力を見せつけた寺地。アクシデントをモノともせずに猛打を浴びせて相手を倒し切った(C)Getty Images

 9月18日、東京・有明アリーナでプロボクシングWBA・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦が行われ、同級統一王者の寺地拳四朗(BMB)が挑戦者ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)を9回TKOで下した。この結果により寺地はWBAが2度目、WBCが3度目となる防衛を果たした。

【動画】「世界最強の108パウンダー」と米老舗誌も絶賛した寺地拳四朗のKOシーンをチェック

 初回から両者ともに前に出ながらパンチを当てに行く展開が繰り広げられた。寺地はリング中央に陣取りながらブドラーにプレッシャーをかけ、足を使うブドラーも真っ向から打ち合いに応じるという激しい攻防が続いた。5回には偶然のバッティングにより、寺地が右まぶたをカットするアクシデントにも見舞われ、さらに試合中盤にブドラーが手数をかけ、寺地にパンチを浴びせる場面もみられた。

 それでも、ラウンドを重ねながら相手にダメージを与え続けた寺地は、9回も的確にパンチを当てながら残り1分を切ったところで、ボディ、右ストレートでぐらつかせると、クリンチで逃れようとするブドラーに一気にラッシュ、最後はレフェリーが割って入って試合をストップ。王者が勝利への執念をみせ、35歳の挑戦者を仕留めた。

 前回の防衛戦同様、打ち合いの試合を制し、周囲を納得させる強さでベルトを防衛した寺地。今回の試合内容、そして王者としての実力、戦いぶりは米老舗ボクシングメディア『Ring』からも高い評価を得ているようだ。

 試合後に公式サイト上でこの一戦をレポートしている同メディアは「ブドラーの出足は速かったが、テラジはそれに食らいついた。ディフェンディング・チャンピオンとベテランの一進一退の攻防が続いた。テラジは優勢に試合を進めたが、決して楽な展開ではなく、第5ラウンドには頭のぶつかり合いで右目をカットするアクシデントもあった」と振り返っている。

 終盤の試合展開については「第7ラウンドはブドラーが優勢に試合を進めた」と指摘しながらも、勝利した寺地に対しては「世界最強の108パウンダーが見せた、堅実で職人的なパフォーマンスだった」と評した。

 さらに「テラジはパウンド・フォー・パウンドの扉を叩いており、すでにトップ10入りの正当な権利を持っている」と綴っており、その上で「この勝利の後、トップ10入りを果たすかどうかは議論の余地があるが、もし彼がライトフライ級4団体統一チャンピオンになることができれば、我々は彼を神話的なリストから外すことはできないだろう」と見込みを示している。

 米誌もポテンシャルを絶賛するなど、今回も好ファイトを繰り広げた寺地。勝利後、次戦で3団体統一戦に臨むという意気込みも語っていた王者は、さらにその実力を磨き上げていくに違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

圧巻TKOで防衛成功の寺地拳四朗を「世界最強の108パウンダー」と米老舗誌も絶賛!PFPランク入りにも言及「正当な権利を持っている」