Instagramで片付け、家計や家事の工夫を発信している3男1女の母・なごみー氏。家事も仕事もこなし、節約までするスーパー主婦のように見えますが、もともとは借金あり、ダラダラするのが大好きな汚部屋で暮らすズボラ主婦だったといいます。なごみー氏の著書『ポンコツ4児母ちゃん、家を片付けたら1000万円貯まった!』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、借金期から貯蓄1000万円達成に至るまでの年表や、家計簿のBefore&Afterを紹介します。

【借金期】借金100万円をこさえた暗黒の独身時代

今でこそ、「蓄財系整理収納アドバイザー」と謳って1000万円の貯蓄もできた私ですが、独身時代は借金100万円をこさえながら、自転車操業でさらに借金を繰り返すようなダメダメな人間でした。

当時、大阪でOLをしていた私は、「小さい頃、役者とか芸能界に興味があったな〜」と、ふと思い出したのが運の尽き。親元を離れ、いっぱしの大人になった気分で、「やるなら今でしょ?」とダメ元で芸能事務所に応募したら、なんと受かってしまったんです。でも、これにはちょっとしたカラクリがありました。「ド素人だからアカデミーなるものへの入学が必須だ」と言われたわけです。

すでに役者への妄想が炸裂していた私は何の疑いも持たず、アカデミーへの入学金と、茨城の実家に戻る引っ越し費用25万円を手っ取り早く工面しようと、あろうことか消費者金融に手を出しました!

役者としての一歩を踏み出してすぐ、継続的に舞台出演が決まりましたが、今度は劇団のチケットノルマが重くのしかかってきました。実家とアルバイト、劇団を往復する日々の中で人脈はなく、ノルマ20枚を売り捌くこともできず、公演のたびに1枚2000円のチケット代の半額を自腹で払う始末。それにもかかわらず、毎回「演技を磨くための必要経費だ」と自分に言い聞かせていたのです。

そんな中、共演者からとあるビジネスの話が…。華々しい儲け話に夢中になり、あれよあれよという間にその世界に足を踏み入れてしまったのです。

「役者の方がはるかに厳しい世界。このビジネスで収入を得られなかったら、役者でごはんが食べていけるわけがない」と自分にはっぱをかけて、思い込んだら一直線の私は、そのビジネスに、役者に、アルバイトにと、フルスロットルで臨みました。それなのに、聞いていた話とは正反対に、お金も時間も人脈もなくなっていく日々。それに比例して、自分の心の余裕もどんどん失っていきました。

そのビジネスで成功するためには、3か月間連続で売り上げ15〜20万円を達成しなければなりません。劇団のチケットさえ完売できないのに、その4倍、5倍の売り上げを3か月連続で達成できるわけがない。それに目標を達成した後も、毎月同じか、それ以上のノルマを売り上げなければ稼ぎにはなりません。こんな当たり前の計算でさえ、当時の私には見えていなかったのです。

初めに借りた25万円も完済できないまま、「このビジネスで成功すれば、役者に専念できる」と、売り上げ達成のために、さらに別の消費者金融からお金を借りることに…。この時、借金総額約80万円、利息を含めると100万円に。

【完済期】1年間で借金完済。結婚、出産と幸せ絶頂のはずが…

お金に対する不安が募っていたある日。出先からアルバイト先までの電車賃120円が払えず、1時間かけて歩いていきました。やっとの思いでアルバイト先の事務所に着くと、机の上に剝き出しで置かれた2000円札を発見。

「このお金があれば…」

一瞬でもそんなことを思った自分に心の底からゾッとしました。

「このままこんな生活を続けていたら、犯罪に手を染めかねない」

この出来事をきっかけに、「こんな生活は終わりにして借金を完済しよう」と一念発起、この時私は26歳になっていました。

そこからは、役者もそのビジネスからもきっぱりと足を洗いました。借金返済へと舵を切り、「1年で完済」を心に誓って東京のシェアハウスに引っ越し。実家を出たのは、時給の高い東京でのアルバイトを主な収入源にするためと、アルバイト先まで片道1時間という移動時間がもったいなかったから。当時、アルバイト先から徒歩圏内にあったシェアハウスは、水道光熱費込みで家賃約3万円だったのです。

それからの1年間は、朝8時から15時までラーメン屋さんで働き、その後は近くのアイスクリーム屋さんで17時から23時まで働く生活を続けました。昼ごはんはアルバイト先のまかないで済ませ、お客様に出せない食材をもらっては食費を浮かせ、スマホは持たずにガラケーを使うなど地道に節約。20万円弱のアルバイト収入から家賃、携帯費、やりくり費(一般的に変動費と言われるもの)を引いたお金はすべて返済に。がむしゃらに働いて、目標通り1年で借金をすべて返すことができました。

実は当時、アルバイト先のラーメン屋さんで、副店長をしていたのが今の夫です。借金を返済してきれいな体になった時、お互いのタイミングも合って結婚。この時は借金こそなかったものの、貯蓄はゼロ。家計管理の本質も全くわかっておらず、「もう借金してないから大丈夫だべ〜」とかなり楽観視していました。

しかし、翌年に長男が生まれた時はさすがに、「子どもがいるのに貯蓄ゼロはやばい」と、家計を整えることに心血を注ぐことになるのです。

【現在】6人家族・56平米賃貸暮らし。家計簿のBefore&After(図表2・3)

なごみー

3男1女、4児の母。整理収納アドバイザー1級

6人家族、56平米賃貸暮らし。楽しい節約生活、暮らしの工夫をSNSで発信中の蓄財系整理収納アドバイザー。元借金あり、汚部屋で暮らすポンコツ主婦から一念発起して、子どもたちの教育費4000万円を貯めることを目標に、家庭内のすべてを見直したことで、何もかもがうまく回るように。ズボラ主婦ならではのハードルは低く、かつ効果抜群なお金が貯まる・暮らしが回る生活のテクニックがメディアで話題に。

(※写真はイメージです/PIXTA)