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航続距離800~1000km スポーツモデルも視野

トヨタは次世代EVを2026年に導入する予定で、航続距離800kmを実現し、現行のbZ4Xよりコストを最大40%削減した新しいバッテリーを搭載するという。欧州部門トヨタ・モーター・ヨーロッパが9月14日に発表した。

【画像】トヨタ次世代バッテリーで「大逆転」目指す【現行のトヨタbZ4Xを写真で見る】 全39枚

航続距離重視のリチウムイオンバッテリー「パフォーマンス版」と手頃な価格重視のLFP(リン酸鉄リチウムバッテリー「普及版」の2種類が用意され、EVユーザーの裾野を広げる。

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トヨタは航続距離とコストの両面に対応したバッテリーを投入する。    トヨタ

2027-2028年には、航続距離1000kmを実現するリチウムイオンバッテリー「ハイパフォーマンス版」が登場。トヨタによると、コストはさらに10%低くなるという。

BEVファクトリーのプレジデントである加藤武郎氏は、「エンジンにさまざまな種類があるように、バッテリーにもさまざまな選択肢が必要になる。さまざまな車種やお客様のニーズに対応したバッテリーソリューションを提供することが重要」と語る。

トヨタ2030年までに世界で350万台のBEVを販売する計画で、そのうち170万台がこれらのバッテリーを使用する。効率を最大化するために、バッテリーの高さを低くすることで空気力学的に優れた車体設計を目指すという。

現行のbZ4Xでは、バッテリー高は約150mmだが、次世代モデルでは120mmまで下げられる見込み。トヨタはまた、バッテリー高100mmの「高性能スポーツモデル(原文=high-performance sports vehicles)」の量産化も示唆している。

第2世代の全固体電池は1200km目標

トヨタ2027-2028年までに全固体電池(現在のリチウムイオンバッテリーのように液体ではなく、固体電解質を使用することからこう呼ばれる)の実用化を目指している。

前述のハイパフォーマンス版リチウムイオンバッテリーが10~80%の充電に20分かかるのに対し、全固体電池では10分で済むとされる。さらに2028年以降の第2世代全固体電池では、航続距離1200kmを目標としている。

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次世代バッテリー2026年から、全固体電池は2027-2028年の実用化を目指す。    トヨタ・モーター・ヨーロッパ

全固体電池が導入されれば、サイズや重量のペナルティを抑えつつ、航続距離を大幅に伸ばせるようになる。

トヨタは2021年、15台のEVコンセプトカーを一挙に発表して衝撃を与えたが、その中にはかつてのMR2を模した2シーター・スポーツカーもあった。レクサスLFAの後継となる電動スーパーカーは、全固体電池を使用する可能性が高いとしている。

また、魅力的なドライビング体験を目指し、量産EVとしては初の試みとなるマニュアル・トランスミッションの導入も視野に入れているようだ。


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