国際親善試合のスコットランド代表vsイングランド代表が12日にハムデン・パークで行われ、アウェイのイングランドが1-3で勝利した。

ここまでユーロ2024予選のグループAで5戦全勝と絶好調のスコットランド。その勢いにのって臨んだ同国対決では、ロバートソンやティアニー、ギルモア、マッギンといった主力を起用した。

一方、ユーロ2024予選のグループCで5戦無敗の首位に立つイングランドだが、直近のウクライナ代表戦を1-1のドローで終えたことで連勝がストップ。敵地に乗り込んだ同国対決では仕切り直しの勝利を目指した。
サウスゲイト監督はウクライナ戦から先発6人を変更。マグワイアやチルウェル、ヘンダーソン、サカらに代えてダンク、トリッピアー、フィリップス、ラッシュフォードらを起用。[4-2-3-1]の2列目はフォーデンベリンガム、ラッシュフォードが並び、ケインが最前線に入った。

スコットランドサッカー協会の設立150周年を祝う、記念試合として開催された“フットボール史上初の国際試合”の再現カードは、互いに守備に重きを置いた慎重な入りを見せる。その後もボールを握って攻め手を窺うイングランド、カウンターで応戦するスコットランドという構図の下で睨み合いの状況が続く。

両チームともに狙いとする形は窺えるものの、相手の強度の高い守備を上回ることができず。決定機はおろか、なかなかフィニッシュの数が増えていかない。それでも、地力で勝るアウェイチームが個の力でゴールをこじ開ける。

32分、カウンターからフォーデンが右サイドでタメを作ると、中央でのベリンガム、ラッシュフォードの繋ぎからボックス右のウォーカーがシュート性のクロスを供給。これをゴール前に入り込んでいたフォーデンが左足インサイドでコースを変えてゴール左隅へ流し込んだ。

均衡を破ったイングランドは直後の35分に左サイド深くで仕掛けたベリンガムが味方に預けてボックス中央に走り込む。フォーデンの左クロスからゴール前で混戦を生むと、DFロバートソンのクリアミスに反応したベリンガムが冷静に右足のシュートを流し込んだ。

スリーライオンズの若きアタッカーの連続ゴールで一気に動きを見せた試合は、前半終盤にかけてより激しい展開に。球際の攻防を巡って両軍がヒートアップするシーンもあったが、0-2のスコアでの折り返しとなった。

後半はホームで不甲斐ない戦いは見せられないスコットランドが、立ち上がりからアグレッシブな姿勢を示す。前半同様にボールこそ握られるものの、ファイナルサードでは組織的な守備でフィニッシュまで持ち込ませない。

さらに、60分付近には中盤を削ってダイクス、クリスティとより攻撃的な交代カードを切ると、反撃の狼煙を上げるゴールが生まれる。67分、カウンターから中央を持ち上がったロバートソンが味方にボールを預けて右サイドのスペースへ駆け出していく。そして、マッギンからの縦パスを受けてゴール前に鋭いクロスを供給すると、これがクリアを試みたDFマグワイアのオウンゴールを誘発した。

このゴールによって一気にハムデン・パークの温度が上がると、ホームチームは畳みかける攻めで熱狂的なホームサポーターに応える。一方、守勢のイングランドは71分にフォーデンとラッシュフォードの両ウイングを下げてエゼとサカを投入。すると、そのエゼはウォーカーのスルーパスに抜け出していきなりGKと一対一のビッグチャンスを得るが、ここはGKガンの好守に阻まれた。

後半半ばから終盤にかけては記念試合に相応しい白熱の展開となったが、地力で勝るイングランドが試合を決める3点目を奪う。81分、ボックス手前中央でDF2枚を相手に鮮やかなキープからのターンで振り切ったベリンガムがボックス右のケインへ完璧なラストパスを送ると、イングランド代表最多得点者は体勢を崩しながらも見事な左足のシュートをゴール左隅に流し込んだ。

その後、殊勲のベリンガムケインを同時に下げて逃げ切り態勢に入ったイングランドが、冷静にスコットランドの反撃を凌ぎ切り、“フットボール史上初の国際試合”の再現カードを3-1で制した。

スコットランド代表 1-3 イングランド代表
スコットランド
オウンゴール(後22)
イングランド
フォーデン(前32)
ベリンガム(前35)
ケイン(後36)