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 アメリカ・フロリダ州のレストラン経営者が、支払いをせずに食い逃げした顧客の姿を撮影し、SNSに投稿する行為を行っている。

 店主は、忙しい警察の手を煩わせるよりも、SNS上で食い逃げした客の顔を出すことで、問題を解決した方が良いと話している。

 中には、SNSに個人情報を晒したとして店主を訴えると言う者もいるようだが、たいていの者は未払いの料金を払うために、店に連絡してくるようだ。

 この店主のやり方をめぐって、SNSでは賛否両論が巻き起こっている。

【画像】 食い逃げした客の姿をSNSに投稿するレストラン店主

EXPOSED on social media: Restaurant owner confronts dine-and-dashers

 フロリダ州タンパにあるレストラン「リックズ・オン・ザ・リバー」の店主、ケン・ブラッキンズさんは、飲食後、支払いをせずに足早に逃げた客の姿を撮影した映像を、SNSに投稿している。

 最近、レストランのFacebookアカウントでシェアされたのは、メルセデスベンツに乗った食い逃げした女性の映像だ。

 女性は「風でビールのグラスがひっくり返った」と言い訳して、そのまま逃走しようとしたそうだ。

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 レストランの従業員が、車越しに支払いをするよう、女性と対峙している場面がカメラに捉えられている。

 動画には、女性の車のナンバープレート番号を捉えた様子もあり、「この食い逃げ犯は、ビール代を豪華なメルセデスにつぎ込んでいます」というキャプションがついている。

 ブラッキンズさんによると、この女性は話し合いの後も支払いを拒否したという。

女性が座っていた場所には、ビールグラスしかなかったのですが、そのビール代さえも払うことを拒否したのです。

食い逃げした客の顔を晒し恥をかかせることが抑止力に

 ブラッキンズさんは、タンパのレストランを狙った一連の無銭飲食事件を受けて、SNS上で直接対決することで、自らの手で食い逃げ問題を解決しようとしている。

私たちは、「抑止力」としてSNSで動画をシェアしています。

彼らが二度と同じことをしないように、そして、私たちは食い逃げするような人たちにもう来店してほしくないのです。

 その試みは、意外と成功しているようだ。

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 実際に、SNSで顔をさらされた食い逃げ者は、罪悪感が芽生えるのか、恥ずかしいと感じたのか、たいていが後になって、支払いの連絡を寄こしてくるという。

自分の恥ずべき行為がSNSで暴露されて恥に思うのか、支払いのためにレストランに戻ってきます。

電話で支払いたいという人には、私たちはいつも店に戻ってくるように伝えます。顧客に恥を忍んで来させて、支払わせているのです。

 ブラッキンズさんは、4月に大量の料理を食い逃げした2人組についても明らかにした。

彼らは、牡蠣やサンドイッチロングアイランドアイスティー6杯を飲み食いして、逃走しました。

2人の写真をSNSでシェアし、「この“恥辱の館”の新メンバー2人を知っている人がいたら、ぜひとも連絡してほしい」と投稿しました。

最新情報によると、最終的には2人とも捕まったようです。

 さらには、SNSを通して個人特定されるとは想像もしていなかった女性2人の食い逃げ者もいたようだ。

 しかし、この時も店側は車のナンバープレートをばっちり撮影していた。

法的に「訴える」という者も

 ブラッキンズさんは、愚かな食い逃げ者の動画をSNSに投稿し始めて以来、「10件中9件で犯人がやって来て、清算する結果になった」と話している。

食い逃げ犯たちは、SNSに投稿されると店に電話をかけてきて、「お金を払うから投稿を取り下げて」と言ってきます。

彼らは、SNSに投稿されたことをとても怒り、「あんたを訴えるつもりだ」とも言ってきます。

でも、彼らがこのようなことをするのは、ウチが初めてじゃないんですよ。

食い逃げするような人たちは、どこでもやってるんです。それでいて、やっている時はとてもリラックスしているんです。

バレなければ、数ヶ月待って、また同じ店に戻ってきて同じことをするのでしょう。

SNSの投稿を見て、その成功率を聞きつけた他のレストラン同業者からは、「うちでもあの人たちは食い逃げしてるから、名前と電話番号を教えてもらえませんか?」って言われますよ。(ブラッキンズさん)

SNSでは賛否両論の声

 ブラッキンズさんは警察が関与することを望んでいない。

 なぜなら、警察には食い逃げ者を捕まえることよりも、より重大な犯罪を扱っているからだ。

アメリカの警察は、こんなばかばかしいことに関わるには忙しすぎると思っています。

もし、すごく大きな金額を踏み倒そうとしたり、食い逃げしようとする客が攻撃的になったりした場合は、私たちはすぐに警察に通報します。

 SNSで投稿したことで、世界中のユーザーから前向きな応援の声が寄せられている一方で、食い逃げ者の動画をSNSでさらすことは間違っていると批判する人もいるようだ。

 それに対して、ブラッキンズさんはこのように話している。

そう言われてもねぇ…。私たちが、食い逃げしたわけではありませんからね。私たちは、自分たちの役割を果たそうとしているだけです。

だから、SNSで恥を暴露されたくないなら、食い逃げはやめてください。

References:Florida restaurant owner exposes 'dine-and-dashers' on social media, confronts woman fleeing in Mercedes/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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食い逃げをした客の姿をSNSに投稿、支払いをうながすレストラン店主(アメリカ)