2023年9月15日(金)KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて、KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『アメリカの時計』が開幕し、長塚圭史の初日コメント・舞台写真が届いたので紹介する。

(左から)中村まこと、シルビア・グラブ、大谷亮介、矢崎広     撮影:宮川舞子

(左から)中村まことシルビア・グラブ、大谷亮介、矢崎広     撮影:宮川舞子

(手前中央左から)斎藤瑠希、瑞木健太郎     撮影:宮川舞子

(手前中央左から)斎藤瑠希、瑞木健太郎     撮影:宮川舞子

2023年度メインシーズン「貌(かたち)」開幕を飾る演劇公演となる本作。アーサー・ミラーが1980年、65歳の時に発表された作品で、同年、サウス・カロライナ州チャールストンのスポレットフェスティバルで初演後、ブロードウェイでも上演された。本作は、20世紀初頭、大恐慌によって未曽有の混乱に落ちたアメリカと、ある家族の年代記(クロニクル)を描く。

(手前左から)天宮良、武谷公雄、中村まこと、田中佑弥、斎藤瑠希     撮影:宮川舞子

(手前左から)天宮良、武谷公雄、中村まこと、田中佑弥、斎藤瑠希     撮影:宮川舞子

(左から)矢崎広、天宮良、中村まこと、シルビア・グラブ     撮影:宮川舞子

(左から)矢崎広、天宮良、中村まことシルビア・グラブ     撮影:宮川舞子

(左から)河内大和、矢崎広     撮影:宮川舞子

(左から)河内大和、矢崎広     撮影:宮川舞子

本作は、50数名に及ぶ登場人物を、たった13人の役者で上演するのも、見どころのひとつ。主人公の一家・ボーム家の息子リー・ボームを演じるのは、矢崎広。母親のローズ・ボームには、シルビア・グラブ。父親のモウ・ボームに中村まこと、祖父に大谷亮介、そして全編に登場する語り部に河内大和、複数の役を演じる俳優たちに天宮良をはじめ、魅力と情熱にあふれた俳優陣が集結した。

(手前中央)矢崎広     撮影:宮川舞子

(手前中央)矢崎広     撮影:宮川舞子

(後方左から)中村まこと、矢崎広、大久保祥太郎(手前左から)武谷公雄、斎藤瑠希     撮影:宮川舞子

(後方左から)中村まこと、矢崎広、大久保祥太郎(手前左から)武谷公雄、斎藤瑠希     撮影:宮川舞子

本公演は、10月1日(日)までKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演。

(後方左から)シルビア・グラブ、佐々木春香、関谷春子(手前左から)斎藤瑠希、大谷亮介        撮影:宮川舞子

(後方左から)シルビア・グラブ、佐々木春香、関谷春子(手前左から)斎藤瑠希、大谷亮介        撮影:宮川舞子

長塚圭史[演出] コメント

カタチのないものを信じ、多くを託し、預け、委ねている現在にこの戯曲がどう響くのか。またこの終わりなき資本主義社会にこの劇が今何を語るのか。初日が開けた今もまだ確かなことは言えませんが、なぜ今この劇を上演するのかと日々問い続けながら歩みました。どちらかというとアーサー・ミラー作品の中でもあまり注目されてこなかった、どちらかというととっつきにくい史実を扱った、どちらかというと歪な構造のこの『アメリカの時計』ですが、過去と現在とを結びつけ肉付けしてゆく俳優陣、柔軟で迅速なスタッフと共に丁寧に紡ぎました。社会劇としての魅力もありますが、ボーム家のように、近くこのようなことが我が身に降りかかるのではないかと夢想しながらSF劇として観るのもまた一興、いやちょっと恐ろしいか。

(左から)矢崎広、シルビア・グラブ