秋を迎えるいまイタリアで注目される健康法は、子どもから大人まで取り入れることのできる《究極のヘルシーブーム》。長寿の島サルデーニャの暮らしを映し出す原始の食生活&腸活糖抜きダイエット。

1866年8月25日に日本とイタリアが通商条約を締結してから、157年。四季折々の気候、食文化の豊かさ、伝統工芸の発達など、多くの共通点があり、日本にとってのイタリアは、ヨーロッパのなかでもっとも親近感の強い国のひとつにあげられます。ファッションやグルメなど、憧れの気持ちを持つ日本女性も多いのではないでしょうか?

実はイタリアには、日本とはまったく異なる《癒し》の人間社会が広がっています。悠久の時を感じさせる街並み、伝統に裏打ちされた健康法、人と人との繋がりを慈しむ社会。“若いものが勝ち ”といった風潮の日本と違い、イタリア人は年齢とともに幸福度を深めていきます。
イタリア文化に精通する女性経営者として、日本の人にもっと多くイタリア文化に触れ、その魅力を実感してほしい。
そんな思いで『イタリア通信』をスタートします。
イタリア通信」が目指す理念は、年を重ねても人生を楽しむことを忘れず、バイタリティ溢れる社会環境。そのために役立つ文化・健康法のトレンド情報を交えて、古代ローマ時代からの歴史にも学びながら情報を発していきます。

初回のテーマは、イタリアでブームの新健康法について。
2023年秋の最新ヘルシー文化とイタリアの伝統についてリポートします。
長寿の島サルデーニャの暮らしを映し出す原始の食生活&腸活糖抜きダイエット。
いまイタリアで注目される健康法は、子どもから大人まで取り入れることができます。
イタリアは今まさに《究極のヘルシーブーム》が到来しています。

テルマエ・ロマエ』などに知られる古代ローマ人の温泉好きを考えると不思議ですが、イタリア人にとって風呂というものはすなわちシャワーです。浴槽はあるもののお湯をはることがないので、温度調節や自動お湯はり昨日も存在しません。もとより古代ローマの温泉は男性文化の場所でしたが、現代のイタリアでも、女性でさえ自宅では湯船に浸かることはありません。イタリアの家庭では、年間を通して、風呂と言えばシャワーのみ*。美容にも良いと言われる温浴は、自宅で実践できるもっとも効果的な節約美容法ですが、イタリアではあまり認知されていません。
ただイタリアの女性は美容意識が高く、成人女性の20%以上がフィットネスクラブなどでスポーツを日常的に行って若さを保っているというデータもあるほど*²。イタリアの美容と健康の歴史は、実に⼆千年を超えるのです。日本のそれより遥かに長いですよね。
美の歴史は古代ローマ時代に始まり、一般家庭におけるオリーブオイルを始めとするオイルパック、はちみつを使った天然のスクラブ、特殊なものでは貴族が使用した温泉微生物を調合したクリームラベンダーの花の沐浴と、ありとあらゆる天然の素材が何千通りと試され、効果が記録され、「女性の美しくなる方法」は進化を重ねてきました。⽼化の原因となるフリーラジカルという概念さえ存在しなかった古代ローマ時代に、トスカーナ地方のある特定の温泉水に内包される何物かが、アンチエイジングの効能をもたらすことが知られていました。
そんなイタリアだからこそ、いま古代の天然素材が、夏に役立つ健康法やダイエットが再注目されています。
*ASCIGによるイタリア人女性30名を対象とした調査(2022年10月)
*²Istat調べイタリア人のスポーツ人口に関する調査(2015年)

  • 秋到来のブーム<砂糖抜きダイエット>で腸活もヘルスケアも

古代より愛用されてきた“⽢味”。それはキャロブ(学名:Ceratonia siliqua)という、砂糖の代わりとなる<野菜>です。別名イナゴマメとも呼ばれます。
キャロブはもともと新約聖書にも登場する豆で、その起源は古代エジプトまで遡ります。地中海沿岸の乾燥した暖かい場所で良く育つといわれ、古代ローマ時代からイタリアでも親しまれてきました。

いわゆるスーパーフードにも近く、砂糖のように⽢く高糖分でありながら、カリウム、マグネシウム、リン、セレン、亜鉛、鉄、カルシウムナトリウムなどの人体が必要とするエッセンシャルミネラルに加え、ビタミンB、ビタミンC、E、K、葉酸も含みます。
イタリアではこの繊維が豊富な砂糖の天然代替品が、静かなブームとなっています。カフェインフリーコーヒーやココアの替わりとして、またお菓子の材料として取り入れられています。
ヴォーイタリア』(2023年8月11日記事)にも、このキャロブブームが取り上げられ、下記のような有益な効果が得られると紹介されています。
抗酸化物質- ポリフェノールが豊富で、酸化ストレスや炎症を抑える腸の健康を改善- 腸内細菌叢のバランスを取り戻す
下痢止め- 下痢を抑える
コレステロールを下げる- コレステロールを下げる
心臓病を軽減- 繊維が豊富で、動脈性高⾎圧症に効果的糖質や脂質の摂取量が減るのでダイエット中に役立つ。満腹感を持続させ、間食を避けるのに役立つ。
上記の満腹感とは食物繊維の豊富さから得られる効果で、腸内環境を整えて、⾎糖値の調節にも役立ちます。
イタリアでは夏には海に行く習慣があり、シチリア島やサルデーニャ島の海で数週間を過ごす家族連れも多く見られます。だから夏はダイエットブームとなり、美しく健康に痩せることが叶う素材が重宝されます。

前述のキャロブと並び、いまイタリアで、新たに注目されている健康法があります。
《グレインフリー》という言葉、聞いたことはありますか?すでに日本でも馴染みのある<グルテンフリー>ではありません。グレインフリーは新しい食文化を指す、多くの日本人にとっては、まだ⽿慣れない用語です。
「グレインフリーGRAIN FREE」(穀物不使用)」は、アメリカ西海岸およびニューヨーク発で、グルテンフリーの次に台頭するトレンドに違いなく、いまヨーロッパでもとても注目されている食文化です。
グルテンフリーとの明確な違いは、「グレインフリーGRAIN FREE」(穀物不使用)」は、小⻨はもちろん、米やトウモロコシも含まれないことです。いわば究極のヘルシー、《究極の炭水化物フリー》を指します。
いま世界では日々多くのヘルシー食材のスタートアップが、多額の資金調達をしています。そのなかから起業の聖地といわれるシリコンバレーを有するアメリカにおける、グレインフリーに因んだスタートアップの事例を見てみましょう。
シリアルブランドのD2C「Magic Spoon」は、スーパーマーケットや小売店舗を介さず、消費者に直接E Cサイトで販売しているユニークなメーカー。近年はインフルエンサーマーケティングとポッドキャスト広告で売り上げを飛躍的に向上させています。
D2C分野は日本市場でも目覚ましい発展を遂げていますが、シリコンバレーからは新たな食のビジネスチャンスが次々と生まれています。
ここで「Magic Spoon」ブランドのシリアルを取り上げるのは、シリアルなのにグレインフリー、ケトンフレンドリーという日本のスーパーマーケットに並んでいるシリアルからは連想できないような、“あり得ない”組み合わせの特徴を併せ持っているから。
グレインフリー・シリアルはナッツ類やドライフルーツ類のみで構成されており、小⻨や豆、乳製品のタンパク質など、腸や体の炎症、また食物アレルギーを引き起こす代表食材が入っていないことが注目されています。
Magic Spoonのシリアルは⾊彩豊かな“不健康そう”な見た目もインパクトがあり、ヘルシー=地味という固定概念も覆されます。
イタリアの消費者のあいだにも、このグレインフリーの動きが広がっているのは、消化力の弱い子供や、ストレスなどで胃腸に不調があるサラリーマンにとって、実はとても恩恵の大きな食習慣だからです。

イタリアで究極の健康法といえば、世界一の長寿の島サルデーニャの生活習慣が知られています。
伊南部のサルデーニャ島は、人口の3%近くが100歳以上という村も存在する特異な地域です。この“長寿島”の食生活の基本はグレインフリーではありませんが、豆やナッツ類、野菜や⿂などをオリーブオイルと共に食べる、原始の食文化に近いもの。特徴としては、商業的に加工された食品をまったく排除し、ハーブ類などで味付けした料理。ポリフェノール値*も高く、抗酸化作用が高い調理法を採り入れていることです。
このように精製していない食材を使った、加工食品や化学物質をふくまないヘルシー食習慣は、《パレオダイエット》と呼ばれて新たなブームとなっています。
つまり原始時代に人類が行っていた、ナッツ類、フルーツ、加工していない肉⿂、など身体に消化吸収がいいものだけを摂取する生活のこと。
なぜこれほど多くの100歳長寿者がサルデーニャ島に存在するのか、完全には解明されていません。でもこうした食生活はイタリアでも見直され、いま女性たちの「美の習慣」に取り入れられています。
これまでヴィーガン、マクロビ、グルテンフリー…とさまざまなトレンドが食品業界へ訪れましたが、それ全体がひとつの大きな原始回帰の流れだということが見て取れます。

サルデーニャ島の伝統の暮らしを映し出すパレオダイエットや、キャロブの腸活糖抜きダイエットといった、これらのいまイタリアで注目される健康法は、子どもから大人まで取り入れることのできる《究極のヘルシーブーム》です。
*高い抗酸化昨日を有するロスマリン酸の含有量ローズマリー (7.2mg/乾燥莱 g)、タイム (23.5),スペアミント (58.5)(農研機構研究報告. 食品研究部門、2018年)

         

【編集後記】
イタリアは南北に長い地形や、気候など、日本との共通点も多く、イタリアで流行している情報は、そのまま日本でも取り入れることのできる有益な情報であることを改めて実感できます。
「砂糖抜きダイエット」やイタリア式「パレオダイエット」など、長い歴史を持つ文化の中で育まれてきたイタリア人の知恵を参考になさってください。
  
イタリア通信 編集長 長谷川悠里

株式会社エルゴン・ジャパン代表取締役
慶応義塾大学文学部 / 慶応義塾大学外国語教育センター講師

十代半ばで渡伊し、ファッションの都ミラノと最古の大学町ボローニャという、⼆つのまったく異なるイタリアの都市で育つ。現在は東京・港区で会社経営をしながら慶応義塾大学イタリア言語文化の非常勤講師として教壇にたつ。
経営する会社は、イタリアで50年の歴史を持つグローバル・コスメティックブランド「eLGON」の日本国内での正規直営店を運営する「株式会社エルゴン・ジャパン」。
2018年3月の日本ローンチ以来、順調に売り上げを伸ばし、百貨店サロンなどへも販路を拡大。日本とイタリアの交流をビジネス面からも促進している。イタリアの老舗ブランドと本格的にビジネス展開する日本では数少ない女性経営者。

経歴・実績:
ボローニャ国立大学卒業。ミラノ国立大学大学院修了。司馬遼太郎奨励賞。著書に『ダンテの遺言』(朝日新聞出版)、『イタリア語会話フレーズブック―すぐに使える日常表現2900』(アスカカルチャー)ほか。

■「eLGON」
エルゴンはイタリア・ミラノ創業で50年の歴史を持ち、プロフェッショナルサロンを中心に世界93か国に展開。すべての製造工程で、自社直営のもと、厳格な安全基準を守って生産。世界でも評価される徹底した品質管理体制を維持し、ISO22716やISO90001など厳しい安全・品質管理の国際認証機関の審査をクリア。サスティナブルな未来を目指し、SDGsを推進するグローバル・コスメティックブランド。

配信元企業:株式会社エルゴン・ジャパン

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