後藤久美子武井咲が、2024年新春に放送予定の「松本清張ドラマスペシャル『顔』」にて、W主演を務めることが発表。9月13日に都内で会見が開かれ、後藤と武井が登壇した。同ドラマは、松本が1956年に発表した短編小説「顔」を現代版として描く。武井が演じるのは、音楽界を席巻する覆面アーティスト・井野聖良(いのせいら)。美しい顔と歌声を持ちながら、「殺人犯」であるため、「顔を出さないこと」を条件にアーティスト活動をする、という役どころ。一方、後藤は、人権派の弁護士・石岡弓子を演じる。殺人を犯した現場から立ち去る聖良を唯一目撃していた人物で、ある出来事をきっかけに聖良と再会することになる。

【写真】会見中に楽しそうに話す武井咲と後藤久美子

後藤久美子「根本的な骨組みを活かして膨らませた物語」

冒頭、後藤が「内容はかなりアレンジされており、『顔』という小説の柱となる部分、根本的な骨組みを活かして膨らませた物語です。松本清張ファンはたくさんいらっしゃると思います。そういう方々の期待を裏切らない物語に、脚本の浅野妙子さんが書き上げてくださいました。それぞれの役柄を通して、人として生きていく上での喜び、そして苦しみ、そんなことを視聴者の皆さまと共有できたらいいなと思っております」とあいさつ。

続いて、武井は「今回、後藤久美子さんとご一緒させていただくことになり、それだけでも喜びと緊張といろいろな気持ちがある中で、それが松本清張作品ということで、ますますうれしく思っています。『黒革の手帖』はたくさんの方々に声をかけていただくきっかけとなった作品ですが、今回はまた違った松本清張作品の違った役で、アップデートされた『顔』という物語がたくさんの方々に伝わったらいいなと思っています」と語った。

武井咲「久しぶりに現場に立つと感覚が戻ってきて心地よくて…」

また、30年ぶりのドラマ出演となる後藤は、「そんなにも長い時間という感覚もなく、あっという間に過ぎ去った日々でした。どんなものが作れるのかというワクワクする気持ちと、できるのかなという気持ちといろいろな気持ちが渦巻きながらも、まだ時間があるから大丈夫かなと思っていたら、気づいたらもうクランクインでした。…頑張ります(笑)」とドラマ出演への気持ちを語った。

一方、3年ぶりのドラマ出演となる武井も「自分の感覚としては3年も経った気がしないほど、あっという間に過ぎていたのですが、やはり久しぶりに現場に立つと感覚が戻ってきて心地よくて、スタッフさんや近くにいる人にどんどん話しかけちゃったりして、現場って楽しいなと思いながら過ごしています」と撮影の感想を明かした。

さらに、武井との共演について後藤は「今回こうして一緒にドラマを作ることができて、とてもうれしく思っています。以前よりも落ち着いた、それでいて輝きが増した咲ちゃんとご一緒するのが楽しみです」と話し、武井も「本当にうれしいです。10年ほど前にCMの撮影で海外に行った際にお会いしたのですが、その時以来だったので、今でも心臓の音が聞こえるくらい緊張しています(笑)。それと同時に、不思議と心強い、家族のような温かい気持ちも感じています」とコメント。

後藤久美子「ここ何年も「幽霊会員」状態でして…(笑)」

30年ぶりに出演を決めた理由を聞かれると、後藤は「非常に私事になりますが、私、オスカープロモーション所属歴40年なんです。でも、ここ何年も“幽霊会員”状態でして…(笑)。いつも事務所に会長、社長に会いに遊びに行くと、子育て相談所みたいな感じになっていたんです。この辺りで会長と社長と、もっと仕事の話で盛り上がる場を持てたらいいなと思って、それで仕事をしようと決めたわけです(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。

そして、“松本清張作品”への印象という質問に対して、武井は「『黒革の手帖』をやらせていただいたときは、悪女ってこんなに気持ちいいものだったんだ、と思わせてくれる役柄でした。今回はずっと息が苦しいような役で、自分が溜めていた思いを後藤さん演じる弓子に出会って、どう変化していくのかという役だと思うので、今はそれを思いっきりぶつけるときまで我慢している日々です(笑)」と答えた。

武井咲「一瞬一瞬をかみ締めながら、撮影を頑張りたい」

さらに、後藤も「とても重いです。しっかり理解しながら読み込まないと、理解できない小説を書く作家さん、という印象です」と“松本清張作品”を話し、「そんな松本清張の『顔』という作品を今回のドラマの脚本では、日常での出来事やサスペンス要素もあり、非常にうまく現代風にアレンジしていると思います」と今作の魅力を語った。

最後に、武井が「後藤さんと共演させていただける夢のようなこの作品。一瞬一瞬をかみ締めながら、撮影を頑張りたいと思っています。たくさんの方に楽しんで見ていただけるようなすてきな作品に仕上げたいと思っていますので、どうか皆さまよろしくお願い致します」と視聴者にメッセージを残し、後藤も「武井咲後藤久美子の共演作、第1ラウンドです。松本清張『顔』、よろしくお願いします」と呼びかけ、会見は終了した。

武井咲と後藤久美子/※ザテレビジョン撮影