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ボクスター GTSを上回る0-100km/h 4.3秒

レジェンドの名を蘇らせることは、簡単ではない。しかしトヨタは、2019年に20年間もブランクが空いていたスープラを、見事に復活させた。

【画像】蘇ったレジェンド トヨタ・スープラ ベースを共有するBMW Z4 718ボクスターも 全115枚

開発を主導したのは、トヨタの高性能モデルを手掛けるガズー・レーシング。彼らの息がかかった、最初の量産モデルがスープラだ。

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トヨタスープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

5代目BMW Z4とベースを共有し、今も物議を醸していることは事実。生産も、そのロードスターと同じオーストリアのマグナ・シュタイヤー社が担っている。とはいえ、トヨタが入念にチューニングを加え、兄弟モデルとは異なる次元の仕上がりにある。

当初、英国仕様のスープラに搭載されたエンジンは、BMWのB58型と呼ばれる3.0L直列6気筒ターボ1択。最高出力360ps、最大トルク50.7kg-mを発揮し、不足ない動力性能を生み出した。

ローンチコントロールを備え、0-100km/h加速は4.3秒。ポルシェ718ボクスター GTSの、4.3秒を上回る鋭さだった。

トランスミッションも、BMW Z4と共有するZF社製の8速AT。ドライブモードには、ノーマルとスポーツという2種類が実装された。乗り心地は、全般的にしなやかだ。

2021年には、BMW 330i由来となる2.0L 4気筒ターボ版が英国にも登場。最高出力257ps、最大トルク40.7kg-mと、3.0L版には劣るものの、車重が100kgも軽く0-100km/h加速を5.2秒でこなせる。

フロントが軽く走りが快活な2.0L版

パワーユニットの魅力でいえば、素晴らしい設計の3.0L版が上だろう。アクセルレスポンスはシャープで、ターボラグは殆どない。他方、2.0L版は燃費が13.7km/Lと良好で、フロントが軽く走りは快活。コーナリング時の振る舞いも、よりダイナミックだ。

ただし、3.0Lエンジンのドライビング体験が退屈というわけではない。豊かなパワーで、テールスライドも容易い。若干、グランドツアラー寄りの特性を得ているだけに過ぎない。

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トヨタスープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

トランスミッションには、6速マニュアルも追加されている。だが8速ATも極めてスムーズで、日常的には乗りやすく感じられるはず。

英国で提供されるトリムグレードは2種類。3.0Lのベースグレードには、19インチアルミホイールにアダプティダンパー、ブレンボ社製のブレーキ、アクティブ・ディファレンシャルが標準装備される。

ほかにも、ヒーター付きのアルカンターラ張りスポーツシート、8.8インチ・タッチモニター、ナビ、デュアルゾーン・エアコン、アダプティブ・クルーズコントロール、リアカメラなど装備は充実。まったく不便は感じないだろう。

英国で良く売れているのが、ひとつ上のプロ。内装が広範囲にレザーで仕立てられ、ヘッドアップ・ディスプレイにスマートフォンのワイヤレス充電機能、JBL社製の12スピーカー・サウンドシステムなどが盛り込まれる。

中古車なら予算の節約ができる

追って登場した2.0L版にもプロ・グレードは設定されるが、英国仕様の内容は3.0L版と異なる。18インチアルミホイールに100Wのオーディオクルーズコントロール、オートヘッドライトとワイパー、スポーツシートという内容だ。

共通して、トヨタ・セーフティパックが標準。衝突被害軽減ブレーキや車線維持支援システム、標識認識機能などを網羅する。

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トヨタスープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

英国の中古車市場を確認すると、現在では2.0L版なら3万8000ポンド(約687万円)前後で探せる。2021年時点の新車価格が4万5995ポンド(約832万円)だったことを考えると、だいぶ予算の節約ができるといえる。

知っておくべきこと

スープラは、英国でも限定仕様が複数リリースされている。3.0L版では、A90エディションが発売されており、マットグレーの塗装にブラックのアルミホイール、レッド・レザーの内装が特徴になっていた。

2.0L版は、富士スピードウェイ・エディション。専用のホワイト塗装にブラックの19インチアルミホイール、レッドのドアミラーカバーなどで差別化されていた。カーボン製トリムと、レッド・アルカンターラ張りのシートがインテリアを飾った。

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トヨタスープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

90台限定のハラマ・レーストラック・エディションは、30台がグレートブリテン島へ上陸。ホライズン・ブルー塗装にマットブラックの19インチ・ホイール、レッド塗装のブレーキキャリパーなどで着飾っている。

購入時に気をつけたいポイント

リコール

オイルポンプやバキュームポンプに不調を与えるとして、英国ではエンジン・マネージメントソフトへリコールが出ている。対象車両は、2019年4月から2021年6月に製造されたスープラ

燃料タンクの溶接が不十分だったとして、2019年6月から2019年10月に生産されたスープラにもリコールが出された。2019年3月中旬から4月上旬の車両にも、ステアリング・タイロッドが振動で破損する可能性があり、リコールが出ている。

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トヨタスープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

トヨタ車の場合、自身のクルマがリコール対応済みかインターネットで確かめられる。

保証の延長

トヨタ車の信頼性は間違いないといえるが、当初の3年間の新車保証が切れ始める時期。英国では、トヨタディーラーで整備を受けることで、登録開始から10年後か走行距離16万kmに達するまで、1年間の保証を追加できる。

英国編集部の推しチョイス

トリムグレード

英国編集部のオススメはプロ。エントリーグレードでも不満はないが、上質なシートやJBL高音質オーディオなど、うれしい装備が付加される。

ベスト:スープラ 2.0

直列4気筒エンジンは小型で軽量。より活き活きとした振る舞いで、コーナリングを楽しめる。

ワイルドカード:スープラ 3.0

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トヨタスープラ(DB型/2019年〜/英国仕様)

2.0L版より加速は鋭く、サウンドは聴き応えが増す。一層記憶に残るドライビング体験を味わえるだろう。


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