立浪監督も根尾には期待している(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 中日9月18日の広島戦(バンテリンドーム)に8-7と勝利。投手転向2年目の根尾昂が今季初登板、初先発する注目試合となった。

【動画】根尾は4回二死一塁の場面、森の直球をフルスイング、打撃面でもチームに貢献した

 本拠地で今季初のマウンドに立った根尾が堂々とした投げっぷりを見せた。

 初回、先頭の秋山翔吾にいきなり四球を与えながら、この回を無失点に抑えると波に乗る。140キロ後半の直球に変化球をうまく織り交ぜながら、バッターに的を絞らせない。3回まで無安打無失点とテンポ良く投げ、4回には同級生の小園海斗に初安打を許すも、落ち着いた姿勢で後続を断つ。

 続く5回、6回も先頭を出しながら併殺打で打ち取るなど、「投手・根尾」が熱投。0行進を続けた。

 また見どころは「打者・根尾」としての姿にもあった。4回二死一塁で迎えた第2打席、相手先発、森翔平の直球をしっかり捉えて右前へ運ぶと、応援に訪れたドラゴンズファンから大きな歓声が沸き起こった。続く岡林勇希の中前適時打で三塁まで進み、足でもチームに貢献してみせた。

 7回に内野の守備の乱れもあり、二死満塁の場面でマウンドを降りたが、この日の球数は98球、7回途中4安打4失点(自責0)2奪三振中継ぎ陣が広島打線につかまり、プロ初勝利はお預けとなるも今後の登板にも期待を残す内容となった。

 また2年連続リーグ最下位にあえぐ中日にとっても、「二刀流」根尾の活躍はチームに活気をもたらすことは間違いない。

 今季のチームはストロングポイントである投手陣も打線の援護なく、先発陣に勝ち星がつかず、厳しい戦いが続いている。そこで自身の投げる試合で打って勝つ―、そんな大谷翔平ばりの快進撃を根尾が果たせれば、投打にわたっていい刺激となり、相乗効果も生まれそうだ。
 
 根尾は登板翌日の19日に登録抹消となった。再登録可能となる29日以降には3試合が控え、特に本拠地で行われるシーズン最終戦(10月3日・巨人戦)を残すとあって、果たして次に二刀流で勇姿を見せるのは、どのタイミングとなるのか。引き続き、注目の存在となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

最下位中日に希望の光 根尾昂の今季初登板が示した「可能性」とは