は、アウディQ3などに対抗するまでに成長した。BMW X1との兄弟車で、ガソリンエンジン、プラグインハイブリッドバッテリーEVの3種類のパワートレインが用意されている。

当初は最高出力313psのエレクトリックS Eオール4が最上位モデルとなる。スポーティなジョン・クーパー・ワークス(JCW)も用意され、最高出力300psと最大トルク40.8kg-mを発生し、0-100km/h加速は5.4秒とのこと。

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ミニ・クロスオーバー    AUTOCAR

価格はガソリンエンジンのカントリーマンCが2万8500ポンド(約525万円)から、Sが3万3900ポンド(約625万円)、JCWが3万9900ポンド(約735万円)、エレクトリックEが4万1500ポンド(約765万円)、エレクトリックS Eが4万6600ポンド(約860万円)となる。英国での納車は2024年2月から開始される。

ポルシェ・カイエン・ターボEハイブリッド

4.0L V8ツインターボガソリンエンジンと電気モーターから生み出される739psの出力と96.7kg-mのトルクは、ポルシェの内燃エンジン搭載車としては最も強力なものである。

トランクの下に設置された25.9kWhのバッテリーにより、電気のみで約83kmを走行できる。0-100km/h加速3.6秒という性能も目を見張るものがある。

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ポルシェカイエンターボEハイブリッド    ポルシェ

サーキット走行向けのガジェットマイクロファイバー製のヘッドライニングおよびステアリングホイール、ドライブモード・セレクタースイッチ、スポーツシートが装備される。

ルノー・ラファール

ルノーは待望のDセグメント車、ラファールを披露した。ハイブリッドのクーペSUVで、「ドライビングプレジャー(運転する楽しみ)のために生まれ育ったクルマ」とされている。

CMF-CDプラットフォームをベースとし、まず最高出力200psの前輪駆動モデルが登場するが、最高出力299psの四輪駆動モデルも予定されている。

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ルノーラファール    AUTOCAR

ラファールRafale)という車名はフランス語で「疾風」を意味し、フランス空・海軍で採用されている主力戦闘機と同名である。

ルノー・セニックEテック・エレクトリック

新型ルノー・セニックEテック・エレクトリックは、SUVのデザイン要素とミニバンに匹敵する室内空間をミックスした「新しい形のファミリーカー」として発表された。

セニックの名はミニバンとして知られているが、方向性を変え、未来的な角ばったデザインと持続可能性を重視している。

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ルノー・セニックEテック・エレクトリック    AUTOCAR

ルノーのEVラインナップの中ではメガーヌEテック・エレクトリックの上に位置する。標準車には最高出力169psのモーターと60kWhのバッテリーが組み合わされ、0-100km/h加速は9.3秒、航続距離は420km以上と謳われている。

インテリアでは、12.3インチのデジタルドライバーディスプレイと12.0インチの縦型センタータッチスクリーンがあり、グーグルベースのインフォテインメント・システム「OpenR Link」が搭載されている。

テスラ・モデル3

フェイスリフトされたテスラ・モデル3の実車が登場。一般的に自社イベントを重視しているテスラが、このような国際モーターショーに出展するのは珍しいことである。

これまで「プロジェクト・ハイランド」というコードネームで知られていたモデル3の改良新型は、フロントエンドを大幅に変更し、空気抵抗を減らし、航続距離と高速走行時の安定性を向上させたという。

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オペル・エクスペリメンタル

オペルは先鋭的なコンセプトカー「エクスペリメンタル」を披露した。同社のデザインチーフ曰く「オペル2.0」を初めて具体化したものであり、次世代EVのデザインを予告し、2028年の全面電動化に向けたオペルの進化を予感させるものである。

エクスペリメンタルは、オペルアストラとほぼ同サイズのクーペSUVで、持続可能な素材や未来的な車載技術、航続距離を伸ばす空力開発にも重点を置いている。コンセプト自体が市販化されることはなさそうだが、デザインや機能の一部は市販車にも反映されるはずだ。

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オペル・エクスペリメンタル    AUTOCAR

フォルクスワーゲンID.GTI

フォルクスワーゲンGTIの未来が、今ここからはじまる。心から歓迎したい。

ID.GTIは、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIの精神とスタイリングを受け継ぐEVである。今年のショーにおける主役の1つであり、フロントマウントの電気モーター、特別にチューニングされたスポーツサスペンション、伝統的なGTIのデザイン要素を備えている。

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フォルクスワーゲンID.GTI    AUTOCAR

フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOは、ID.GTIの市販モデルは2026年に公開され、2027年初めに発売されると述べた。

フォルクスワーゲン・パサート・ヴァリアント

新型フォルクスワーゲンパサートは、セダンが廃止され、今のところステーションワゴンタイプのヴァリアントのみの設定となる。

新しい「MQBエボ」プラットフォームをベースに、ボディサイズは全長4917mm、全幅1852mm、ホイールベース2841mmと現行型より一回り大きくなった。これに伴い、室内空間やラゲッジスペースも拡大されている。

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フォルクスワーゲンパサート・ヴァリアント    AUTOCAR

パワートレインにはガソリン、ディーゼルマイルドハイブリッド、そして電気のみで約100km走行できるというプラグインハイブリッドを設定。最高出力300psのターボチャージャー付き2.0L 4気筒ガソリンエンジンを搭載する高性能モデルのパサートRも計画されている。

インテリアでは、10.3インチインストゥルメント・ディスプレイと12.9インチのインフォテインメント・ディスプレイが標準装備され、後者はオプションで15.0インチに拡大できる。一部ユーザーの間で物議を醸しているスライダー式コントロールは健在だが、夜間も操作しやすいようにライトアップされるようになった。

人気のDセグメント車として、革新というより進化的アプローチをとり、弱点の克服を図りつつ、最新技術を投入している。


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