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欧州のユーザーが主なターゲット

新しいトヨタC-HRは、ベルギー・ブリュッセルに構える技術センター主導で開発されたそうだ。日本の自動車メーカーによる人気モデルだが、欧州のユーザーが主なターゲットに据えられ、生産拠点はこちら側にも設けられる。

【画像】ドラマチックなスタイリング 最新トヨタC-HR 同クラスのクロスオーバーと比較 全123枚

従来的なグローバル・モデルから一歩踏み出し、初代C-HRも欧州市場でのシェア拡大を目指して開発された。そして、しっかり機能した。英国でも売れ行きは好調で、トヨタ車では4番目の支持を集めている。

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トヨタC-HR プラグインハイブリッド(欧州仕様)

しかも、新規顧客の獲得にも効果的だったようだ。現在のC-HRユーザーのうち、59%が他メーカーからの乗り換えだという。

そんな初代の成功は、仕上がりを見れば納得できる。シャープなスタイリングに、クーペ風のルーフラインをまとったクロスオーバーで、市場の嗜好をしっかり掴んでいた。個性的な見た目は、エッジの効いたファミリーカーを欲する若い世代を引き寄せた。

実際、トヨタによると、尖ったスタイリングが初代の成功の鍵だったことが市場調査で示されたとか。もちろん、2代目C-HRでも同じアプローチが取られただけでなく、その方向性は推し進められた。

フランスにあるトヨタのデザインスタジオで、新しいボディは描き出されている。開発責任者は、公道向けのショーカーを作ろうとした、とまで発言している。

ドラマチックな面構成 プリウス似のヘッドライト

果たして、2代目C-HRもかなり個性的。充分に印象的だった初代を、当たり障りのないモデルに見せてしまうほど。面構成はドラマチックで、柔らかなカーブシャープなラインが混在している。

ヘッドライトは、新型トヨタ・プリウスに似たコの字の形状をしており、造形は複雑。フロントノーズの中央が前方へ突き出ているが、これを同社はハンマーヘッドと呼ぶ。ボディカラーは、上級トリムグレードを選択すると、大胆なツートーンも選べるという。

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トヨタC-HR プラグインハイブリッド(欧州仕様)

従来のC-HRで特徴といえたのが、リアドアのハンドルがCピラーと一体になり、目立たないよう処理されていたこと。だがユーザーからのフィードバックを踏まえ、従来的な位置へ戻されている。

それでもボディ面へ馴染むように、フラットに埋め込まれている。1度軽く押し込むと、握れるように飛び出てくる。

バンパーなどには、予め着色されたプラスティックを用いることで、塗装の必要性をなくしている。生産コストの削減だけでなく、製造時に排出されるCO2も大幅に軽減できるそうだ。

ボディサイズは、近年のモデルチェンジとしては珍しく、部分的に小さくなった。全長が35mm短くなり4360mm、全高は15mm縮んで1570mmとなる。しかし全幅は35mm膨らみ、1830mmある。トレッドは、広い方が操縦性が良くなることはご存知の通り。

20インチまで選べるアルミホイールも関係し、前面投影面積は増えている。だが、滑らかなデザインが貢献してか、空力性能は2%改善したという。

知覚品質が大幅に高まったインテリア

ホイールベースは初代と同じ2640mmあり、車内空間は維持された。パノラミックガラスルーフに着色ガラスを用いることで、サンシェードを省きヘッドルーム30mm拡大。リアピラーを覆う内装パネルの形状をえぐり、横方向の広がりも生んでいる。

それでも、リアシート側が広々としたわけではない。膝前の空間は限定的だし、ルーフラインは傾斜し低く、少し閉じ込められたような感覚はある。

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トヨタC-HR プラグインハイブリッド(欧州仕様)

荷室も、容量はまだ明らかになっていないが、観察した限りでは広くない。もっとも、小さな子どもがいる若いファミリー層にとっては、選択を諦めるほどの問題ではないだろう。車内空間を優先するなら、トヨタ・カローラ・クロスを選べばいい。

フロントシート側は、知覚品質が大幅に高まった印象。ダッシュボードには、ドライバーの正面に12.3インチのメーター用モニターが据えられ、中央側には一般的なトリムグレードで8.0インチ、上位トリムグレードでは12.3インチのタッチモニターが備わる。

インフォテインメント・システムのソフトウェアは、トヨタの最新バージョン。エアコンなどには実際に押せるハードスイッチが残され、操作性が犠牲になっていないことが喜ばしい。

運転席の着座位置は、クロスオーバーらしく高め。前後左右の視認性も悪くない。座り心地の良いシートの表皮には、環境へ配慮したリサイクル素材が用いられている。

この続きは、最新トヨタC-HR プラグインHVへ試乗(2)にて。


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