コーヒーには様々な健康効果があるといわれているが、その効果を得るためには適量を知る必要がある。
新たに発表された研究によると、毎日2~3杯のコーヒーを摂取する人はうつ病と不安症になるリスクを最も低かったことがわかったという。
ただし、毎日6杯以上コーヒーを飲んでいる人は、これらの精神疾患になるリスクが増加するそうだ。
これらの結果は豆から挽いた一般的なコーヒーを飲んだ場合で、ミルク入りでも同様の結果だったという。
この研究は『Psychiatry Research』誌に発表された。
【画像】 コーヒーはうつ病や不安症などの精神疾患にも有効なのか?
うつ病と不安症はどちらも、世界中で上位にランクされている精神疾患だ。
これまでの研究では、適量のコーヒーは死亡リスクを下げたり、認知機能をアップしてくれたりと、体に嬉しい効果があることが明らかになっている。
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だが、実は、コーヒーの主要成分であるカフェインは、心の健康にもいいだろうと考えられている。
そこで今回、中国の杭州師範大学をはじめとする研究チームは、イギリスの大規模データを利用し、コーヒーにうつ病や不安症をも防ぐ効果があるのかどうか調べてみた。
適量のコーヒーがうつ病や不安症になるリスクを低下させることが判明
コーヒーといっても、豆を挽いていれたものから、インスタントやカフェインレスまで様々だ。人によっては、ミルク・砂糖・人工甘味料を入れたりすることもあるだろう。
こうしたコーヒーを飲む習慣と心の健康との関係を探るために、研究チームは生体・行動・遺伝的情報が網羅された英国バイオバンクからデータを入手し、およそ15万人分のデータを分析した。
その結果判明したのが、やはり適量のコーヒーならばうつ病と不安症になる危険性が下がるということだ。
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分析対象となった人たちのうち、81%にコーヒーを飲む習慣があった。そのうち41%が毎日2~3杯、28%が1杯、そのほかはそれ以上飲んでいた。
そして、その中でうつ病や不安症に一番なりにくかったのは、毎日2~3杯飲む人たちだったのだ。
一方、毎日6杯以上コーヒーを飲んでいる人たちでは、かえって病気になる危険性が高くなった。コーヒーが心にいいとしても、飲み過ぎはダメだということだ。
1日2~3杯の挽いたコーヒーを飲むのがベスト
適量は1日2~3杯で、できるならば豆を挽いていれたコーヒーを飲むと最も高い効果が得られるという。
インスタントコーヒーの場合、うつ病になる危険性は下がるのだが、不安症の危険性には変わりがなかったそうだ。
また飲むなら無糖か、ミルク入り(カフェオレなど。コーヒーフレッシュはミルクではないので注意)がいいようだ。
無糖のコーヒーを毎日1~3杯飲むと、うつ病と不安症の危険性は下がる。ところが砂糖や人工甘味料で甘くしたコーヒーを飲んでも、健康的な効果は確認されなかったそうだ。
まとめると、うつ病や不安症から心を守るために一番いいのは、「豆を挽いていれたコーヒー・ミルクコーヒー・無糖コーヒーを1日に2~3杯飲む」ことだ。
ただし研究の限界も
こうした結果は、適量のコーヒーが心の健康を守ってくれるだろうことを裏付けている。
ただしコーヒーを飲む量が自己申告によるデータで、ある一時点でしか調べられていないという、研究にはつきものの限界もある。
カフェインに対する耐性も人によってそれぞれだし、まあ、そんなわけで、コーヒーが体にいいことを頭の片隅に置いておくとしても、あまり堅苦しく考えず、気軽にほろ苦い風味を楽しむといいんじゃないだろうか。それが一番健康的という気がするんだ。
References:The association between coffee consumption and risk of incident depression and anxiety: Exploring the benefits of moderate intake - ScienceDirect(論文) / written by hiroching / edited by / parumo
Individuals drinking 2-3 cups of coffee per day have the lowest risk of depression and anxiety
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