自身の内向的でHSPな実体験を元にした漫画を発信しているここみさん(@cocomi_3)。2022年8月には初の著書となる「私は私を幸せにする方法を知ってるんだ」を刊行し、多くの共感を呼んでいる。

【漫画】内向的でHSPな私の、価値観はガラッと変わった瞬間とは?

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【書籍より引用】

幼少期から集団の中にいると、いつもどこか緊張していてぎこちない。なんとなくまわりから浮いていて、でも1人の時間と家族といる時間だけは、自分らしくいられた。そんな自分を変えたくて無理をする日々。人生が合っていないような、ぬぐえない違和感…。頭と心と体がちぐはぐなまま生きていた。

ある日、自分が「内向的」で「HSP」だということを知ると、今までズレていた人生のピントが初めて自分に合った気がした。これは「私が私を取り戻す」までのキロクである。

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人によっては「あるある」と共感したり、「へ~」という新発見があったり、はたまたクスリと笑えたり、ほっこりしたりもしてしまう…。そんなエピソードをお届けしていきます。今回は、ここみさんが自身を内向的でHSPだと自覚したときのお話です。

■内向的でHSPです

はじめまして、ここみと申します。20代女性、元会社員、今はイラストや漫画を描く仕事をしています。

私は、内向的でHSP(Highly Sensitive Person)です。子供のころから「大人しい」と言われ、それがどうやらいい意味ではないと気付いた幼少期から、自分は劣った生き物なのだろうと感じていました。

大人になれば、声が大きくなって、みんなと話すのが楽しくなって、積極的になって、人付き合いが楽しくて仕方ないようになれるのかなと思っていました。ただ、現実はそうではなく、自分なりに工夫してあれこれやってみても「大人しい」の呪縛からは逃れられず、昔苦手だったものは大人になっても苦手なままで…。

「社会では、大人数の中でも大きい声でうまく喋り、積極的で、たくさんの友達がいる外向的な性格の人がより高い評価をされる」

これが子供のころから大人になるまでずっと感じてきたことです。だから、私は長い間「どうやったら外向的な性格に近づけるのか」に固執してしまっていました。

本当は、大人数の飲み会より一対一の会話の方が好きだし、休日は出かけるよりも家で過ごす方がいいし、新しく出会いを探さなくても親友がいれば問題ないと思っていたけど、そんな心の奥底の気持ちは恥ずべきものと感じて、フタをしてしまっていました。

だけどある日、そんな私の価値観はガラッと変わりました。

私は単に「内向的」で「HSP」だということを知ったのです。私が感じていた劣等感は、生まれ持った気質や性格が、ところどころ社会と合わなかったことから生まれたものでした。

でもそれを知ったからと言って自分は何一つ変わっていないのだから、「何をそんな大げさな」と思われるかもしれません。けど、今まで後ろ向きに捉えていた自分の気質には名前があって、形があったのです。

私は、外向的「じゃないほう」だったのです。それは私にとってはとても大きな、意味のある出来事でした。

もちろん、社会で生きていくには大なり小なり誰しもが無理しなきゃいけないとは思います(そんなに甘くないもんね…)。それでも、自分を理解してないまま無理をするのと、自分を理解した上で無理をするのは大きな違いがあると思います。

この漫画はそんな内向的でHSPな私の「エッセイ」であり、内向的やHSPの専門書とか、自己啓発のお話ではありません(もしそういうものを求めていたら、ごめんなさい)。外向性・内向性やHSPの度合いは人によって異なるので、共感する部分もしない部分も当然あると思います。こうしたらいい!というような正解めいたことを言うつもりもありません。

だけど、昔の私のように無理やり本来の自分を変えようと苦しんでいる人には、肩の力を抜いてもらえるかもしれません。あなた自身や周りの人を理解するための1つのきっかけになれたらうれしいです。

第1話「内向的でHSPです」より