これからの活躍が期待される新人声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「新人声優図鑑」。

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 第42回となる今回は、『アイドルマスター シンデレラガールズ』の多田李衣菜役などを演じる青木瑠璃子さんです。

――では最初に、声優を目指したきっかけを教えてください!

青木:いくつかありますけど、これ! っていう決定的なものはなくて。小さい頃からゲームが好きで、弟や従兄弟と一緒に、よくセリフをしゃべりながらゲームはしていました。で、中学や高校生になると将来の夢を意識するじゃないですか。でも、OLさんとか、どこかに勤めている自分は想像できなかったんですよね。何か声を生かした仕事がしたいなぁとは考えていたので、アナウンサーを意識して、高校のときに放送部でナレーション的なものをしたことはありました。どちらにしても特殊なお仕事ですし、可能性は広く持っていたいと思いながら、放送関係を目指して大学に行き、あるきっかけでオーディションを受けて…現在に至ります(笑)。養成所や専門学校に行って基礎を学ぶことがなかったので、現場では皆様に助けていただいています。

――TVアニメでは『それでも世界は美しい』ランラ役を演じていましたね。

青木:はい。ニケ姫を支える女官のランラ役で出演させていただきました。現場は、ベテランの先輩方が揃っていることもあって、良い意味でピリッと緊張感がありつつ、みなさんすごく気さくに演技の指導をしてくださって。若手を引き上げつつ、丁寧に作品づくりをしている現場でした。

――『アイドルマスター シンデレラガールズ』の多田李衣菜役は、なにかと言動が気になるキャラですね(笑)。

青木:そうですね(笑)。彼女は“にわか”と言われていて、ギターの知識がないのにギターをアツく語ったり、昨日知ったばかりのことも、ずっと好きだったように語ってみたりする、可愛いおバカさん的なキャラです(笑)。じつは私、最初から李衣菜のオーディションを受けていたわけではないんですよ。他の、元気なタイプのキャラクターを受けていたのですが、「無理してるでしょ!」と言われまして(笑)。それで、「この役をやってみたら」と勧めて頂いたのが李衣菜だったんです。だから、よく李衣菜は元気なイメージだと言われることが多いんですけど、私はそこまで元気とは思っていないんです。属性もクールですし。

オーディションのときに見た資料も、制服でカッコをつけてるような絵でしたし、そのときは“にわか”だとは知らなかったので、クールめなお芝居をしていたんですが、役が決まって収録を始めると「あれ? 私が思ってたのとは違う!?」と気づかされました。そしてこの役を勧められたってことは、私は普段からポンコツ臭を漂わせていたんだなと・・・隠しているつもりだったのに(笑)。でも、正直言うと、李衣菜の“にわか”は私も似ている部分がありますね。

――今年2月のさいたまスーパーアリーナでのライブ、4月の『アイドルマスター シンデレラガールズ』のファーストライブと立て続けに出演されましたが、ステージを終えての感想は?

青木:2スーパーアリーナ(SSA)公演が終わってすぐに、ファーストライブの準備に入ったので、シンデレラガールズのファーストライブというよりは、テンションの高いまま2つのステージに立たせていただいたような感覚です。シンデレラのファーストライブには、SSAに出たメンバーもそのままに、そこに5~6人が更に加わっていました。

――ライブに参加して、楽しかったことは?

青木:やっぱり、プロデューサーさんたちの声を聴くことです。ライブではイヤーモニター(※収録した音声や音響をチェックするために使用するヘッドフォンの一種)を入れているんですが、プロデューサーさんたちがすごく大きな声援をくださるので、耳に届いてくるんですよね。本来のイヤモニの使い方を考えると、上手に歌うためには聴こえないほうが良いのかもしれませんが、やっぱり歓声が聴きたくなってしまうというか。一緒にライブをしてる! って実感ができるんです。私の場合はそんな楽しさを感じているので、これからも同じ環境でライブができたらいいなあと思っています。

――ツイッターでは、ほかの声優さんとのやり取りも多いですね。高森奈津美さんとか…。

青木:奈津美先輩は、アイドルマスター シンデレラガールズがきっかけで、仲良くしていただいています。すごく気楽に話せる方で、奈津美先輩も、お会いするたびに「瑠璃子と一緒で良かったー!」と言ってくださるので、嬉しいですね〜。この間は、カフェで一緒に大乱闘を繰り広げましたよ!

――えっ!? カフェで大乱闘!?

青木:そうです。びっくりしました(笑)? 『大乱闘スマッシュブラザーズ』を一緒にプレイしたんです。いつも一緒にゲームをしているというわけではないのですが、発売日直後だったこともあって、一緒にやろうー!ということになりまして。

――他にも、杉田智和さんがちらほらご登場したり…。

青木:杉田さんとは現場でご一緒したり、全然別の場所でもたまたまお会いしたことが何度かありまして。「杉田さん、おつかれさまです」とお声を掛けたら、「おう」って返してくれた後、「青木くんの飼ってるハムスターアレックスっていう名前だけど、ガンダムにもアレックスがいるから、ガンダムプラモを買って、2ショットを撮って、ツイッターにあげて!…じゃ、急いでるから、今度ご飯でも食べよう!」って、それだけ言って去って行かれたことがありました。指令に従って、初めてガンプラを作ってツイッターにあげました(笑)。

――青木さんといえば、ゲーマーという呼び名も高いですね! ぜひ、これまでの“ゲーム歴”を教えていただけませんか?

青木:初めてゲームをしたのは2歳か3歳の頃で、ファミコン版の『ドラクエ』や『マリオ』をプレイしていました。世代的にはスーファミのはずなんですが、お父さんが会社からもらってきたファミコンが家にあったようで。でも、ファミコンってセーブができないんですよ。ちょっと本体を揺らすとブーッて止まって、泣く…みたいな。ドラクエは「なんとか、へもぐろびん」みたいな復活の呪文が出ましたけど、それでも、お母さんと一緒にプレイしていたら、紙をなくされて、また泣いて…(笑)。

そんな感じで、生活のなかに自然とゲームがあり、物心ついたときには鉛筆より先にコントローラーを持っていたのではないかと(笑)。後々、こんなに私に影響を与えるとは思いもせず。周りに女の子がいなかったことも大きかったと思います。その頃から、いつも一緒に遊んでいたのは、弟、幼なじみ、年齢が近い従兄弟と男の子ばっかりで。おもちゃも、従兄弟からもらったウルトラマンゴジラのフィギュアとか、戦隊モノとか。本当は、女の子的なおもちゃも欲しかったんですよ! でも、周りに女の子がいないと、なかなか買ってもらえないんですよね。

――では、その後もゲーム期は続いたと。

青木:ますます盛り上がりました。セガサターンプレステもやりましたが、NINTENDO64が出始めてからは、64にハマりました。4人でプレイするのにちょうどいいんですよ。学校から帰ると従兄弟のおうちに行ってプレイしてましたね。スマブラ大乱闘スマッシュブラザーズ)とか…、他にも『スターフォックス』『ゴールデンアイ』『ドンキーコング』『ディディーコングレーシング』『F-ZERO X』あたりを。ゲームしかやってなかったなぁ。

――では、最近気になっているゲームは?

青木:じつは様子見をしていて、まだ買っていないハードがあるので…あまり大きな口が叩けないんですけど(笑)、『タイタンフォール』っていうゲームがすごく面白いです。普通のFPSって、人間対人間の場合、自分が兵士になって走ったり、改造人間になるくらいで、あくまで自分は人間サイズなのですが、『タイタンフォール』は、ロボットみたいなタイタンを呼んで、それに乗ることができるんですよ!あえて人間だけでプレイする人もいますし、タイタンを早く呼んで人をたくさん倒す人もいます。

で、タイタンを呼ぶときに、タイミングがいいと人間の上にタイタンを落として相手を倒すことができるんですよ。ほぼ偶然なので、狙うことはできないんですが、それが面白くて。逆に、それで倒されるとすごく悔しいです。事故でやられたけど? みたいな(笑)。

あと、PS4で出ているMMORPGの『Destiny』というゲームがすごく気になっています。他の場所でログインしたプレイヤーと一緒に生活して、チームを組んで戦えるっていうシステムをFPSに持ち込んでいるゲームなんですよ。めちゃくちゃ面白そうだけど、きっと時間泥棒だな、これは…と思って(笑)。買ってできないとストレスになるので、今はまだ買っていません(笑)。私がやらずとも、弟がめちゃくちゃプレイすると思いますけどね。

――弟は、やはりそのまま成長してゲーマーに?

青木:今でもゲームは好きですが、「お姉ちゃんみたいにはなりたくない」と、ずっと言っています(笑)。だから今、フツウに大学生で、リア充してます。でも、リア充とはいえ血は争えない…みたいな(笑)。

――じゃあ、最近は忙しすぎて、ゲームのほうは…。

青木:いえ、隙があればゲームしてますよ。むしろ、休日はゲームしかしてませんね。仕事の休憩中にも、3DSで、誰かしら持っている『スマブラ』で遊んだり、『モンハン』がそろそろ発売されるから、みんなとそのリハビリをしたりして。

――リハビリ

青木:ゲームによってボタンが違うので。いわゆるBダッシュがどのゲームでも通用すればいいんですけど、Rボタンとか、スティック押し込みで走るとか、そのコマンドを自分のなかにもう一回落とし込んで、スムーズにプレイできるように。私は色々なゲームを同時にプレイするので、そんなにクセはつかないほうですけど、それでもXboxは他のゲームとAボタンとBボタンが逆だったりするので。「決定」と「戻る」が違うという、この差は大きいです(笑)。

――ごく個人的な感想ですが、第一印象と、お話してみた感じと、いい感じのギャップがありますね(笑)。これはもちろん褒め言葉ですが(笑)。

青木:それは、たまに言われますね。思っていたのと違う、第一印象との違いがありすぎる、っていろんな人がおっしゃるので、まったく世の中生きづらいですよ〜。あはは(笑)。

――今後、どんな声優を目指したいですか? やはり、ゲームにも出演しながら…?

青木:そうですね。私の場合、具体的に演じたい役があって業界に入ったというよりは、ファンタジーの世界というか、今自分がいる環境ではなく別の世界で、自分とは違う生き方をしている人になりきることに憧れてきたので。とにかく、性別や老若男女は関係なく、色々な役ができる役者になりたいと思っています。

――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします!

青木:読んでいただいたのに、ゲームの話ばかりしてしまって大変申し訳ないです(笑)。でも、エンターテイメントに関わっている人間だということを忘れずにいたいと常々思っているんです。これからも楽しいことにできるだけたくさん携わり、みなさんも楽しく、私も楽しく、ということをモットーに頑張っていきたいと思います。もちろん、お芝居は真剣ですよ! ですから是非、ツイッターでふざけていても幻滅しないでくださいね(笑)。

――ありがとうございました!

次回の「新人声優図鑑」をお楽しみに!

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀

人気ゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』の多田李衣菜役でお馴染みの青木瑠璃子さん