国際親善試合のドイツ代表vsフランス代表が12日にジグナル・イドゥナ・パルクで行われ、ホームのドイツが2-1で勝利した。

9日に行われた日本代表戦で1-4の惨敗を喫したドイツは、同試合後にハンジ・フリック監督を解任。今回の一戦ではルディ・フェラー氏と共にU-20チームを率いるヴォルフ監督を暫定指揮官に据え、難敵相手に名誉挽回の勝利を目指した。日本戦からは先発3人を変更。シュロッターベック、キミッヒ、ハヴァーツに代えてター、ヘンリクス、ミュラーを起用した。

一方、ユーロ2024予選のグループBを5戦全勝と安定感光るフランスは、来年の本大会の開催地でのテストマッチに臨んだ。2-0で勝利した7日のアイルランド代表戦からは先発6人を変更。負傷離脱のジルーに加え、ムバッペやデンベレ、クンデらをベンチに置き、コロ・ムアニやコマン、サリバ、カマヴィンガらを起用。なお、トディボはこれが待望のレ・ブルーデビューとなった。

左肩上がりの変則的な[4-2-3-1]で臨んだドイツに対して、フランスはコロ・ムアニとグリーズマンを2トップに配した[4-4-2]でスタート。互いに相手の出方を窺う形となったが、早い時間帯にいきなりゴールが生まれる。

開始4分、相手陣内でボールを動かしながら左サイドでリュディガー、ニャブリとのパス交換でボックス内に抜け出した左サイドバックのヘンリクスがライン際からマイナスのクロスを供給。これをボックス中央でうまく収めたミュラーが左足の強烈なシュートでGKメニャンの守るゴールを破った。

幸先よく先制に成功したホームチームは、以降も冷静に試合を進めていく。早い時間帯の同点ゴールを目指すフランスの攻撃をうまくスピードダウンさせながら、攻撃では回数こそ少ないものの、ニャブリやミュラーが着実にフィニッシュまで繋げていく。ただ、20分過ぎには競り合いの際に腰を強く打ち付けた影響か、キャプテンのギュンドアンがプレー続行不可能となり、グロススクランブル投入を余儀なくされた。

一方のフランスはユーロ予選との重要度の違いもあるのか、全体的に動きの量や球際の部分でアイルランド戦のような躍動感を見せられず。それでも、前半30分を過ぎた辺りからカマヴィンガとチュアメニの2ボランチ、テオ・エルナンデスやコマンのサイドプレーヤーがギアを上げ始めると、相手陣内でのプレータイムを増やしていく。

この流れでセットプレーからのチュアメニのシュートやコロ・ムアニのボックス付近での仕掛けで幾度か見せ場を作る。だが、これ以上の失態は見せられないドイツの集中した守備を崩し切るまでには至らなかった。

結局、ドイツの1点リードで折り返した試合は、前半終盤の流れを踏襲する形でフランスが押し込む入りに。なかなか決定機まで持ち込めないアウェイチームだが、57分にはボックス手前のチュアメニが地を這う鋭いグラウンダーのシュートを枠の左隅に飛ばす。しかし、ここはGKテア・シュテーゲンの好守に阻まれた。

64分にドイツはニャブリとミュラーバイエルンコンビを下げてハヴァーツ、ブラントを投入。対するフランスも同じタイミングで3枚替えを敢行。コロ・ムアニとコマンを下げてデンベレ、テュラムとフレッシュなアタッカーをピッチに送り込んだ。

その後、試合は完全にフランスのペースで進むが、ムバッペやジルーといった決定力に優れる前線を欠くデシャンのチャンスは押し込みながらも決定機まで持ち込めない焦れる展開を強いられる。グリーズマンの要所で気の利いたプレーを見せるが、なかなか仕上げの部分に顔を出せない。

結局、最少得点差のまま後半最終盤に突入すると、この時間帯に試合が大きく動く。87分、DFトディボの縦パスをカットしたドイツがショートカウンターに持ち込むと、ハヴァーツからの正確なスルーパスに抜け出したサネがボックス右から正確なシュートをファーポストに流し込む。
これでドイツの勝利は確実かに思われたが、直後にはボックス内で仕掛けたカマヴィンガがサネのファウルを誘ってPKを獲得。これをキッカーのグリーズマンが冷静に右隅へ蹴り込み、瞬く間にスコアを1点差に戻す。

ただ、通常のリーグ戦と異なり後半アディショナルタイムは3分しか取られず、ここから攻勢を仕掛けたフランスに同点ゴールを奪うだけの時間は残されていなかった。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ルディ・フェラー暫定体制で強豪フランスを破ったドイツが6試合ぶりの白星を手にした。一方、敗れたフランスは2023年初黒星となった。

ドイツ代表 2-1 フランス代表
ドイツ
ミュラー(前4)
サネ(後42)
フランス
グリーズマン(後44[PK])