そんなところにハッチあったんだ。

防衛省がすでに大量調達決めた新装備

九州北部の山間部で2023年9月中旬、陸上自衛隊が試験中の新たな戦闘車両「共通戦術装輪車」の姿が確認されました。

撮影したカメラマンによると、走っていたのは、歩兵戦闘車型と機動迫撃砲(自走迫撃砲)型、偵察戦闘車型の3種類。すべて静岡県の富士駐屯地に所在する開発実験団隷下の装備実験隊に所属しており、支援車両として3 1/2tトラックや1/2tトラックも随伴していたそうです。

また、演習場の使用状況から推察して、おそらく射撃試験で来ていたのではないかとのことでした。

共通戦術装輪車」は16式機動戦闘車のコンポーネントを流用して開発された国産の装輪装甲車両です。前出したような複数のタイプが存在し、すでに防衛省では2023年8月31日に公開した「令和6年度概算要求」において、共通戦術装輪車歩兵戦闘車及び機動迫撃砲を取得するとしており、その内訳として歩兵戦闘車型を246億円で24両、機動迫撃砲型を82億円で8両、それぞれ明記していました。

なお、共通戦術装輪車16式機動戦闘車などと連携し、機動的に侵攻部隊への対処を行うと前出の概算要求にも記されていることから、一部メディアなどが報じたところによると、陸上自衛隊の数多ある部隊の中でも「即応機動連隊」に優先して配備される模様だといわれています。

防衛省/陸上自衛隊が開発中の共通戦術装輪車の偵察戦闘車型(紀藤 論撮影)。