三菱総合研究所(MRI)とアイティフォー(ITFOR)は8月18日に業務提携し、協業を開始した。この業務提携により、両社のもつソリューションを融合し、融資業務に必要な機能の自動化を検討・開発することで、新たな価値をもたらすエコシステムの形成を目指す。

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 今回両社は、金融機関の融資業務で協業する。具体的には、ITFORの個人ローン業務支援システム「SCOPE」に、MRIの「審査AIサービスAPIインターフェース」と「標準与信モデル」を実装し、オプションサービスとしてラインアップする。これによってシステム導入にかかる負担が軽減され、ローコストオペレーションを目的とした自動審査をより多くの顧客が検討できるようになる。

 MRIの審査AIサービスは、従来、人間が行っていた審査の諾否判定を学習したAIモデルをAPIによって金融機関のローン業務システムに連携させることで、審査の自動化を促進するサービス。申込案件ごとにAIが回答する承認確率に基づきワークフローを制御することで、全体の50~80%程度の案件について人間の審査を介さずに自動かつリアルタイムでの承認回答が可能となる。

 また、MRIの標準与信モデルは、住宅ローンと無担保ローンのデフォルトリスクを予測するモデルで、デフォルトリスクに基づく金利や保証料のプライシングを実現することによって、業務効率化と収益拡大を支援する。全国データの大サンプルで構築した安定的で高精度なモデルであり、実績データのない金融機関でも導入が可能となる。

 TFORの個人ローン業務支援システムSCOPEは、住宅ローン審査、無担保ローン審査、途上与信審査に対応しており、ローン申し込みを受付後、個人信用情報機関への照会、照会結果の名寄せや集計、融資条件への適合性や過去の取引状況のチェックなどを自動化するウェブ版パッケージシステム。一連の流れをトータルで管理することができ、審査の効率化を実現する。

 今後は、9月中に仕様を確認し、10月から要件定義・基本設計・詳細設計・開発・テストを実施したうえで、来年3月にローンチすることを目指す。