チュパカブラといえば、昔から南米や中米などに出没し、山羊や鶏の血を吸うとされる謎の未確認動物(UMA)だ。ところがここ数年、南米での目撃談が激減し、代わって米テキサス州での目撃情報が続出している。地元メディアでも大きな話題になっているのだ。

 テキサス州の地元テレビ局KENSが、同州在住の不動産業者の男性によるチュパカブラ目撃のニュースを伝えたのは、8月中旬のことだった。この男性が屋内で庭を眺めていると突然、謎の動物が現れ、庭に落ちたベリーを食べ始める。男性は撮影した写真をSNSに投稿した。すると「またテキサスにチュパカブラが現れたのか!」「南米からお引越し?」「テキサスのほうが獲物が多いのか」といった多くの反響が寄せられたのだ。米在住ジャーナリストが解説する。

「地元テレビ局がこの画像を州内のサン・アントニオ動物園の獣医師に見せたところ、『皮膚病の犬かコヨーテの可能性が高い』との指摘を受けました。テキサス州のホライゾン市では2010年に30羽ものニワトリが謎の生物に殺され、現場には一滴の血すら残されていなかったという事件が発覚した。これを皮切りに翌11年にも、テキサス州在住の野生生物保護局に勤務する生物学者が、自宅近くの山林でチュパカブラらしき不思議な生き物を目撃しています。1週間前には生物学者の妻も、毛のない犬のような動物を写真に収め、大きな話題になりました」

 その後もテキサス州では不思議な生き物の目撃談があとを絶たず、昨年5月には州内のアマリロ動物園のフェンス近くでうごめく謎の影が、監視カメラに撮影された。

「これは『チュパカブラ動物園に餌を求めてやってきた』と報道され、大騒ぎになりました。そんこともあり、テキサス州の、特に山羊や鶏を飼う農家では、夜の警戒を強めていると聞いています」(前出・米在住ジャーナリスト)

 なぜテキサス州でチュパカブラの目撃情報が急増しているかは不明だが、2010年のニワトリ大量吸血事件で味をしめた彼らが南米から仲間を呼び寄せている、というUMA研究家の分析もある。チュパカブラは今後もどこかへ移動を続けるのか。

ジョン・ドゥ

アサ芸プラス