昨年は新人王も獲得した大勢(C)CoCoKARAnext

 巨人9月20日の阪神戦(甲子園)に3-4の逆転負け。この敗戦で球団史上ワーストとなる阪神戦シーズン18敗目を喫した。この日、3位・DeNAは広島に勝利したため、ゲーム差は3・5と広がり、逆転CSへ向け、いよいよ厳しい立場に追い込まれている。

【動画】1点リードの8回から3番手で登板した菊地は二死二、三塁からノイジーに痛恨の逆転2点適時打を浴びた

 先発は山崎伊織。10勝目を目指して登板した若きエース候補は6回2失点と試合を作り、後続に託した。7回から2番手で登板したアルベルト・バルドナードも3人で抑えたが、1点リードの8回から3番手で投入された菊地大稀が阪神打線につかまった。

 二死まで追い込むも相手4番、大山悠輔に四球を与え、続く佐藤輝明にも二塁打を浴び、二死二、三塁の形を作られる。さらに続くシェルドン・ノイジーの打席でスライダーを中前へ運ばれ、痛恨の逆転2点適時打を許した。

 打線は7回までに丸佳浩18号ソロなどで3点を奪ったが、終盤に逆転を許すと、再度反撃する力は残っていなかった。目指すCS進出に向け、痛い星を落とした。

 チーム課題である終盤の救援投手陣運用がまたもクローズアップされた試合となったが、心配されているのは守護神、大勢のコンディション面にもある。

 右上肢のコンディション不良から今月17日に約2か月半ぶりに実戦復帰した大勢だったが、復帰戦となった17日のヤクルト戦(東京ドーム)では1点リードの9回から登板し、中村悠平の犠飛で1点を失うなど、本調子ではない様子をうかがわせた。

 翌18日の試合も8投手の継投で必死につなぎ、執念のサヨナラ勝ちに持ち込んだ試合となったが、大勢の登板はなかった。20日の阪神戦もベンチ入りはしていたが、リードした状況であれば、9回は左腕、中川皓太に託す予定だったと考えられ、起用に制限がある投手をブルペンに抱えることで、ベンチにとっても終盤の運用をさらに難しくしている側面もありそうだ。

 昨年ルーキーながら守護神を務め、53試合に登板し、37セーブをマーク。新人王にも輝いた大勢の復帰に関しては原辰徳監督も大きな期待を寄せていたが、思ったような相乗効果は得られていない。

 とはいえ、3位のDeNAとは3・5ゲーム差とし、残り9試合。21日の阪神戦にも敗れれば自力CS進出消滅とシーズンが終わってしまう可能性も出てきた。

 2年連続Bクラスの屈辱を避けられるか、チーム全員の力を結集することが求められている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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