明治安田生命J1リーグ第27節が15日に行われ、川崎フロンターレFC東京が対戦した。

 両チームが勝ち点「33」で並んだ状態で迎える今シーズン2度目の“多摩川クラシコ”。5月に『国立競技場』にて行われた前回対戦の雪辱を期す川崎Fは、直近のリーグ戦で6試合勝利なしと苦戦が続いている。本拠地で久々に勝ち点「3」を獲得し、19日に控えるAFCアジアチャンピオンズリーグ(CL)初戦へ弾みをつけることができるだろうか。

 対するFC東京リーグ戦では3試合勝利から遠ざかっており、YBCルヴァンカップでもアビスパ福岡に敗れベスト8敗退。15年ぶりの“多摩川クラシコ”シーズンダブルを達成し、浮上のきっかけを掴みたいところだ。川崎Fは初先発のバフェティンビ・ゴミスが家長昭博、マルシーニョとともに前線を形成。FC東京はアダイウトンや仲川輝人、東慶悟らがスタメンに名を連ねた。

 序盤は両チームがチャンスを作る。川崎Fは2分に右CKを獲得すると、脇坂泰斗のキックをゴミスが頭で逸らし、ファーサイドでマルシーニョが押し込みにかかるも枠を捉えきれず。対するFC東京は7分に渡邊凌磨がボックス内で胸トラップから右足を振り抜いたが、威力を欠いたシュートは川崎FのGKチョン・ソンリョンにキャッチされた。

 その後はボール保持率で上回る川崎Fがやや優勢に試合を進める。27分にはボックス内中央のゴミスが反転からシュートを放つも、DFのブロックに阻まれた。集中した守備対応を見せていたFC東京は32分にチャンス到来。敵陣内でこぼれ球を回収したエンリケ・トレヴィザンがボックス手前から左足を振り抜くも、強烈なシュートはGKの好セーブに阻まれた。川崎Fは39分、脇阪の左CKから家長がヘディングでネットを揺らすも、ゴール前の山根視来がオフサイドポジションにいたとしてゴールは認められず。前半はこのままスコアレスで折り返した。

 迎えた後半、54分に川崎Fが速攻から先制に成功する。自陣ボックス手前でボールを受けた脇坂がFC東京のプレスを交わし左サイドへ大きく展開。ボールを受けたマルシーニョが巧みなステップのドリブルでボックス内左へ侵入し、最後は右足の狙い澄ましたシュートをゴール右下隅に流し込んだ。マルシーニョは今シーズン初ゴールとなっている。

 ビハインドを負ったFC東京は59分に決定機。自陣でのボール奪取から素早く最前線へ展開し、アダイウトンがドリブルからボックス内右へスルーパスを送る。しかし、至近距離からのシュートはGKチョン・ソンリョンの好セーブに阻まれた。川崎Fは直後にFKのリスタートからマルシーニョがチャンスを迎えるも、GKヤクブ・スウォビィクが対応し追加点とはならず。71分の橘田健人のミドルシュートも枠の左へ外れた。

 その後FC東京は次々とフレッシュな選手を投入するも、なかなか効果的な攻撃を繰り出すことができない。一方の川崎Fも選手を入れ替えつつゲームを締め括りにかかる。結局、試合はこのまま1-0で終了し“多摩川クラシコ”を制した川崎Fリーグ戦7試合ぶりの勝利を手にした。敗れたFC東京リーグ戦4試合勝利なしとなっている。

 次節、川崎Fは24日にアウェイで湘南ベルマーレと、FC東京は23日にホームでサガン鳥栖と対戦する。

【スコア】
川崎フロンターレ 1-0 FC東京

【得点者】
1-0 54分 マルシーニョ(川崎フロンターレ

決勝ゴールを決めたマルシーニョ [写真]=金田慎平