株式会社宝島社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:蓮見清一)が発行する、作家・青山美智子さんの著書が2023年9月14日(木)の重版をもってシリーズ累計100万部を突破します。

青山さんはデビュー作『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞を2020年に受賞。2021年には、続編『月曜日の抹茶カフェ』で第1回けんご大賞、『猫のお告げは樹の下で』で第13回天竜文学賞を受賞(いずれも宝島社)。さらに、2021年から2023年まで本屋大賞に3年連続ノミネートされるなど今話題の作家です。作品はすべて様々な主人公が登場する連作短編集で、多くの人が共感しやすい物語です。

近年は私立中学受験の入試問題でも多数取り上げられており、進学塾では必読書として紹介されるなど注目を集めています。

  • 様々な主人公に自分を重ねて、誰もが共感できる連作短編集

作品はすべて連作短編集で、一話ごとに主人公が異なるのが特徴です。様々な悩みや嫉妬などを抱えた主人公が、知らず知らずのうちに誰かに背中を押され、小さなきっかけから前向きになれるというストーリーで、読者からは「癒やされた」「心がじんわり温まる」「胸の中にあった痛みが和らぐ作品」といった感想が寄せられています。また、世代、年齢、職業などが異なる多様な主人公たちが登場するため、読者は自分に近いキャラクターを見つけて共感しやすく、「これは自分の物語だ」と感想を寄せる人も多いです。

  • 読み返したくなる!人と人との縁が広がり、すべて繋がる連作短編集

青山さんの作品は、すべてのストーリーが繋がっている点も人気です。一つ前の短編で描かれたシーンが、次の短編では別のキャラクター視点で繰り広げられたり、過去作に出てきた脇役が、新刊の主人公になっていたり、繋がりを探すのが楽しいと読者から支持されています。さらに、何話も、何冊も読み進めるとその繋がりの楽しみが広がっていきます。また、登場人物たちでさえ気づかない間に、広がった縁や繋がりによって救われていることもあり、こうした奥行きのあるストーリーが魅力的で、「読み返したくなる」「過去作も読むとより楽しめる」「相関図を書いてみたくなる」など、読者から熱い支持を得ています。

青山さんの作品は、Instagramのフォロワー数378万人超え、NHK連続テレビ小説ひよっこ』のタイトルバック、オープニング映像などで知られる人気ミニチュアアーティスト、田中達也氏が装丁を手掛けています。じんわりと温かい世界観をミニチュアで表現しており、その可愛さに思わず手に取る人も多数います。ストーリーの温かさと見た目の可愛さから、大切な人へのプレゼントとして贈りたい本としても支持されています。

  • 青山美智子(あおやまみちこ)プロフィール

1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。2017年、『木曜日にはココアを』(宝島社)で作家デビュー。

【受賞歴】

『木曜日にはココアを』(宝島社)第1回宮崎本大賞

『月曜日の抹茶カフェ』(宝島社)第1回けんご大賞

『猫のお告げは樹の下で』(宝島社)第13回天竜文学賞

『お探し物は図書室まで』(ポプラ社)2021年本屋大賞2位

『赤と青とエスキース』(PHP研究所)2022年本屋大賞2位

『月の立つ林で』(ポプラ社)2023年本屋大賞5位

  • 中学受験のプロに聞いた!~青山作品が支持される理由~

【解説:PICCOLITA代表齊藤美琴(さいとうみこと)】

PICCOLITA(ピッコリータ)代表。中学受験のコーチングをメインに、教科指導、幼稚園・小学校受験の相談など、家庭の力を引き出すレッスンを行う。SAPIXの個別指導部門・プリバート東京教室での国語科専任講師、ジャック幼児教育研究所(四谷教室)での講師を経てフリーランスとして独立。読解トレーニングときめ細かい学習コーチングに定評がある。自身も黎明期のSAPIX生として中学受験を経験し、慶應義塾中等部へ進学。WEBメディア「中学受験のアトリエ」で読書コラムを連載中。

【青山作品が入試に出題されるポイント】

  1. 中学受験で「家族愛」は頻出のテーマ。家族間の愛情を描いた短編が多数ある。

  2. 家族や仕事に悩む大人の心情を描いた青山作品を理解するのは、小学生にとって難易度が高い。

  3. 多様性が求められ、他者と繋がりが薄くなりがちな現代社会において、他者を受け入れ認めることや、縁、絆を大事にして主人公が成長する青山作品は、中学受験にぴったり。

  • 「家族愛」は中学受験で頻出のテーマ。大人の心情を理解するのは難易度が高く、難関校での出題が多い!

中学受験では「家族の愛情」というテーマが頻出します。男子最難関校の開成では、青山作品から専業主夫とキャリアウーマンが登場する「きまじめな卵焼き」が出題されました。他の中学校では、保育士や老舗和菓子屋の孫と祖母の話が取り上げられました。共通して、登場人物たちは皆、小学生にはなじみのない人たちで、家族関係や仕事に悩む大人の心情は、12歳の小学生には自然と共感、理解できるものではありませんから、「読む力」を見るのに良いと思います。また、同年代が主人公の物語よりも読みの難易度が上がり、私立難関中学での出題も多いと考えられます。

  • 多様性が求められたり他者との繋がりが薄かったりする現代社会で、「ありのままの他者を受け入れる」「人と関わることでの成長」というテーマは中学受験にぴったり

昨今の時世を表す言葉の一つとして「多様性」が挙げられると思いますが、様々な主人公たちが悩みを抱えるなか、ありのままの自分や他者を受け入れ、認めることによって解決し、繋がるというのは今の時代ならではの物語といえます。また、青山さんご本人もよくおっしゃる、縁や絆、繋がりを大事にすることは、他者との繋がりが薄くなりがちな現代社会で、「人と関わることでの気づき、成長」というテーマで中学受験と相性がよいと考えています。

  • 中学受験は「幼さとの戦い」。青山作品を通して共感力、類推力を伸ばす

中学受験は「幼さとの戦い」と言われることがあるのですが、やはり青山さんの文章を読み解くためには、ある程度の精神年齢の高さが必要になってくるのではないかと思います。国語の問題は、成長と共に高まる共感力、類推力があると解きやすくなります。青山さんの作品に限らず、本を通して、今まで考えたこともなかったような立場の人の心情を知ることは大きな経験だと思います。学校側としては、入試ではあくまでも読解の力を見たいのだと考えますが、それでもこういった文章がすんなりと読める子がほしい、読めて欲しいというメッセージとして受け止めるべきと思っています。

配信元企業:株式会社 宝島社

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