アル・ナスル加入後も話題は尽きないC・ロナウド。そんなカリスマに思わぬ批判の声が飛んでいる。(C)Getty Images

 スーパースターへの“超VIP待遇”に批判の声が上がった。

 波紋を呼んでいるのは、サウジアラビアの名門アル・ナスルに所属するポルトガル代表FWクリスアーノロナウドに対するイラン政府の振る舞いだ。

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 現地9月19日C・ロナウドは、サディオ・マネらアル・ナスルの面々とともに、AFCチャンピオンズリーグのグループステージ第1節のペルセポリス戦のためにイラン入り。数千人の地元ファンから集まる歓迎を受けた。

 そんな規格外のスーパースターたちに対しては異例というべき好待遇が取り払われた。中東のニュースサイト『Al Jazeera』によれば、イラン政府はインターネットへのアクセスが制限されていない特別なSIMカードを提供。国内での自由な通信を認めたという。

 これの何が「異例」なのか。そもそもイラン政府は国民に対してインターネットなどの規制を慣行。数万のウェブサイトや主要SNSもアクセス不可能となっている。2022年9月に警察に拘束された女性が死亡する事件が起きてからは規制が大幅に強化され、Instagramといった日本では当たり前に活用されているソーシャルメディアも厳しく管理されているのだ。

 イランの観光大臣であるエザドゥラ・ザルガミ氏は「我々はそうしたものを提供していない。彼らも国民と同様に特別なアプリをインストールしないといけない」と報道を否定したが、ペルセポリスのCEOであるレザー・ダーウィッシュ氏が「私はイランセル(国内大手携帯通信会社)のCEOと話をつけた」とし、政府と提携したSIMカードの提供を明言。そうした経緯もあり、C・ロナウドらへの優遇には一部のメディアも反発している。

 イラン人ジャーナリストのイフサン・ボダギ氏は、『Al Jazeera』において「イラン国民よりも多くのサービスを受けられるというのなら、ロナウドや他のスターには1分たりともここには来てほしくない」と断言。「全イラン人を軽んじる行為だ。彼らが自国のイラン人より多くの権利やサービスを受ける資格がないことを理解してほしい」と訴えた。

 何をやっても注目を集めるC・ロナウド。そんな稀代のカリスマへの“VIP扱い”の余波はしばらく続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「1分たりとも来てほしくない」C・ロナウドへの“超VIP待遇”に非難殺到! イラン政府に反発の声「全イラン人を軽んじる行為だ」