筆者の第二子は、生後四ヶ月になる。子どもの成長はとかく早いものだが、赤ちゃんの成長も日一日と実感できる。夜寝て、朝起きてみると、なんだか一回り大きくなっているように感じられることがあるほどだ。

生後四ヶ月なので、離乳食を始めるにはまだ早い。となると当然、第二子は今のところ母乳とミルク以外口にしたことがないわけだが、それだけで食事も水分摂取も行い、どんどん成長しているのだから、母乳・ミルクの栄養価の高さがうかがい知れる。

ところが我が家の赤ちゃん、母乳やミルクだけでは物足りないのではないかと感じさせることが時折ある。というのも、親が食事をしているときに限って「いっしょに食べたい」といわんばかりに大泣きしたり、料理を見てはヨダレをダラーっと垂れ流すのだ。

母乳とミルク以外口にしたことのない赤ちゃんが、料理に食欲を感じるのだろうか? 親が食べているのを見て、自分も食べたくなるものなのだろうか? さらに興味深いのは、親の好物にはヨダレダラダラなのにも関わらず、あまりおいしくない料理にはヨダレを出さないようなのである。何コレ? 赤ちゃんにも料理の好き嫌いがあるってこと?

筆者は、「コネタ」で度々第二子を実験台として利用してきた(下記の「関連記事」参照)。大きくなってこの事実を知ったら、第二子は怒るかもしれない。不信感を抱くかもしれない。「親父は結局、子供より仕事が大切なんだな」とか思うかもしれない。けど、これがキミのお父さんの仕事なのだ。わかってくれ、第二子。

というわけで、実験してみる。まずは、筆者も妻も大好きな焼きジャケ。我が家では、朝食でも夕食でも良く食べる。筆者は、身だけでなくパリッと焼けた皮も大好きである。この焼きジャケをハシで持って、第二子の顔に近づけると……。

ダラッダラッ。ヨダレ、ダラッダラッである。焼きジャケを目にした第二子、口にアワをブクブクとためて。それから、ヨダレ、ダラッダラッ。間違いない。この赤ちゃん、焼きジャケに食欲を示している。

立て続けに、筆者の好きなシュウマイ、妻の好きなカボチャの煮物を第二子の顔に近づけてみると……。やっぱりだ。アワ、ブクブクヨダレ、ダラッダラッ。コイツ……。やっぱり親の好きなものは好きということか……。

では、マズイ料理や親の苦手な食べ物はどうだろう。筆者が食べようと思ってつくったものの大失敗したコゲコゲのチャーハンを、スプーンに取って第二子に近づけると……。ヨダレは出ず! というか、不快そうな表情! まあこれは、コゲくさいニオイがイヤだったということかもしれないが……。

次に、筆者も妻も苦手なニンジンのグラッセ。友人などは「甘くて栄養もあって、大好き!」と言うが、どうもニンジンの濃い味わいが苦手なのである。第二子よ、キミはこの料理、どうだい……? ヨダレは出ず! 不快な表情こそ見せなかったが、ヨダレ反応も無かった。

出産前から第二子を診てくれている知人の助産師に話を聞いてみたところ、「早い赤ちゃんだと、生後五ヶ月くらいから離乳食を始めます。親の食事を見てヨダレを流したり、口をモゴモゴしたり、“食べたいよ!”といって泣くのは、離乳食への準備を整えている証拠。本能的に、お料理に対して食欲を感じるのでしょう」とのことであった。

ちなみに、マズイ料理や親の苦手な食べ物に反応を示さなかった点に関しては何とも言えないらしいが、やはりおいしそうな料理の方が食欲の反応は良いようである。そしてまた、親子の食の好みが似るのは良くあることだとか。

上の子が赤ちゃんのときには見せなかった、この食欲。食べることが大好きな両親のように、きっと第二子も食いしん坊になるのだろう。これまた筆者の大好物である焼きトウモロコシを、脇に抱いた第二子に近づけてみると。口を開けて、顔をぐらんとトウモロコシの方に近づけてきた。おっと、まだ早いぜ。もうすぐ離乳食が始まるから、ちょっと待ってね。
(木村吉貴/studio woofoo)

焼きジャケを見て、ヨダレブクブク、目もウットリ。