野球の「U-18(18歳以下)ワールドカップ」が9月10日に台湾の台北で決勝戦が行われ、日本代表が2-1で台湾代表を下して初優勝した。決勝の舞台で先発したのは、プロ入り濃厚なエース・前田悠伍(大阪桐蔭高)。ストレートとチェンジアップで攪乱させ、1失点で完投勝利。胴上げ投手となった。球界OBは決勝でのピッチングを、次のように評する。

「大きな武器はチェンジアップですが、ツーシームスライダーもプロレベル。完成度が高く、プロでも1年目から活躍できる腕前は持っていますね。打者の考えを読む力やフィールディング、捕手との間合いといった細かな技術も一級品。球数が増えてもスピードが落ちず、スタミナにも問題はありません」

 夏の高校野球は7月30日の大阪大会決勝で履正社に敗れ、甲子園出場はならず。そこから練習に没入して、レベルをワンランク、アップさせた。スポーツライターは、

「高校生の成長速度は速いですよ。前田はこの1~2カ月でさらに、下半身に安定感が出てきました。W杯で評価を上げたこともあり、ドラフト1位で指名されるでしょう」

 では一体、どこの球団が1位指名するのかといえば、

「候補に挙がっているのはDeNA。エース格の今永昇太がオフにメジャー移籍することが確実です。前田は今永と同じタイプ。昨年のドラフトでは、大阪桐蔭から捕手の松尾汐恩を1位で指名しています。将来的には松尾と前田の大阪桐蔭コンビを、チームの軸にしたい」(前出・スポーツライター)

 阪神も指名候補だ。今年は投手力が安定しているため、高校生を指名しやすい環境にある。前田は関西出身であり、獲得してほしいと願うファンの期待は大きい。

 大器の進路がどうなるか、実に気になるところだ。

(田中実)

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