9月1週目から2週目にかけて、「フィッシャーズ」のンダホと「ESPOIR TRIBE-エスポワール・トライブ-」のガチヤマが本名を公表。それぞれ本名を明かした理由にも言及した。今回は、彼らの動画から、YouTuberが本名を明かす理由やメリットを考えてみたい。

 エスポワール・トライブは、男性5人からなるYouTuberグループ。チャンネル登録者数139万人を誇る、人気クリエイターだ(9月17日時点)。今月7日に投稿した動画「ガチヤマの本名を公開します。」では、メンバーのガチヤマの本名を公開し、芸名で活動する理由とともに、公表経緯と理由を明かしている。

参考:【写真】ンダホの出資馬であるジェラルディーナ

 気になるガチヤマの本名は「ひろあき」。活動名をガチヤマにしたのは、「学生時代のあだ名もガチヤマだったから、下の名前を公表する意味がなかった」という理由だったと話す。ガチヤマという名前についてはメンバーもインパクトがあると述べており、初めてコラボするクリエイターにすぐ名前を覚えてもらえるというメリットがあることから、活動名をガチヤマにしたことはよかったようだ。

 実はガチヤマの本名は、これまでまったく触れられてこなかったわけではない。過去のエスポワール・トライブの企画のなかでもテロップで本名が出されたことがあるほか、今年8月にタレントの西村歩乃果のYouTubeチャンネルで公開された動画で、ガチヤマが本名を告白。西村の動画での告白がTikTokでバズったことも、今回公表する経緯になったようだ。しかしこの公表は、今後の企画にも関係があるとのこと。ガチヤマは今後、個人チャンネルに昔からの友人が出演する可能性に触れ、「いつも通りの呼び方の方が楽」と発言。友人に気を遣わせないためでもあると述べている。

 エスポワール・トライブでは、リーダー・けーすけとひろとが本名で活動しており、ガチヤマとはんくん、島袋が芸名を使っている。ガチヤマいわく、「昔は芸名でやっている人が多かったイメージ」と述べており、時代とともに芸名を使うか、本名で活動するかなど、魅せ方も変わってきているという。確かにヒカキンヒカルをはじめ、フィッシャーズもメンバー全員が芸名を使っている一方で、新世代YouTuberの代表格・コムドットはあむぎり以外は本名で活動しており、時代の変化はある模様。けーすけはこの点について、新世代YouTuberたちのなかで本名で活動するクリエイターが多いのは、東海オンエアへの憧れからと分析しており、第一線を走り続ける人気YouTuberたちの影響が名前にもあることがうかがえる。

 動画クリエイターたちの本名公開といえば、今年3月にフォーエイト48のこたつが本名を明かし話題になったほか、最近ではフィッシャーズのンダホが「馬主になる」という夢を叶えたことをきっかけに、本名を公表して大きな注目を集めたばかり。ンダホは動画で、馬主名義が本名「本田知聖」であること、JRA個人馬主資格を取得したことを明かし、公表理由を「ネットニュースになったときにスムーズだから」と説明している。なお、ガチヤマもンダホもYouTubeでの活動は今後の芸名のまま継続すると明言しており、普段の活動に影響はなさそうだ。

 ンダホの事例は少し特殊だが、ふたりのケースから考えると、YouTuberの本名公表は企画や活動の幅が広がるといったメリットがあることがわかる。しかしながら、ガチヤマのいう通り、インパクトのある芸名で活動することのメリットもあり、活動するうえでどちらを選ぶのか、その選択はなかなか難しい模様。YouTuberなど表立った活動における名前は、自身を「どう魅せたいか」というブランディングがその決定にも大きく左右するといえそうだ。

(文=せきぐちゆみ)

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