田牧そら主演のドラマ「カメラ、はじめてもいいですか?」(毎週月曜夜10:30-11:00、BS松竹東急)の第11話が9月11日に放送された。藤野(山田キヌヲ)とついに再会したミト(田牧そら)は喫茶店へ向かい、お互いが気まずそうな時間を過ごしていた。藤野はミトに対する想いを徐々に語り出し、止まっていた2人の時間が動き出す――。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】ぬいぐるみを抱きかかえて満面の笑みを見せる田牧そら“ミト”

■「カメラ、はじめてもいいですか?」とは

同作は、2019年より「月刊ヤングキングアワーズ」(少年画報社)にて連載中の同名漫画を実写化した、BS松竹東急オリジナルドラマ。根暗で猫背、自分が好きじゃない女子高生が、隣室の女性にカメラを教わることで新しい世界が開け、周りとともに成長する姿を描く。

カメラに惹かれていく女子高生、池田ミト役を若手女優の田牧そらが、ミトの隣室に住むカメラマンの女性・綿矢チサト役を手島実優が、ミトの同級生で“カメラオタク”の2人、音海モア役と毒島リン子役を村山優香と中村守里が担当する。

そして、ミトの地元にあるカメラ店「ヤエガシカメラ」の店員で、チサトがカメラを始めるきっかけを与えた八重樫ナギ役には根矢涼香、ミトの母親でチサトの写真を扱う雑誌の編集長の藤野恭子役には山田キヌヲ、ミトの父親・池田聡役には斉藤陽一郎が脇を固める。

■藤野と再会したミト、母親としての藤野の本当の想いを知る

ついに再会を果たしたミトと藤野の親子は喫茶店にいた。気まずい空気の中、藤野は「高校はどう?」「一人暮らししてるんでしょ」などと声をかけるが、ミトはなにも答えない。そして藤野は涙をこらえながら「ミトちゃん」と名前を呼びかける。

「元気だった?」「会いたかった」という藤野の言葉にミトがついに口を開く。「どうして今まで会いに来てくれなかったの?」「私のことなんて、もうどうでもよかった?」と藤野に訴えかけると、藤野はミトに謝り、「ミトのことを考えなかった日なんて1日もない、それだけは分かってほしい」と涙ながらに気持ちを伝えた。

藤野は離婚後もミトを1人で育てようとしたが、仕事との両立が難しく、父親の聡に相談したところ「喜んで引き取らせてほしい」と返事があったことを打ち明ける。藤野は聡に“再婚を考えているか”と尋ねたが、それは叶わなかったため“自分ができることは、父親と、新しい家族と新しい人生を送るためにそっと身を引くことだ”と考えたのだという。

そんな藤野に対し、ミトは“寂しかった”と伝えたうえで、「帰ってきてくれたら良かったじゃん」「ずっと待ってたんだよ、お母さんのこと」と、藤野に会いたかったことを涙ながらに訴えた。ミトの想いを知った藤野は再び謝り、ミトに手を差し伸べる。ミトも藤野の本当の想いを知り、手を握り返して涙を流すのだった――。

■ ミトの成長を知った藤野、止まっていた2人の時間が動き出す

その後、公園のベンチでミトは藤野に、チサトが撮ってくれた自分の写真を見せていた。藤野は写真を見ながら「綿矢さん、ミトを撮りたいってこだわってた理由が分かる」と嬉しそうに呟く。

するとミトは、「チサトさん、写真集発売断ったんでしょ?」と切り出し、チサトと出会い写真を撮る楽しさを教えてもらったこと、友達もできていろんな場所に出かけたことを伝え、「チサトさんは、誰かの笑顔のために、自分が真っ先に笑顔でいてくれる人なんだ」とチサトへの想いを口にする。

そして、ミトはチサトに“自分のことは気にしないでほしい”と堂々と伝えるために、藤野に会いに来たことを伝える。「大きくなったね、ミト」と彼女の成長を実感する藤野。そんな中、藤野のもとに1本の着信が入る。ミトが何気なく藤野の携帯電話を見ると、その待ち受け画面には、幼いころのミトと藤野が写っていた――。

藤野は、大切に保存している“父親が毎年送ってきてくれた写真”をミトに見せた。「さっきの写真もほしいな。良い?」と尋ねる藤野に、自分のことを忘れていないということが分かったミトは、笑顔でうなずいた。

藤野は別れ際、雨が降りそうだからとミトに折り畳み傘を手渡す。ミトが立ち去ろうとすると、藤野が大声で名前を呼ぶ。驚いて振り返ると大雨の中、藤野が「ありがとねー!」と大きく手を振っていた。ミトは手を振る藤野を笑顔で写真に収めるのだった。

■「撮りたいものが決まった」ミトの成長とチサトの苦悩

一方その頃、チサトは本屋で自分の写真集を見ながら話す2人の女性に目を向けていた。その女性たちは、最近風景写真から人物写真に切り替えたチサトについて「売れるために路線変更?」などと話す。

その言葉が胸に刺さったのか、チサトは帰宅後、過去に自分が撮影した風景写真の額縁を次々と外し始めた。ちょうどそこにミトが訪ねてくる。ミトは藤野に会ったことを伝えたうえで、「チサトさんが本当にやりたいことを選んでください」と笑顔で伝える。それを聞いたチサトは「ミトちゃんはすごいなぁ」「私なんかいつも自分のことばっかりだ」とため息をつく。

そしてチサトは、孤独を埋めるために始めたカメラも、今は孤独が“お飾り”になっていて、いつそれがバレるかビクビクしているのだと本音を語り出した。期待に応えようとすればするほど堂々巡りになり、ついには“カメラを持つ資格がない”とまで考えていると声を震わせる。

それを聞いたミトは「やっぱりチサトさんはかっこいいです」と発言。チサトが否定すると、「自分の足で歩いてるからそう思う」のだと伝える。続けてミトは、「撮りたいものが見つかりました」「今のチサトさんを撮らせてもらえませんか?」とチサトに尋ねた。

ミトはチサトを撮ることで、チサト自身に彼女のかっこよさを伝えたいことや、“許し合う喜び”、“思い合うことの喜び”、“他愛のない日々が美しいこと”を教えてもらったお礼にチサトを撮りたいのだと話すのだった。

ネット上では、ミトの成長を「1話から想像できない成長ぶり!」などと絶賛するコメントが続出。それと同時に、チサトに対して「チサトのメンタル大丈夫かな…」などと心配の声も相次いだ。

次回が最終回となる第12話では、ミトとチサトが撮影旅行で猿島へ訪れる。ミトがファインダー越しに見るチサトとはどういった存在なのか。また苦悩を抱えるチサトは、ミトと向き合うことでどう変化していくのか…。クライマックスを迎える最終話は、9月18日(月)の夜10時30分より放送される。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「カメラ、はじめてもいいですか?」第11話より/※提供画像