2024年、従来のNISA制度を改良した「新NISA」がスタート。開始にあたり、非常に重要となるのが金融機関選びです。どのような留意点があるのでしょうか。お金のプロが平易に解説します。※本連載は、酒井富士子氏の著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』(Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

★登場人物

まねきミケ子

会社員(32歳)。同い年の自営業(イラストレーター)の夫と3歳の子どもとの3人暮らし。お金のことはやや無頓着。最近、将来の子どもの教育費や老後の資金が心配になり、お金の専門家のフジコ先生に相談している。

フジコ先生

ファイナンシャル・プランナーの資格を持つ経済の専門家。経済ジャーナリストとして「お金のことを誰よりもわかりやすく発信する」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報をあらゆるメディアで解説している。投資初心者のミケ子さんに、やさしく丁寧にお金の増やし方を伝授していく。

金融機関は「自分の投資スタイル」に適した先を選ぼう

 Point 

サポート重視なら銀行、投資の自由度を重視するなら証券会社

今後、投資の幅を広げたいならネット証券がオススメ!  

フジコ先生:さて、新NISAを始めるには、まずは金融機関にNISA専用口座を開設する必要があります。

まねきミケ子:金融機関というと、銀行や証券会社ですよね。どうやって選べばいいですか?

フジコ先生:自分の投資スタイルによって選ぶ金融機関は違ってくるんですよ。

まねきミケ子:私はコツコツ積立投資をしたいです!

フジコ先生:ミケ子さんのように、じっくり投資信託を積み立てていくという人なら、銀行・証券会社のいずれでもOK。一方、株式も購入したいという人なら、証券会社という選択になります。銀行では株式は購入できませんからね。

まねきミケ子:そうなんですね! 銀行・証券会社どちらでもいいと言われると、迷っちゃうなぁ…。

サポートが手厚い銀行、商品ラインナップが豊富&自由な証券会社

フジコ先生:一般的に、直接相談できてサポートが手厚いのが銀行。商品ラインナップが豊富で自由度が高いのが証券会社です。

まねきミケ子:初めての投資だから、サポートが手厚いって魅力的!

フジコ先生:銀行なら、店舗に行けば対面で相談に乗ってもらえます。対面型の証券会社でも相談に乗ってもらえますが、普段からなじみのある銀行と比べると、ちょっとハードルが高いかもしれませんね。給与振込口座の銀行を選べば、資金を移動させる手間が省けるというメリットもあります。

まねきミケ子:ゆうちょ銀行でも新NISAはできますか?

フジコ先生:できますよ。ゆうちょ銀行なら全国にあるので、近所の店舗で相談できますね。

まねきミケ子:それって安心かも!

フジコ先生:ただ、銀行でも証券会社でも、コールセンターが設置されています。店舗のないネット証券も同様です。電話でも充分だと考えるのなら、銀行にこだわる必要はないかもしれません。それよりも、将来的に投資の幅を広げたいと考えているのなら、商品ラインナップを重視しましょう。

まねきミケ子:金融機関によって取り扱う商品も違うんですよね。

フジコ先生:そうなんです。銀行だとつみたて投資枠の対象商品は数本~数十本程度というのが一般的ですが、ネット証券なら100本以上取り揃えているところが多いです。積立金額や積立のタイミングも、証券会社のほうがバリエーションが多いですね。

まねきミケ子:100本も! 電話でサポートが受けられるなら大丈夫なのかな~。

フジコ先生:コールセンターの受付時間は金融機関によって違います。夜は何時までなのか、土日はやっているのかなどはチェックしておきましょう。

まねきミケ子:わかりました!

COLUMN★新NISAで購入できる商品は?

新NISAでは、つみたて投資枠、成長投資枠どちらも、購入できる商品を金融庁が定めています。金融機関によって商品のラインナップが異なるのは、金融庁が定めた商品の中から、さらに各金融機関が取り扱う商品をそれぞれ決めているからなのです。

酒井 富士子 経済ジャーナリスト、FP

(画像はイメージです/PIXTA)