新型コロナウィルスの猛威によりほぼすべての舞台が中止となった2020年春に日本初演され、全52回公演の予定がわずか14回で幕を下ろさざるを得なくなったミュージカルアナスタシア』。その待望の再演が本日9月12日(火)、東急シアターオーブでいよいよ開幕する。同名アニメ映画(1997)に着想を得て2017年に製作され、ブロードウェイをはじめ世界各地で上演されてきた人気作の、同演出・日本キャストによるプロダクションだ。

舞台は20世紀初頭、帝政末期のロシアサンクトペテルブルクの街では、ボリシェビキの攻撃を受けて滅びたはずの皇帝一族の末娘、アナスタシアは生きているとの噂がまことしやかに広がっていた。攻撃を受ける前からパリに移り住んでいたマリア皇太后は、孫娘を探し出すため多額の懸賞金を用意。それを知ったふたりの詐欺師ディミトリヴラドは懸賞金を騙し取ろうと、記憶喪失の少女アーニャを伴ってパリへと旅立つのだが……?

次第に記憶を取り戻していくアーニャを演じるのは、2020年公演と同じく葵わかなと木下晴香。ディミトリ役の海宝直人、相葉裕樹、内海啓貴も続投となるが、海宝は今回、ボリシェビキの将官グレヴとの2役に挑む。そのグレヴは、続投の堂珍嘉邦、新加入の田代万里生、海宝のトリプルキャスト。このほか、ヴラド役の大澄賢也と石川禅、マリア皇太后に仕える伯爵夫人リリー役の朝海ひかる、マルシア、堀内敬子、そしてマリア皇太后役の麻実れいという初演キャストが結集、3年越しの“リベンジ”に臨む。

脚本と音楽のテレンスマクナリーとステファン・フラハティ&リン・アレンスは、『ラグタイム』も手掛けた黄金チーム。その楽曲は躍動感に満ち、特に一幕ラストのアーニャのソロは聴き応え十分だ。また、ドラマデスク賞に輝いたプロジェクション・デザインを擁する華やかな装置、トニー賞にノミネートされたきらびやかな衣裳など、豪華キャストのほかにも見どころが満載の作品となっている。

文:熊田音子

<公演情報>
ミュージカルアナスタシア

脚本:テレンス・マクナリー 音楽:ステファン・フラハティ 作詞:リン・アレンス 振付:ペギーヒッキー 演出:ダルコ・トレスニャク

出演: 葵わかな・木下晴香 海宝直人 ・相葉裕樹 ・内海啓貴 堂珍嘉邦 ・田代万里生 大澄賢也 ・石川禅 朝海ひかる・マルシア・堀内敬子 麻実れい ほか

【東京公演】
2023年9月12日(火)~2023年10月7日(土)
会場:東急シアターオーブ

【大阪公演】
2023年10月19日(木)~2023年10月31日(火)
会場:梅田芸術劇場メインホール

チケット情報
https://w.pia.jp/t/anastasia-musical-japan/

公式サイト:
https://www.anastasia-musical-japan.jp/

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