からだの不調にアプローチする方法のひとつとして「筋膜リリース」があります。筋膜リリースは、全身の凝りや痛みなどの不調解消だけでなく、予防効果も期待できる方法です。

今回はそのなかでも「肩こり」解消を目的とした筋膜リリースを、ストレッチとの違いにも触れながらご紹介します。自宅で実践できる内容なので、ぜひ一度チャレンジしてください。

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1.肩こりに効く「筋膜リリース」とは

筋膜は、タンパク質の線維でできた伸縮性のある薄い膜のことで、筋肉を包むものです。一方、リリースは英語で「放す」「開放する」といった意味があり、筋膜リリースは「筋膜のよじれやこわばりにアプローチして、筋膜の委縮・癒着を解消すること」といわれています。(※1)

筋膜のよじれやこわばりが、凝りや張り・痛みの原因になることもあるため、筋膜リリースをすることで肩こり解消も期待できるのです。ストレッチと混同しがちですが、ストレッチは「筋肉の柔軟性を高めて関節可動域を広げる」方法なので、筋膜にアプローチする筋膜リリースとは異なります。

2.肩こりに効く筋膜リリースのやり方

今回はフォームローラー(筒状のフィットネスアイテム)を使うものと使わないものをひとつずつご紹介します。

2-1.壁を利用する筋膜リリース

(1)右脚を前にして両脚を肩幅程度に開き、壁から10〜15cmほど離れて立つ。
(2)左腕を床と平行になるように後ろに伸ばし、手のひらを壁につける。
(3)胸を開いて30秒キープする。
(4)手をななめ上にスライドさせて30秒キープする。
(5)反対も同様に行う。

上半身が前に倒れないよう真っ直ぐに保ちます。可能であれば、はじめのうちは鏡の前で自分のフォームを確認しながら行いましょう。

2-2.フォームローラーを利用する筋膜リリース

(1)横向きに寝る。
(2)左の脇の下にフォームローラーを置く。
(3)右手はおなかの前あたりにつく。
(4)左脚は伸ばし、右足裏をからだの前につく。
(5)上下に小刻みに動くよう、フォームローラーを転がす。
(6)反対側も同様に行う。

脇の下が程よく気持ちいい程度に体重をかけます。床についている右手で、体重のかけ具合を調整しましょう。

なお、(4)が難しい場合は、両ひざを曲げて寝かせたままでもOKです。

3.筋膜リリース&漢方薬の相乗効果 (情報提供:あんしん漢方)

肩こり解消には、筋膜リリースやストレッチなどの外側からのケアに加えて、漢方薬で内側からもケアするのが効率的です。

漢方薬は、からだの悩みに根本からアプローチできるので、肩こりの解消だけでなく、予防の手助けもしてくれます。のむだけなので、忙しい日常にも簡単に取り入れられるのが嬉しいポイントといえるでしょう。

初めて漢方薬を使用する場合は、インターネット相談窓口がある「あんしん漢方」のようなサービスを利用してみるのもおすすめです。

●あんしん漢方

4.肩こりが気になるときは筋膜リリースも試してみよう

筋膜リリースはセルフでもできる動きがたくさんあり、ポイントは「痛気持ちいい」程度の負荷をかけることです。

はじめは想像以上に痛みを感じる可能性もあるので、体重をかけすぎないなど加減をしながら実践しましょう。回数を重ねることで、徐々に痛みもなくリラックスして行えるようになります。

参考サイト
(※1)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「筋膜リリースの効果と方法
(※2)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ桂枝茯苓丸エキス顆粒(医療用)
(※3)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)

[文:あんしん漢方]

<この記事を書いた人>ヨガインストラクター・ライター 高橋かなこ

2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。
自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

<漢方監修>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

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