ドイツ代表の新監督候補として、ユリアン・ナーゲルスマン氏が有力視されているようだ。11日、『スカイスポーツ』や『ビルト』など複数のドイツメディアが伝えている。

 自国開催のEURO2024を来年に控えるドイツ代表は歴史的大不振に陥っている。グループステージ敗退に終わったFIFAワールドカップカタール2022終了後、6月までに行われた国際Aマッチ5試合を1勝1分3敗で終えると、現地時間9日に行われた国際親善試合では日本代表に1-4で惨敗。試合から一夜明けた10日、ドイツサッカー連盟(DFB)は2021年から指揮を執っていたハンジ・フリック監督の解任に踏み切った。

 現地時間12日に行われるフランス代表との国際親善試合では、ドイツ代表のルディ・フェラーSD(スポーツ・ディレクター)が暫定的に指揮を執ることが発表されているが、DFBは既にフリック前監督の後任探しに着手。前フランクフルト指揮官オリヴァー・グラスナー氏や、かつてドルトムントシュトゥットガルトを率いたマティアス・ザマー氏らの名前が浮上しているが、新監督の最有力候補となっているのはナーゲルスマン氏だという。

 現在36歳のナーゲルスマン氏は、2016年2月にブンデスリーガ史上最年少となる28歳でホッフェンハイムの監督に就任。降格圏に沈んでいたチームを残留に導くと、2年目以降はクラブを史上初のチャンピオンズリーグ(CL)出場に導くなど手腕を発揮した。その後はライプツィヒでクラブ史上初のCLベスト4進出を達成し、2021年にはバイエルン指揮官に就任。2021-22シーズンはチームをブンデスリーガ10連覇に導いたものの、昨シーズンは随所で不安定さを露呈し、3月末に解任の憂き目に遭った。

 しかし、ナーゲルスマン氏は現在フリーとなっているもに関わらず、依然としてバイエルンとの契約を2026年6月末まで残している状態だという。各メディアは、ブンデスリーガ11連覇中の“絶対王者”が資金難のDFBに移籍金を要求する可能性があり、そのことが招へいの障壁になると指摘している。

 また、『スカイスポーツ』の報道によれば、かつてバイエルンヴォルフスブルクを率い3度のブンデスリーガ制覇を経験したフェリックス・マガト氏も母国代表の指揮官就任に意欲を示しているとのこと。選手に高強度のトレーニングを課すことから“鬼軍曹”の異名でも知られている70歳の老将は「DFBは完全に不安定な代表チームを再建できる人物を探している。私は不安定なチームに活力を与え、再び素晴らしいパフォーマンスが発揮できるよう大きな自信を与えることができると思う」などどコメントしている。

ドイツ代表の新監督候補に名前が挙がるナーゲルスマン氏 [写真]=Getty Images