国民的ガールズグループとなったNiziUを生んだ、JYPエンターテインメントと日本のソニーミュージックの日韓合同オーディション・プロジェクト「Nizi Project」。そのシーズン2(以下、S2)が、現在Huluにて独占配信中。第4回目では、前回に続き、地域予選を通過した20名が、日本合宿でダンス・レベルテストに臨む。その様子を考察と共に振り返る。

【写真】3次審査で「ダンスは一番」と評された練習生のハル

■「I can We Can ソケン!」

20名は、5泊6日の合宿期間中に、ダンス、ボーカル、スター性のレベルテスト、そしてチームミッションに臨み、合格の証であるNiziキューブ獲得を目指す。次の関門となる韓国JYPセンターでのトレーニング合宿に参加するには、ダンス、ボーカル、スター性、そして姿勢の4つのNiziキューブを揃えなくてはならない。絶対評価の為、韓国合宿に行ける人数は決まっていない。

最初のダンス・レベルテストでは、ミラク、ショーン、エイジ、と、3人連続でキューブを獲得。残る17人がプレッシャーを感じる中、ケン(蘇建)が呼ばれた。東京在住の15歳だ。「こんにちは。I can We Can ソケン!」と挨拶して、ダジャレにウケまくるJ.Y. Park。これは自己紹介の時に、彼が必ず言うキャッチフレーズ。参加者内でも流行り、思わず口にしてしまうほどだった。

ケンは3次審査の時、Stray Kidsの「神メニュー -Japanese ver.-」を踊り、J.Y. Parkに「他の参加者に比べて実力が足りなさすぎ」と厳しい評価を受け、“保留”になった参加者。だが、彼の可能性に賭けて後日合格となった。そして、J.Y. Parkに「切実な心で本当に一生懸命練習してください」と言われた事を胸に、毎日精いっぱい練習して日本合宿にやって来た。

ダンス・レベルテストの曲は、Rainの「Switch to me」。これは、RainとJ.Y. Parkのコラボソングだ。一生懸命、全力で踊るケン。だが、J.Y. Parkの評価は、「本当に下手です」。「この中で一番下手」「どうして(その場で結論を出さずに)保留にしたのか、わかりますか」と厳しい事を言いながらも顔は笑っている。J.Y. Parkはケンの可能性を信じているからだ。「力とスピードが素晴らしい」と褒め、やっとケンが笑顔になった。

そして「この曲のダンスの基本的なフィーリングを、しっかりキャッチしてきましたね。体の動きにセンスがあるという事です」と、ケンがスポーツをしてきた事が役立ったと評価した。だが、キューブを獲得する事は出来なかった。

日々の練習で成長したつもりだったのに、「一番下手」と言われて残念な気持ちになりながら席に戻ったケンに「スゴかったよ」「お疲れ様」と口々に声をかけて励ます参加者たち。2日目で既に友情が芽生えていた。

■元練習生のユウの評価は…?

次は、ユウ(富安悠)。他の事務所で練習生経験のある参加者だ。予選時にJ.Y. Parkから受けた「ダンスのラインが美しくない」という指摘を課題にして、1つ1つの動きを鏡でチェックしながら練習してきた。曲はStray Kidsの「Hellevator」。ハイレベルな振付を次々とキメる悠に、参加者たちは感嘆。J.Y. Parkもところどころ頷きながら見入っていた。そして、パフォーマンスが終わると大きな拍手が。

指摘したダンスのラインは直った、と褒めるJ.Y. Park。だが、「全編力を入れて踊るのではなく、軽く踊る所も必要」と新たな指摘を。そして、エイジ同様、ユウも猫背で踊っている事を注意された。「でも、体のコントロールが素晴らしい」と良い点も伝えたが、キューブは獲得できなかった。

■3次審査での高評価組が続々と…

キューブが貰えない状況が続く中で呼ばれたのは、ハル(井上陽)。3次審査で「参加者の中でダンスは一番」とJ.Y. Parkに言われた、JYP練習生になって半年の16歳。日本合宿までの間、毎日朝10時から夜遅くまで歌とダンスを練習。合宿期間中も毎日課題をノートに記録していた努力家だ。

「自分がここで一番上手だ」とつぶやき、自己暗示をかけてレベルテストに臨んだハル。曲は、Stray Kidsの「Back Door -Japanese ver.-」。サビのダンスのキレ味に、思わず「うわぁー」と感嘆する参加者も。「力、動き、転換のスピードは最高だと思います」との高評価に笑顔でお礼を言うハル。続けてJ.Y. Parkは「でも」と言い、緊張が走る。「全体的に少し硬い感じがしました」と、余裕を持って、力を抜いて軽く踊る部分がもっと必要だと指摘。そしてしばらく悩んだ後、「来てください」と、キューブを渡したが、「今日は最高ではなかった」と改めて告げた。

そして、3次審査でJ.Y. Parkが逸材だと絶賛し「次のステージがもう見たい」と言っていたユウキ(西山裕貴)は「力とスピードが足りない。今日は少し残念」、ボーカルと人柄を評価されたタカト(大塚天翔)は「あまりにも粗っぽい。踊っているというより、動きをやっとこなしているように見える」、そして「漫画の主人公のよう」と評されたJYP練習生のセイタ(河嶋星太)も、「硬い。余裕が無さすぎ」と、キューブを獲得できなかった。

■JYP練習生歴最長のタイガ登場

最初は連続してキューブを獲得し、「これは結構イケるのでは?」と思われたが、予選時に高評価だった参加者が次々と玉砕する状況に、キューブを貰うのは並大抵の事ではない、と改めて気づかされる。

そんな重苦しい空気の中で呼ばれたのは、JYP練習生歴最長のタイガ(藤牧大雅)。しかし、「動きの正確さが問題」と指摘が。「すべての動きは、関節と筋肉で表現するんだよ。手を動かすとしたら、そこから繋がる足の動きまでシンクロしなきゃいけないのに、タイガは1つを意識すると、それ以外の部分が雑になる。この概念を身につけないと、これ以上実力が伸びないと思う」と、かなりシビアな事を言われてしまった。練習生を3年続けてきたタイミングでの厳しい言葉に、タイガは「メッチャ自信なくした。どうしよう…」と休憩時間に落ち込んでいた。

■やっと聞けた「来てください」

休憩を挟んで重苦しい雰囲気が少しやわらいだ再開1人目は、JYP練習生のソウダイ(三浦颯大)。ソウル予選でJ.Y. Parkに「メインボーカルになれるかも」と歌唱力に太鼓判を押され、ダンスも上手いと褒められたが、本人はダンスに自信が無く、前夜から極度の緊張状態に。彼が選んだ曲は2PMの「Make it」。「今までは振付のコピーをするだけで、歌詞の意味や感情表現についてあまり考えていなかった」と言う彼。だが、自分の表現をする事の大切さに気づき、歌の内容をよく理解して練習し、「自分がしてきた事は間違ってない」と、自信を復活させてレベルテストに臨んだ。

最善を尽くして踊った彼に、大きな拍手が贈られ、「スゲェ」とつぶやく参加者も。そして、J.Y. Parkも「本当に良かったです」と称賛。「まず、練習量が感じられます。動き1つ1つについて、どれだけたくさん悩んだのかが感じられます」と、彼の努力にももちろん気づき、ダンスの正確さや速さ、ラインの美しさも褒めた。感情を込める事は大切だが、すべてに込める必要は無く、抜くところも大事だとアドバイスした後、「来てください」。やっと新たなキューブ獲得者が出た。

続いて、静岡のコウヘイ(永塚康平)。卓越した感情表現を評価された参加者だ。彼が選んだのはStray Kidsの「My Pace -Japanese ver.-」だが、同じ選曲の参加者が何人もキューブを獲得するのを見て、プレッシャーが襲う。緊張と戦いながら踊る彼をJ.Y. Parkはとびきりの笑顔で見守り、終わった途端に「来てください」。そして参加者たちに「コウヘイくんは、振付に思いきり感情を乗せています。その理由は、振付をただ完璧に覚えるのではなく、身につけたから」と説明した。そして、強弱、緩急の区別が完璧だと絶賛。あれほどの緊張を悟られず、「余裕があった」とまで言わしめた彼の精神力も評価に値するだろう。

■参加者に一目置かれるトモヤ

ソウダイ、コウヘイに続いてキューブを獲得する為に、トモヤ(植村朋哉)が登場。3次審査で、圧倒的なスター性を評価されたJYP練習生だ。初日の自己紹介の時にも、「先にやりたい人は?」と問われて、彼は真っ先に挙手。J.Y. Parkにその情熱を褒められた。

彼の選曲もStray Kids「Back Door -Japanese ver.-」。ソウル予選で「余裕が無い」との指摘を受け、楽しんで踊れるように心がけて、彼も毎日12時間の練習を続けた。「JYP練習生なんだから、上手くやらなければ」などのプレッシャーを感じた時期もあったが、「自分らしくやろう」と気持ちを切り替え臨んだレベルテスト。審査するトレーナーたちからも「彼が一番だね」との声が上がるほどの会心の出来だった。J.Y. Parkも、指摘した点を改善できていた、と評価。そして、ダンスの転換の速さも称賛した。「最近のダンスは、動きの転換が本当に早いが、それは、感情の転換でもある」と、参加者に説明するJ.Y. Park。そしてトモヤに「動きに余裕は出てきたけど、心の余裕はまだ。次は心まで余裕を持って」とアドバイスし、キューブを与えた。

J.Y. Parkの審査は、良し悪しだけじゃなく、次に繋がるアドバイスやポイントも伝えてくれるところが素晴らしい。次回は、気になるダンス・レベルテストの順位発表。そしてボーカル審査が始まる。

オーディション番組『Nizi Project Season 2』は毎週金曜日22時に新エピソードが追加され、Huluにて独占配信中。また「Nizi Project Season 2」の特集は、朝のTV情報番組『DayDay.』(日本テレビ系)で毎週水曜に放送中だ。

◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部

『Nizi Project Season 2』第4話より /(c)Sony Music Labels Inc./JYP Entertainment